優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年07月

涼し
断捨離以来、部屋の物品は極力少ない状態を維持しています。また使うべく出してきたものは、使い終わるとすぐに片付けるようにしています。こうすると掃除機をかけるのも床を拭くのも簡単にできます。床にものを置かないというのは片付けのポイントだと思います。また、引き出しや押入れに入っているものは、常に70%程度にしておいて、それ以上になりそうなら処分します。そう心がけて収納も簡単になりました。死蔵しているものがなくなると、部屋もモノも活きます。

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夏旺ん
近所で分譲地が売り出されており、新しい住宅の建設が進んでいます。すでに何軒かは建って新しい住人の生活が始まっています。週末ですが、関係なく建設工事は続けれられています。いろいろな音が聞こえてきます。最近は釘を打つのも材木を切るのも全部機械です。バシュッバシュッという釘が打たれる音が聞こえています。炎天下での作業ですから、さぞかし暑いだろうと想像できます。内装工事は屋内ですが、冷房はありませんから、やっぱり酷暑でしょう。

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炎昼
炎昼とは、燃えて焼けつくすような真夏の昼の暑さを意味します。午後、車で外へ出たら、車の温度計が37℃まであがりました。発熱しています。北の内陸部の空には入道雲が立ち並び、これを意味する「雲の峰」という季語もあります。空は青くはなく、うすぼんやりともやがかかったような色合いをしています。これは水蒸気と塵によるものです。秋になると空が澄んで高く感じられるのは、この猛暑の時期の空の様子ゆえだろうと思います。

今日は土用の丑の日です。鰻を食べられる方も多いでしょう。鰻には受難の日です。近所のスーパーに行ったら、先日までは鰻の蒲焼の予約を盛んに宣伝していましたが、今日はすでに「夏の節分巻寿司」の予約呼び込みに変わっていました。節分は、今では冬の最後の日を意味するようになっています。しかし、もともとは各季節の最後の日すべてを「節分」としていました。季節を分けるという意味ですから、当然といえば当然です。

いろいろとマーケティングの戦術があるものだと関心します。土用も夏だけでなく、それぞれの季節の最後の18日間にあります。そこで、冬の土用の丑の日にも鰻を食べよう、という話も持ち上がっているとか。定着するんでしょうか。

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朝ぐもり
一般的には「土用の朝曇」と言われます。土用のころ、昨夜のように熱帯夜となり、翌日も炎暑となる日の朝は、もやがかかってどんよりとした空模様に見えます。お天気が下り坂なのか、と思えばそうではなく、前日強い日差しに熱せられて上空に多量の水蒸気がこもり、夜明け前に冷えて曇ったように見える現象です。

暑さの極みを迎えていますが、朝の明けるのは夏至のころに比べると1時間近く遅くなっています。空が白み始めたころ、まず聞こえてくるのがカラスの鳴き声です。他の鳥の声も聞こえますが、個体数が多いのがカラスなのでしょう。そのうち蝉も鳴き始めます。蝉の個体数も今は圧倒的なものになりつつあります。

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熱帯夜
予想通り昨夜は暑い夜になりました。窓を開けていた部屋の朝の室温が28℃でしたので、夜間に3℃ほどしか下がらなかったということです。ロンドン五輪が始まります。英国の夏は日本のような高温多湿とは異なりますから、真夏にマラソンをやっても大丈夫なのでしょうが、日本の東京なら危険です。選手だけでなく、観客に熱中症が続発しそう。東京オリンピックが10月10日に開会式だったのもわかります。

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◆夏の空
今日は暑くなりました。午前中はそれほどでもありませんでしたが、午後から気温があがり現在も室温は31℃です。熱帯夜になるかもしれません。蝉の声が早朝から大きく聞こえるようになってきました。近所へ自転車で出かけました。田んぼや畑では農作業中の方の姿を見ます。今日のようなお天気だと熱中症の危険が増します。水分補給は十分過ぎるくらいでちょうどいいでしょう。途中、木陰のブランコを見つけて乗ってみました。懐かしくていいものです。

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夏の朝
窓を開けていると、さまざまな香りが漂ってきます。今は朝の洗濯の時間、洗剤か柔軟仕上げ剤の香りがします。その前は朝食のものらしい香りがしていましたし、さらにその少し前は線香の香りでした。お仏壇に朝のお灯明を上げられているのでしょう。窓を開け放つ時期ならではのおもしろさです。

明日からロンドン五輪が始まります。ロンドンの地下鉄のウエストハム駅が歩行発電のタイルを設置しているという記事を読みました。それでLED照明の電力を供給するのだとか。自然エネルギーの発電が注目されていますが、こういう発電方式もあり、発想の転換だと思いました。

同じく英国のスーパーマーケット・チェーンでは、来店客の車にプレートを踏んでもらうことによって発電するシステムを導入しているそうです。

本来エネルギー源とは考えていなかったところからエネルギーを拾い集めるという発想で、こういうことができるなら、部屋の床にこうした仕組みを埋め込んで建物の電力を供給したり、日本の人口密集地域では、公共交通機関と連携して乗降客の出入り口にそうしたプレートを設置すれば、かなり電力を生み出すことができるのではないでしょうか。

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夏の宵
一日が暮れて、まだ完全に夜になりきっていない時間を宵といいます。「夏は夜」といったのは清少納言でした。今から千年前の夏の平安京、熱帯夜はあったのでしょうか。人口密度ははるかに低かったでしょうし、コンクリートもアスファルトもエアコンもなかった。さらに、歴史的な流れで見ると、長い時間の中で平均気温は大きく変動しています。源平の争乱のころ、地球は温暖化していたといいます。グリーンランドにバイキングが植民し、集落を作っていました。

日本ではそのせいで西南日本に飢饉が多発し、それが平家への不満の一因になったとか。一方、中世は世界的に寒冷化が進み小氷河期のような状態にありました。こういうときは北東日本で飢饉になりやすいそうです。気温は千年程度で見てもかなり変動しています。豪雨や災害、猛暑などがあると、「最近の気候はおかしい」という話がすぐに出ます。しかし、人間の100年にも満たない人生経験では、「おかしい」といえるほど肌感覚を蓄積できないのは確かです。毎年どこかオカシイのであり、オカシイことが地球にとっては正常なホメオスタシスかもしれません。

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蝉しぐれ
蝉がたくさん集まっていっせいに鳴いているさまを「蝉しぐれ」と言います。山の中だけでなく、都会の街路樹でも聞かれます。地下街を出て降り注ぐ蝉しぐれの下へ出ると、どっと汗が噴き出します。目には入道雲、耳には蝉しぐれ、というのが日本の夏を印象付けるものではないでしょうか。

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油蝉
早朝、まだ暗いうちに起きます。街灯の明かりがそろそろ光の強さを失い始めるころです。空がしらじらと明けてきて、そのうちに蝉の声がするようになります。今の時期の中心はアブラゼミです。ミンミンゼミの声はまだ聞こえません。蝉は何年も地中にいて、最後の最後に羽化し、蝉の姿をとって鳴き始めます。鳴くのはオスのみです。

朝は涼しく快適です。といっても今日も猛暑というわけではなく、現在の室温は29℃です。30℃を超えるとやはり暑いと感じますが、それ以下だと夏としては「まあ、こんなもの」という感覚です。昨日も夕方車を運転したとき、エアコンはつけませんでした。車のエアコンも外気温が30℃を下回ると、不用です。窓を全開にして風を入れた方が爽快です。

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