優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2013年03月

山ざくら
山桜はソメイヨシノと違い、同じ場所に生えていても開き方に遅速があります。ソメイヨシノはクローンですが、山桜には個性があるからです。山桜は山中に生えており、高木になるため身近で花を見ることはソメイヨシノほど簡単ではありません。増位山のドライブウェイの途中に谷から生えている山桜の花をすぐ近くで見られるところがあります。

ソメイヨシノは淡い桜色をしていますが、山桜の花びらはほぼ白色です。これが離れてみるとあの微妙な桜色になるのですから、不思議です。梅林の中にある山桜の巨木が間もなく開花しようとしています。開花直前の山桜は枝全体が桜色に染まり、「さあ、咲くぞ」という勢いを感じます。

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三月尽く
今日も花曇といっていいお天気です。周囲の山は山桜が咲きそろってきれいです。ソメイヨシノが無かった江戸時代以前は、桜といえばこの桜だったのでしょうか。ただ、江戸後期に著された桜の花の図鑑である『群花花譜』と『古今要覧稿』には、百三十種以上の桜の花が描かれており、この中には現在では全く見られなくなった桜もあるといいます。

ソメイヨシノは江戸末期に作られた園芸種で、普及は明治以降だと言われています。それ以前からさまざまな桜が作出され、人気のあったものが今まで残っているのでしょう。日本にもともとある野生の桜の品種は約九種、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、タカネザクラ、マメザクラ、チョウジザクラ、ミヤマザクラなどで、これらの自然交配種とみられる桜もあります。

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明日から四月です。まわりは桜の花でいっぱいです。関東地方ではもう花は散り始めているようですね。姫路周辺ではこれからが見ごろのところが多く、入学式は満開の桜の下で迎えられそうです。

昨日、通信販売で注文していたキャンバスが届きました。これまで麻のキャンバスに描いていたのですが、アクリル絵具に最適という綿と化繊のキャンバスを使ってみようと思いました。これを注文したとき、在庫切れで時間がかかるとの連絡を受け、試しに近所でアウトレットというふれ込みのキャンバスを買ってみました。

ところが、これがキャンバスの形はしているもののキャンバスとは言えない品物でした。キャンバスには絵具やオイルパステルの定着をよくするために、ジェッソを塗ってから描きます。ところがこの”キャンバス”、ジェッソが定着せず、水をかけたら流れてしまったのです。「安物買いの銭失い」とはこれだなあと思いました。画材は定評のあるメーカーのものを使わないといけません。苦労が水の泡になりますから。

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週末で年度末でもある今日、空は明るく晴れて桜の美しさが際立っています。家の周囲のソメイヨシノは三分から五分咲きです。最初から上着を脱いで散歩してちょうど良い気温でした。梅林は上部の早咲きが多かったところではほぼ花が終わろうとしています。全体にはまだ花はきれいです。梅林の上に聳える山桜の大樹は間もなく花を開きそうな景色でした。

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花曇
昨日は太陽の姿が見えるような見えないような空模様でした。桜の時期のこういう薄曇を花曇(はなぐもり)といいます。今日はからっと晴れています。日中は気温が上がりそうです。お花見にいい週末です。昨夜は、学生時代の友人のひとりが関東地方からこちらに来ていて、久しぶりに数人で集まって食事をしました。姫路城の周辺は桜がかなり開いているようでした。

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落椿
暖かく桜がどんどん開いています。日差しはあるようなないような、ぼんやり霞んだ花曇です。桜はやはり華やかです。特にソメイヨシノは並木になっているところでは花の雲が漂っているようです。毎年のことながら、あの花の量感には圧倒されます。

椿は桜とは違う花の咲き方です。散り方も花びらが散るのではなく、花冠ごとばさっと落ちます。静かな森ではその音が響きます。その散り方が「落椿」という季語になっています。今ごろの山道を歩いていると、藪椿の木の下には赤い花びらと黄色いしべを持つ花が点々と散っています。

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芽吹く
山を歩いているときだけでなく、部屋にいて窓を開けたときにもこの時期特有の香りがします。何かの新芽の香りだと前に教えていただいたのですが、名前を忘れてしまいました。梅の香りのような芳しいものではありません。ちょっと生臭いような独特の生命感に溢れた香りです。

間もなく四月、新社会人の姿を見かけるようになります。そしてそれから一週間ほどすればそれぞれの学校の新入生の初々しい姿も。

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つらつら椿
今日は気温が上がっています。これで桜の開花がぐんと進むでしょう。周囲の山は山桜が連なるように咲いています。増位山の梅林は一番最後に咲く八重の紅梅がほぼ五分咲きになっています。ここの梅林は一番手も八重の紅梅、しんがりも八重の紅梅です。

梅林の周りの藪椿がぞくぞくと花を開いています。一般に椿といえばこの藪椿を指し、青森県を北限に各地の海岸沿いや低山に自生しています。花の期間は長く、咲いては落ち咲いては落ちしていますが、まだまだ蕾がたくさんついています。「つらつら椿」とは花が咲き連なっている様子を表した季語です。

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花冷え
昨日はお昼の気温が10℃そこそこという寒い一日でした。兵庫県内の気温分布を見たら神戸で13℃、豊岡で11℃、姫路が最も気温が低くなっていました。ストーブを片付けてしまい、足元は毛布から転用した膝掛け、上には厚手のフリースという服装で過ごしました。

インターネットで、ロンドンではラーメンがブームになっているという記事を読みました。続々とラーメン店がオープンし、行列ができているというのです。日本人のオーナーもいますが、外国人シェフが日本のラーメンの美味しさに感激して店を持ったという話も載っています。

日本の食べ物は美味しいです。自分が日本人だからというだけでなく、繊細な盛り付けと味わいは日本ならではです。外国の料理さえ、デリケートな日本人の味覚に合わせてアレンジし、独特の日本食にしてしまう日本人の得意技。寿司や天ぷらが世界に出て行ったように、日本にはまだ多くの素晴らしい料理があり、海外進出を待っているでしょう。

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青ぬた
浅葱、分葱、芥菜などを青みが残るようにさっと茹でて冷まし、酢味噌で和えたものを青ぬたといいます。分葱をいただいて青ぬたを作りました。茹でる代わりに電子レンジで下ごしらえ。少量ならこの方が簡単です。

カフェインを避けるためにコーヒーを全く飲まなくなって、他の食べ物にも変化が出ました。ほとんど食べなくなったのは、パン類とチョコレートです。チョコレートはカフェイン含有量が多いですから、その影響もあります。パンを食べなくなったため、マーガリンやジャムの摂取量も減りました。

チョコレートの代わりに甘味のあるものとして食べるのは甘納豆、パンの代わりはお餅です。洋風から一転しての和風、脂質の摂取量が減っています。緑茶は買い置きしていた分を今少しずつ飲んでいます。緑茶もカフェイン量が多く、これがなくなれば自宅での飲み物はノンカフェイン茶のみになるでしょう。

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