優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年06月

六月送る
関西電力から計画停電のお知らせが記された圧着はがきが届きました。期間は7月2日から9月7日です。計画停電が必ず実施されるというわけではなく、「万が一の備え」とのこと。この夏がどの程度の暑さになるかで変わってくるんだろうと思いながら読みました。「より一層の節電をお願いします」とも書いてありました。私はテレビもエアコンも持っていません。節電といってもなあ、という感じです。

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梅の雨
昨日の晴天が一転して、今日は朝から曇って、昼前には雨が降りだしました。最初は雨の音がしないほどのひそやかな雨でしたが、今は本降りになっています。梅雨入りから三週間になり、梅雨が本格化して末期にかけて豪雨災害が起こりやすい時期に入っていきます。

蛇について前の記事で書き、ふと蛇はなぜ進むことができるのだろうと不思議に思いました。検索すると、学研サイエンスキッズにわかりやすく書いてありました。蛇は肋骨を動かして足の代わりにしているのだとか。そして、なぜ蛇に脚が無いのかは、科学者の間でもはっきり答えがわかっていない難しい疑問なのだそうです。単に移動するということを考えたら、蛇のような動きの方が逆に効率的かもしれません。

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青葉
自然歩道を歩いているといろいろな動物を見ます。昨日は、すぐそばのヒノキからはばたいたトビが谷に向かって滑空していきました。トビが目の前から飛び立って上昇気流に乗り、みるみる上空高く舞い上がっていくところにも出会ったことがあります。鳥は人間よりもはるかに立体的な三次元空間に生活していますから、空気の流れを常に感じとっているのでしょう。トビはワシタカの仲間で、すぐ近くで見ると精悍で迫力があります。

蛇もよく目にします。蛇が人間を意識せずリラックスしているときには、全身の筋肉が弛緩してゆるんだゴムひものように見えます。あるいはインスタントラーメンの縮れた麺か。普段目にしていた蛇のすっと伸びた(蛇行はしていますが)姿勢は、運動中だからなんですね。

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七月
週明けは七月です。2012年の折り返し地点にきました。増位山の頂から見える播磨灘も真夏の色になっています。季節によって海の色が変わるのは、太陽光線の状態によるものなのでしょう。心理的なものもあるかもしれません。本来自然のものには固有色はなく、太陽光線が反射され、それを見た人間がどう感じるかで決まっています。ですから、おなじものを見ていても、見ている色は厳密には同じ色ではありません。このことに気づいたとき、とても驚いたことを覚えています。

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梅雨青空
朝からからっと晴れ上がり、湿気が少なくヨーロッパの夏を思わせるようなお天気です。日本の夏の独特の蒸し暑さはあの湿気によるものです。初めてヨーロッパへ行ったとき、「日本の夏」というのは文字通り「日本の夏」であって、世界のどこにも存在しないものなんだ、と驚きました。決して快適ではありませんが、あの蒸し暑い夏がないと季節を失ったような気がしますから、不思議なものです。

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梅雨の晴れ
午前中は青空がちらほらのぞいているものの、雲の多い空模様でした。午後から風が出ました。真夏になると一日中南風が吹き、南北の窓を開け放てば爽快にその風が通っていきます。しかし、今日の風は北からのもので、北東側の部屋の窓をあけると風が吹き込んで来ました。ごうごうと風の音がして木が揺れていました。夕方になるとその風で上空の雲がすっかり吹き払われ、秋を思わせるような青空が広がりました。

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黄金虫
窓を開けていたら、黄金虫が飛び込んできました。蝿や蜂などと比べると桁違いの羽音です。つかまえてじっくり観察してみました。背中の金属的な光沢が美しく、黄金虫というのはこの色ゆえのネーミングかと思いました。コガネムシというのは総称で、その中にカナブン、ハナムグリといった種類がいます。部屋にきた黄金虫はシロテンハナムグリ(画像)だとわかりました。こういうことが即座に調べられるのがインターネットのありがたさです。

ところで、この花は何でしょう? アザミに似ていますがサイズが尋常ではありません。花冠の大きさが成人男性の握りこぶしほどはありそうな花でした。

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夏鶯
ウグイスの囀りはよく知られていますが、姿を見たことのある人は少ないのではないでしょうか。鶯色といわれる色はメジロの色に近く、鶯餅の色もそうです。梅に鶯といっても、ウグイスは梅林のような開けたところにはほとんど出てきません。あれはメジロの間違いだという説さえあります。

もともと藪をすみかとし、繁殖期間中の囀りはオスの求愛、警戒信号といわれます。鳴きたくて鳴いているというよりもやむを得ず鳴いているに近いのかもしれません。それにしては美しい声です。森でよくウグイスの声を聞き、そこに立ち止まって声のした方をじーっと見たりしますが、姿を見ることはまずありません。

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虎尾草
昨日見たときオカトラノオの花序のひとつに青虫がいました。今日、再びそこへ行ってみたら同じ青虫がそのままいて、花をほとんど食べてしまっていました。見ている間にも花が三つほど食べられ、そのスピードに驚きます。むしゃむしゃという音が聞こえてきそうな勢いです。ひとつ食べてはもぞもぞと身体を動かして次の花に移り、またひとつという具合で、この花序の先端部は裸になってしまっていました。青虫は蝶の子どもですから、食べ盛りなんでしょうね。

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夏木立
もうすぐ七月ですが、今年はまだそれほど暑いという日がありません。蒸し暑さもそれほど感じません。まあ、暑さの本番は梅雨明け以後です。晴れると空に入道雲の片鱗のようなものが立ち上がってきます。遠くで輝く雲の白さ、あれ以上に白いものはこの世にあるまい、と思います。

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