優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年07月

炎天
炎天下という言葉でおなじみです。「炎天」とは夏の日盛りの焼けつくような空のことです。現在の室温は32℃。外はかーっと太陽が照りつけています。しかし、これまでの数日にくらべると湿度が下がっているのか、雲はほとんど消え、真っ青な空が広がっています。遠くの景色も今日ははっきり見えます。初秋を連想させるようなお天気です。

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入道雲
今日も暑いですが、これまでの数日とは少し感じが違います。すでに空に雲が湧いています。しかし、これまでは朝が「土用の朝曇り」で、どんよりとした空模様のままむんむんと暑く、午後にさらに日差しが出て耐え難い暑さになりました。昨夜の風が湿気を吹き払い、今日は少し秋めいた晴天になっています。「土用半ばに秋風が吹く」という言葉そのままのお天気です。そういえば、昨日初めてホウシゼミの声を聞きました。

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月涼し
このところ夜もずっと暑く熱気がこもって、月はもやがかかったようになっていました。しかし、昨日は夕刻にかなり風が吹き水蒸気を吹き払ったのか、久しぶりにすきっと澄んだ月を見ることができました。「月」は単独では秋の季語です。夏の暑さが去りこもった湿気もなくなると、月が澄んだ光を放つようになります。昔の人はそれを見、十五夜を楽しみに待ったのでしょう。今年の十五夜は9月30日です。

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プール
「行水」という季語があります。盥に湯を入れてその中で身体の汗などを洗い流すことです。昔は井戸水や川の水を汲んで薪を焚いて湯を沸かしていたため、毎日入浴することはできませんでした。各家庭に給湯設備が整い、スイッチをひねるといつでもお湯が出てくるという生活があたりまえになったのは、せいぜい1970年以後のことではないか、と思います。

東京オリンピックが開かれたのが1964年。そこに向かって日本が高度経済成長の階段を駆け上がり始めたのが1960年前後です。その後、日本人の生活は劇的に変わったのです。1950年代の生活は1970年代よりも、1930年代に近いと言われます。歳時記を見ても、農作業や生活に関する季語ではもはやぴんとこないものがたくさんあります。

この句の場合も、一種の行水のようなものと考えられますが、「行水」がもはや生活の中から姿を消しているとあっては、句に詠むのも難しいと思いました。幼い姉妹がビニール製のプールで歓声をあげていました。頭上にはパラソルがさしかけてあり、紫外線対策も怠りないのは、イマドキです。

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盛夏
連日猛暑になっています。電力は大丈夫だろうか、と思います。特に午後からの暑さがひどく、早朝に起きてできるだけ朝のうちに用を片付けるようにしています。「夏は朝」です。清少納言ばりに言えば

夏は朝。盛夏の頃はさらなり。
しらじらと明けるや、蝉の鳴き始めたる。
また、カラスがかあと鳴いて、ねぐらを後にするもをかし。
涼しきあいだこそをかし。

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七月は明日で終わります。「八月」は上旬に立秋があるため、季語としては初秋に入ります。夏もいよいよ終盤です。残暑は八月いっぱいくらいは厳しいでしょうが、それでもお盆が過ぎると空が高くなり、秋の色が濃くなってきます。季節は移り変わっていくとういうことそのものが魅力です。日本の自然は特にこの遷移が繊細で、そこがいい。蝉は空が白み始めるともう鳴き出しています。「時を惜しむ」というのが、その声を聞いているとじんわり響いてきます。

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冷奴
冷奴は夏の料理の定番のひとつです。醤油をかけて食べるのがスタンダードだと思いますが、思いついてドレッシングをかけてみたら、なかなかいいです。豆腐サラダがあるくらいですから、ドレッシングでも十分なのでしょう。豆腐は料理の仕方を選ばない万能選手です。豆腐だけでなく、その関連食品もよく食べます。油揚げ、厚揚げはいろいろなものに入れて料理するのに最適な素材で、重宝しています。

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麦茶
飲んでいるのは、はと麦茶です。「暑いときには熱いものを飲め」と言われます。まあ、徹底的に暑いときはやはりきんきんに冷やした飲み物でないと喉の渇きがおさまらない、ということはあります。しかし、室内で過ごしている分には、飲み物は夏でも熱いものの方が好きです。コーヒーを大量に飲んでいたときも、アイスコーヒーはほとんど飲みませんでした。

冷たいものとしては、水道水をブルーソーラーウォーターにし、冷蔵庫で冷やして飲んでいます。以前、友人に教えてもらったもので、普通の水道水を青いガラスのボトルに入れて30分ほど外に出しておけば、ブルーソーラーウォーターになります。いろいろ効用があるらしいです。何より無料でできるというのがリーズナブルです。

こういう健康系やらスピリチュアル系の「なんとかに効く」というのは、高価なものが多いですが、これは無料。効用があろうがなかろうが元がただの水道水なんですから、損はしません。ボトルは青い色がついてさえいれば何でもいいので、麦焼酎の瓶を使っています。蓋は金属でないものとのことで、ペットボトルのものを転用しました。

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蝉の声
目が覚めるともう蝉が鳴いています。その朝羽化したばかりの蝉がここぞとばかりに鳴いているのでしょうか。オリンピックが始まっていますが、テレビを持っていないので、中継を見ることもありません。電化製品というもの、無ければないで過ぎてしまいます。テレビは特にそう思う製品です。もともとテレビをやめようと思ったのは、知らず知らずのうちに時間を侵食されていると感じたからです。

家に帰ったらまずテレビをつけて、それで15分、20分がなんとなく過ぎてしまう…。何もしなくてもテレビの向こうで入れ替わり立ちかわり映像が変化しつつ流れますから、ぼーっと見てしまいます。あるからついつけてしまう。これじゃいかん、と思ったわけです。結果、別に何の不自由もありません。掃除機や照明が無いと生活に支障をきたしますが、テレビはそういう電気器具とは違います。

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揚花火
第34回姫路みなと祭り海上花火大会が開かれています。今は花火がどんどん打ち上げられているようで、音が轟いています。花火そのものは、海の近くにある小山に遮られてほとんど見えません。わずかに高く打ちあがったものが半分だけ見えました。ここでこの音なら、近くの家では轟音だろうと思います。あと30分くらいは打ち上げが続きそうなので、音の競演を楽しみましょう。

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