優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年09月

蓮の実
蛇ヶ池の蓮の実が熟れてきています。手が届くところのハチスを引き寄せて蓮の実を採りました。蓮の実は生で食べられます。しかし、生食するには青い間に採る必要があります。熟れたものはお菓子やスープの材料になります。熟れた実を取り出してみると、ドングリのさらに硬いもののようです。蓮の実は長い年月に耐えられることが知られています。現在、大賀蓮として知られる蓮は、1951年に二千年以上前の地層から出土した蓮の実を、大賀一郎博士が発芽に成功させたものです。

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金秋
金秋(きんしゅう)とは、秋を表す季語のひとつです。陰陽五行説で秋に金があてはめられることから、金秋という言葉になりました。秋の異称としてはほかに、高秋(こうしゅう)、素秋(そしゅう)、白秋(はくしゅう)、白帝(はくてい)などがあります。

秋分以後、午後の光をまぶしく感じるようになりました。光の強さは夏の方が強いのですが、太陽の南中高度がかなり低くなっています。また、空気中の湿度が減って透明度が増し、光がその中をまっすぐ進んでくる印象です。風は北東寄りです。夏の日中に吹き続けた強い南風は姿を消しました。

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秋高し
今日もよく晴れていました。アサギマダラにまた会いました。きっと増位山は旅の通り道なのです。晴天が三日続くと空気中の塵が増えるのか、今日は増位山の頂から大鳴門橋は見えませんでした。それでも、双眼鏡で見ていると、仁寿山と小富士山の向こうを一機のパラグライダーが飛んでいるのが見えました。白浜か的形あたりです。山へ行くときは大抵双眼鏡を持っています。景色を見たり、鳥を見たり。一度山頂から火事を見たことがありました。

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虫の音
午前四時過ぎはまだ真っ暗です。窓を開けて空を見ると真上にオリオン座が見えました。まだ寒いというほどではありませんが、早朝の空気は引き締まっています。午前六時前ごろに日が昇ってきます。日の出の位置が間もなく部屋の中からは見えなくなりそうなところに来ています。夏の間は日の出が見える一方、日没が北へ寄るため、部屋からは見えません。冬は日の出、日の入りともに南へ寄ります。日中の時間が短くなるのはそれゆえです。

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秋の海
今日も秋晴れでした。増位山の頂からは二日連続で大鳴門橋が望めました。淡路島は西の海岸全体がよく見え、双眼鏡を使うと風力発電の風車も見えました。お彼岸にヒガンバナが咲いていないと書きましたが、蛇ヶ池のほとりにも随願寺の境内にもちらほらと咲き始めています。

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秋の森
増位山の森でアサギマダラに会いました。飛び方が特徴的なので、遠くからでもそれとわかります。「あれ? もしかすると」、と思って立ち止まって見ていると、すぐ近くまで飛んできました。アサギマダラはあまり人を恐れません。前翅の浅葱色が透けて見えるほどの距離で見ることができました。一匹だけでもうれしいのですが、今日はすぐに二匹が現れ、さらに増えて合計五匹が姿を見せてくれました。

アサギマダラは長距離を飛行することで知られています。今日見た蝶たちは夏に日本本土で生まれ、南へ下る途中のものです。飛び方はひらひらふわーっという感じで、のんびりしているように見えますが、ほとんど止まりません。あの身体で2,000kmもの旅をするんだなあと思いながら森の奥へ消えていく姿を見送っていました。

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秋の夜
秋祭りが近づき、夜になるとどこかの公民館でおこなわれている太鼓の練習の音が聞こえてきます。秋の夜長、かすかに聞こえる太鼓の音はこの時期ならではのものです。昨日で秋の彼岸が明けました。「暑さ寒さも彼岸まで」が今年ほどあてはまる年は珍しいと思うほど、秋分を境に季節が変わりました。

昨日は午後からやや風がありました。その風も夏から初秋に吹いていた南からの風ではなく、北よりの風で、季節が変わったことを示しています。一昨日の月は潤んでいましたが、昨夜は風のおかげで月はくっきりと秋らしい姿になっていました。

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秋気澄む
今日の増位山の頂からは播磨灘の見通しがよくきき、行き交う大小の船の姿が見えました。どの季節にも、その季節の味わいに満ちた美しい日が一日はあります。今日の増位山の頂は仲秋のそうした一日でした。これから季節が進み、木々が色づく晩秋になると、また一味違う美しさがあります。日本の盛夏から初秋は高温多湿ですごしにくい時期ですが、あの時期があればこそ、この秋、という気がします。

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爽やか
秋晴れの爽やかな一日です。空気が澄んでなにもかもがすっきりと見えます。増位山の頂からは大鳴門橋まで見えました。少し風があり、その風の具合が気持ちよく、周囲の風景を見渡していました。空は青くそこにほかほかと雲が浮かんでいます。六甲山も但馬と丹波との国境にある粟賀山もよく見えました。秋たけなわです。

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秋社
昨日は社日(しゃにち)でした。社日とは、雑節のひとつです。産土神を祀る日であり、春分と秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日とされています。中国の風習が日本の民俗信仰に取り入れられたもので、春の社日に山を下りられた田の神が、役を終えて山に帰られる日として祀るところもあります。俳句では、彼岸といえば春の彼岸を意味するように、単に社日といえば、春を意味します。そこで、秋の社日は秋社(しゅうしゃ)との季語になっています。

新しいオイルパステルを使いました。これまで主に使っていたのは、サクラクレパスとセヌリエ オイルパステルでした。昨日使い始めたのは、カランダッシュ ネオパステルです。三つの使い心地を比較すると、滑らかさという点ではカランダッシュが一番かもしれません。セヌリエも確かに滑らかですが、滑らかさの質が違います。セヌリエはぬらぬらした感じ、カランダッシュはさらさらした感じです。

今後はセヌリエとカランダッシュを主に使うことになるでしょう。これらは丸型でチョークホルダーが使えるので都合がいいのです。サクラクレパスは学童用は丸型ですが、80色そろったアーティスト用は角型です。指先でつまむような動作より、ホルダーを使って掌全体で包み込むような持ち方で描きたい。ただ、セヌリエもカランダッシュも市販のチョークホルダーでホールドするにはやや細く、輪ゴムを巻いて直径を太くして使っています。

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