優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年06月

虎尾草
「虎尾草」と書いて、俳句ではトラノオと読みます。サクラソウ科のオカトラノオのことです。長い花序の上側に偏って白い五弁の花を咲かせます。この形が虎の尾にたとえられたものです。たっくさんから、蛇ヶ池の上の林の縁にオカトラノオが咲いていると教えていただき、見に行きました。池の湿地ではいまハナショウブが咲いているため、その方に注目していて、こちらへはしばらく来ていませんでした。

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野萱草
蛇ヶ池周辺で草刈がおこなわれていました。他の草がすべて刈り取られている中で、ノカンゾウは残されていました。あの鮮やかな朱色の花を刈り取ってしまうにはためらいがありますね。一部刈られたものを持ち帰っている人も見かけました。いつも間にかハルジオンがヒメジョオンに替わっています。なんとなく、ヒメジョオンの方が背が高く花が小ぶりのように見えます。

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紫陽花
さきほどコーヒーを飲みました。これまでは200mlくらい一度に飲んでいたのですが、カフェイン離脱を試みつつある今は、粉を減らして150mlくらいにしています。飲むのは離脱症状が出てからです。振り返ってみると、カフェインを断つと決めて開始したのが6月15日でした。丸二日以上カフェインを摂取しなかった17日の夜には、最初の離脱症状が出て、軽い吐き気がありました。その後は、背中や腰のこわばりが主な症状で、今もコーヒーを飲むと消えました。

チョコレートや緑茶は取らず、コーヒーの量を段階的に減らしていき、最終的にはカフェインから離れようと思っています。一ヶ月から二ヶ月、夏が終わるころには完全にカフェインから独立していたいものです。

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蛍袋
ホタルブクロは高さ30〜70cmのキキョウ科の多年草です。今の時期、道端や空き地などあちこちで釣鐘型の花をぶら下げたように咲かせます。通常の角度では、花の内側をうかがい知ることができませんので、デジカメでのぞきこんでみました。

カフェインからの離脱はゆっくり進めています。毎日200mg以上、2週間以上連続してカフェインを摂取し続けていると、カフェインをぬいたときに離脱症状があらわれやすくなります。飲食物にどれくらいカフェインが含まれているかが複十字病院の健康サポート科のサイトに載っていました。これを見ると、私はこれまで毎日400mg以上は確実にカフェインを摂取していたと思います。今日も腰から臀部にかけての筋肉に張りを感じ、コーヒーを飲んだらおさまりました。

チョコレートやココア、コーラにもカフェインが含まれていることから、子どものころからずっとカフェインを摂り続けていたのです。カフェインからの離脱症状としては頭痛が最もよく知られていますが、私の場合は筋肉のこわばり、張りとして現れるようです。

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木苺
クサイチゴの実る時期が過ぎ、写真の木苺はエビガライチゴか、と思います。日本の木苺類はすべて食べられます。人間が赤や黄色に反応するのは、祖先が樹上生活をしていたとき、熟れた実のサインに反応した名残だという説を聞いたことがあります。それに対して、緑や青はまだ熟れていないから反応しない。その無条件の反応が信号にも生かされているということになります。ファストフードの店の基調カラーが、すべて赤と黄色で構成されているのもそれを応用していて、「食べたい」という欲求をおこさせるものだとか。

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浴衣
6月22日から24日まで姫路では「ゆかた祭」が行われていました。毎年梅雨のさなかに行われ、一日は必ず雨が降ります。七夕のようにもとは旧暦でおこなわれていたものだろうか、と思っていました。旧暦なら今年の場合は8月10日前後になり、残暑が最も厳しいころで、お天気も安定します。

しかし、このお祭は急遽開催が決定したという性質があります。ゆかた祭が始まったのは1742年(寛保二年)の夏至の日です。当時の姫路藩主・榊原政岑(さかきばら まさみね)は、風流大名との異名を取り、派手な遊興を好み、吉原の高尾太夫を身請けするなどして、将軍・徳川吉宗の倹約令を無視し、幕府の怒りを買いました。そのため隠居を命じられ、越後に転封されることになります。

これに際し政岑は、城内にあった長壁神社へ庶民も参拝できるよう長源寺境内に社を造営させ、御神璽を竪町に遷しました。この時、遷座祭に奉仕する人々の式服を調整する間がなく、許しを得て「ゆかた」を着ました。これに習い毎年例祭に参拝する人々が「ゆかた」を着るようになったのが「ゆかた祭」の始まりです。

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風鈴
姫路は軍都だったため、終戦間近に二度大規模な空襲を受け、古い町並みが残っているところはほとんどありません。姫路城が無傷で残ったということが奇跡に近いような出来事ですから、無理もありません。それでもお城周辺は世界遺産に指定されてから随分整備が進みました。ごくわずかに昔の面影をとどめているところでは、その地域あげて町並み整備に力を入れておられるようです。

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青葉
増位山自然歩道のあずまや脇のアベマキにハシボソガラスがきて鳴いていました。もう一羽がそばのヒノキに飛んできて、二羽が話すように鳴いています。ヒノキに止まった方は一声鳴いてはヒノキの小枝をむしりむしりしていました。あれは何をしていたのか。カラスは鳥類の中では最も知能が発達していて、「遊び」と思われる行動をとることが観察されています。あれも遊びだったのでしょうか。

人間が人間たるゆえんはいろいろあります。そのひとつが「遊ぶ」ということだそうです。生命維持や生殖と直接関係のないことをして時間を過ごす行動は、他の動物でも見られることはあります。しかし、人間ほど生涯を通じてそれに勤しむ生きものはありません。

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夏薊
「薊」は春の季語です。春から咲いているのはノアザミだけですが、蝶や燕と同じで「初見」を重要視しているのが季語の特徴です。ノアザミは春の終わりごろから咲き始め、夏中咲いています。いろいろな野草を見ていると、蝶が特に好んでやってくる花がいくつかあります。ハルジオン、ノアザミはその代表のような花です。いろいろな蝶がいれかわり立ち代りそこを訪れています。

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茄子
随願寺の庫裏前にナスが育っています。プランターのようなものに一本か二本植えられているだけですが、隣には同様にキュウリも生っていて、こういう育て方をするなら、アパートのベランダでも新鮮な野菜が食べられるのでは、と思いました。育てる楽しさもあるでしょうし。ジャガイモはナス科です。食材として見た場合、似ているようには思えませんが、ナスの花を見ると、ジャガイモの花とそっくりなので、納得します。

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