優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年08月

秋の朝
今朝は朝焼けがきれいでした。台風の影響か長い雲が伸びて、そこに昇ってくる太陽の光が反射していました。朝焼けや夕焼けは、日の光を反映する雲があることによっていっそう劇的で美しくなります。夜が明けると蝉が鳴き始めます。盛夏の中心であったクマゼミはもうほとんどいなくなっています。今はミンミンゼミが主体です。蝉しぐれの時期は過ぎ去り、なんとなく心もとない鳴き方です。

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かまきり
随願寺の境内のムクゲにハラビロカマキリの幼虫がいました。ハラビロカマキリという名前は腹部の幅が広いというストレートなネーミングです。この幼虫の特徴は、威嚇のために腹部をぐっと曲げてお尻を立てることです。もっと大きな虫か蛇にでも似せようとしているのでしょうか。

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杜鵑草
杜鵑草(ホトトギス)はユリ科の多年草です。9〜10月ごろ山地の崖や林の中に自生します。名前のホトトギスは、渡り鳥のホトトギスの胸にある斑点に似通っていることから名づけられました。北海道から本州、四国、九州に分布します。鳥との混同を避けるため、杜鵑草と草をつけて記されます。

昨日登った一山、上っているときは上に注意が向いているので気がつきませんでした。下山時、同じ道を通って咲いているのを見つけました。

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秋はじめ
昨日は、宍粟市の一山に登ってきました。晴天で下界は厳しい残暑でしたが、千メートルを超える山頂は涼しく、山々の展望を楽しみました。夏に入ってからは、当日のお天気が悪かったりして、なかなか山に行けませんでした。秋に入り、久しぶりの山を満喫しました。

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残る暑さ
昨日は厳しい残暑でした。海風が吹き続け、午後九時近くなっても強い海風が続いていました。午前一時ごろには弱い陸風に変わっていましたから、深夜まで海よりも陸の方が温度の高い状態が続いたのです。暑い時期はこの海風のおかげで、昼間は窓を開け放てば気持ちのいい風の流れを感じていることができます。

海風が続いている中、空を見上げると文月の半月が出ていました。時おり雲が横切っていきますが、月が完全に姿を現すと、影ができるほどの月光です。満月に影ができるのは知っていました。半月でもそうなのだなあと思いながら空を眺めていました。この月が満月になっていってもまだ名月ではありません。今回の満月は旧暦七月十五日(9月1日)、文月の満月で「盆の月」といいます。中秋の名月は旧暦八月、葉月の満月であり、9月30日です。

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つくつくぼうし
今日はよく晴れて昼間に車を運転していたら、外気温は37℃ありました。厳しい残暑です。それでも蝉の声はしだいに控えめになってきています。ホウシゼミの声がよく聞こえ、森でもあちこちで鳴いています。一匹がひとクール鳴き終わると、すぐに近くの蝉が鳴き始め、またその次、という具合です。日が暮れて、暗くなると虫の声があちこちから盛んに聞かれるようになっています。昼間はまだ夏の名残があるものの、夜は確実に秋です。

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かまきり
カマキリはカマキリ目カマキリ科の昆虫の総称です。小さな逆三角形の頭の両角に大きな目がつき、頭は自由に動いて餌を発見するのに適しています。普通は黄緑色ですが、灰褐色のものもあります。前肢が獲物をつかまえやすいように鎌状になっています。一度見れば忘れられない形態で幼い子どもでもカマキリを知っています。普段は他の昆虫をつかまえてむさぼり食うカマキリですが、子どもに捕らえられてはかないません。気配を察してささっと逃げていきました。

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秋の空
秋になると空が高くなったように感じます。湿気が少なくなって見通しがきくからでしょうし、秋によく出る筋雲は1万m近くの高空に現れるからかもしれません。刷毛でさっと掃いたようなこの雲のずっと下に積雲が連なっていたりすると、三次元的な空の深さを実感できます。

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地蔵盆
随願寺の庫裏前を通りかかると、「お茶を飲んでいきませんか」と声をかけていただきました。テーブルに大きなお鍋がいくつも用意されているので、「何かあるのですか?」とたずねると、地蔵盆だとのこと。地蔵菩薩の最も盛大な縁日は8月24日(もと旧暦の7月24日)です。地蔵菩薩は子どもの守り本尊とされることから、子ども会などが主体となって行事をおこなうところもあります。私も子どものころ、集落でおこなわれた地蔵盆の行事に参加したことを思い出しました。大きな数珠をみんなで繰り、終わるとお菓子をもらって帰るのが楽しみでした。

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秋の陽
増位山の蛇ヶ池には亀が棲んでいます。池の中央部分には蓮は生えておらず、水面がぽっかりのぞいています。そこに倒木が一本横たわっていて、昨日はその上で亀が首を伸ばしていました。蓮の花は咲き続けています。葉の傷みが目立つようになってきました。まだ青くしゃきっとした葉はありますが、黄色く変色してきているものも多くあります。これから秋が進むと葉が破れ茎から折れていきます。これを破蓮・敗荷(やれはす)といいます。

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