優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年07月

蜩初めて鳴く
「蝉」は夏の季語です。しかし、蜩(ひぐらし)と法師蝉(ほうしぜみ)は秋の季語になっています。そのうえで、初めてヒグラシが鳴くのを聞くことを「初蜩」あるいは「蜩初めて鳴く」として夏の季語としています。このことを知ると、歳時記の繊細な季節感にあらためて驚きます。それは日本人の季節感であり、細やかに自然の変化を肌で感じてきた先人の感性の蓄積です。

ヒグラシはカナカナカナと鳴く蝉です。日暮れ時によく聞かれることから、ヒグラシとの名がついています。秋近しを感じる声で、この澄んだ鳴き声を聞くと、暑さが一瞬すーっとひくような思いがします。

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日傘
日傘は夏の暑い日ざしを避けるために用います。紫外線が有害だと言われるようになって久しく、UVカットの加工を施した日傘が主流になっています。自転車に乗ってまで日傘をさしている人があるのには驚きます。日傘をさすのは「大人の女性」かな、と思います。少女といわれる年齢ではさしているのを見かけません。「日傘は20歳を過ぎてから」。

増位山の山上駐車場へ上がっていくドライブウェイ入口の近くを、西国三十三箇所観音霊場の巡礼道が通っています。加西市の第26番・一乗寺から姫路市の第27番・円教寺へ向かう道です。古い時代には大勢の巡礼が行き交ったのでしょう。今も巡礼碑が残っています。

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夏霧
今日も涼しく、現在の室温は27℃です。先日の雷雨以来はっきりしないお天気が続いていて、太陽がほとんど顔を出しません。今日も朝日は見ましたが、それ以後は曇って涼しい風が吹いています。梅雨が明けきっていないような空模様です。すごしやすいことはすごしやすいですが、暑くなるべき時期にしっかり暑くならないというのは、なんだか怪しい感覚です。

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はと麦茶
歳時記には「麦茶」はありますが、はと麦茶は載っていません。しかし、まあ、似たようなものとして句にしました。麦茶は大麦を、はと麦茶ははと麦を炒って煎じたものです。カフェイン摂取量を減らすためコーヒーを朝一日一杯のみにして、それ以外ははと麦茶か黒豆茶を飲んでいます。コーヒーの減り方が全く違うので、非常に大量に飲んでいたのだと実感しています。多分、経済的にもこちらの方がいいだろうと思っています。

コーヒーは一度入れたらそれで終わりで、次は新しく入れなおさなければいけません。しかし、はと麦茶も黒豆茶も2〜3回は同じパックで入れることができます。味もそれほど変わりません。ちょっとしたことですが、積み重なると随分大きいのじゃないかと思います。なぜなら、生涯にわたって消費するものだからです。大きなことを切り詰めるより、こういうちょっとしたことに工夫をすると、意外に浪費している部分が見えてくるのでは、とコーヒー&はと麦茶から教えられました。

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月涼し
昨日は旧暦の六月四日でした。夕方西の空に細い月が出ていました。一昨日の雷雨以来気温が下がり、曇りがちのお天気が続いています。今日も朝から曇って涼しく、土用や大暑とは思えない天候です。電力事情から、酷暑はできれば短い方がいいですが、あまり涼しいと今度はお米の生育が気になります。

最近は朝早めに起きて絵を描いています。間もなく千枚になるので楽しみです。千枚に達したら、一段落してちょっと違うことも試してみようと思っています。絵を描いているうちに、「こういうこともできるのでは」「ああいう方法もある」といろいろアイデアが出てきて、それを確認したい。千枚描けば、自分の描き方や方向が見えてくると思っていましたが、確かにそういう感じを受けています。

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大暑
今日は二十四節気の大暑(たいしょ)です。夏の最後の節気、あと二週間で暦のうえの夏は終わります。それ以後はどれほど暑くなっても秋、残暑です。昨日の雷雨以来気温が下がり、今も室温は28℃です。一足先に秋になったような気分です。午後の日の傾き加減で、日がかなり短くなったことを感じます。昨日、増位山の頂でハギが咲いているのを見ました。秋の七草のひとつです。植物の様相はもう夏というよりは秋に近い感じです。里ではあちこちでムクゲが咲いています。

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花火
昨夜はどこかで夏祭りが行われていたのか、花火の音が聞こえてきました。山の向こうのため音だけで、開く花火の姿は全く見えませんでした。花火大会は夏以外にも開かれますが、やはりメインは暑い時期です。これから夏休み中の週末は日本全国で花火が大量に打ち上げられることでしょう。

花火が歴史に登場したのは、六世紀ごろ、中国で火薬が使われるようになったのとほぼ同時だといわれています。ヨーロッパに伝わったのは十三世紀、王の権威を示すために花火の技術が発展していきました。日本に現在の形につながる花火製造の技術が伝わったのは、十六世紀の鉄砲伝来以後のことです。

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土用あい
土用あいとは、夏の土用の期間中に吹く北風を意味します。お昼過ぎの雷雨が去った後、日差しは戻らずそのまま日没となり、開け放った北側の窓から涼しい風が吹き込んで来ました。涼しすぎて扇風機もいらないくらいです。温度計を見ると26℃でした。エアコンの適温が28℃といわれますから、それよりも低くなっており、雷雨の威力を実感しました。

今日は土用に入って三日目の「土用三郎」です。古来からこの日の天候でその年の農作の行方を占ったといいます。激しい白雨の後の冷涼な空気、さて、これは何を示しているでしょうか。

「土用半ばに秋風が吹く」と言われます。増位山の蛇ヶ池の周りにあるヤマザクラがちらほらと紅葉しています。サクラは落葉樹の中でも一番早く紅葉が始まるのではないか、と思います。毎年七月下旬には紅葉が始まっています。蛇ヶ池のハスはまだ全く咲く気配がありません。去年も立秋を過ぎてから咲いたように記憶しています。

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雷電
お昼過ぎに激しい雨を伴った雷がありました。雷雨のときというのは独特の空気感があります。上空に積乱雲がやってくるため、辺りは急速に暗くなり、遠くの方が明るく光っています。そのうちぽつぽつと降り出して、ざーっと来ます。今日の雨はなかなか雷鳴がせず、雨だけとは珍しいと思っていると、ゴロゴロと聞こえ始めました。雷雨になるとパソコンは入れられず、しばらく外の雨を眺めたりしていましたが、昼寝の時間にしました。

雷電とは雷のことです。他にもいろいろな季語があります。雷電というと、江戸時代に雷電爲右エ門という名前の力士がいました。当時で今の把瑠都と全く同じ体格であり、数々の逸話や記録から「史上最強の力士のひとり」といえるようです。

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夏休み
関東以西の小中学校ではおおむね今日から夏休みです。夏休み初日の解放感というのは、何より素晴らしかったのを覚えています。子どものころは夏休みの最初の二週間ほどは、朝のラジオ体操がありました。出席カードのスタンプを押してもらって…。今も朝のラジオ体操を集団でやっているところもあるようですね。夏休みの宿題や自由研究、結構好きでした。あまり苦になった記憶はありません。特に自由研究や工作は大好きでした。強制されると嫌なのですが、自分で好きにやるのはおもしろい。

毎日学校のプールへ泳ぎに出かけましたが、特に午前中のプールが好きでした。まだ午前中は水温がそれほど高くなく、冷たさが心地よく、水底に差した日の光が波できらきら揺れきれいでした。長距離をクロールで泳げるようになってからは、のんびりゆったり流して泳ぐのも楽しかった。紫外線などというものを気にせず真っ黒に日焼けできた「古きよき時代」です。

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