優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2013年03月

朧月
昨夜はテニスをしていました。コートに立っていると、東側から丸い月が昇ってきました。ほぼまんまるに見えますが、少し月の出が早く、わずかに左下が欠けているように見えます。暦を調べてみたら、満月は今夜のようです。暦日としての旧暦の15日と満月がいつも一致するとは限りません。

花冷えが続いており、風はありませんでしたが、身体を動かしても上着を着たままで平気という気温でした。昇ってきたときの月は澄んでいましたが、中天に昇るころにはぼおっと霞み、朧月になりました。今日は雨になっています。静かなほとんど雨音のしない春の雨です。

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山桜
増位山の頂は東南が大きく開け、播州平野と播磨灘が望めます。その先の淡路島、六甲山、丹波の山々なども、お天気しだいで見えたり見えなかったり。平野の中に点在する低山に生えている山桜が徐々に開き、桜色の灯りが点ったようになっています。その向こうから西へゆく新幹線が姫路駅に向かっています。白く長く伸びる車体は春の陽を反射しながら、播磨の田園地帯を滑るように走ってくるのです。

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花冷えながら、桜は徐々に開いています。増位山の頂から眺めると、市川をはさんだ東側の山の斜面の山桜がぽつぽつと開いている様子がよくわかります。増位山でもドライブウェイの中腹で一本だけ特別早く咲いて、すでに満開近い山桜があります。ソメイヨシノは麓でちらほら、境内ではまだ咲いていません。

住宅地の一番高いところに花がたくさんある大きなお宅があります。ここでオオヤマザクラかと思われる桜が三分から五分咲きになっています。麓の梅はほぼ花の時期を終えました。梅と桜は入れ替わりという感じです。

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はくれん
はくれんとは、ハクモクレンのことです。昨夜は風があり少し冷えました。花冷えといっていいでしょう。完全に寒さがなくなるのは、桜が散った後です。そう思うと春というのは、不安定で揺れが激しい時期なのだな、と思います。人間も同じ、青春とはよく言ったものです。桜が散り葉桜になって山の緑が萌え出すと、ようやく完全な暖かさが身辺に溢れるようになります。快適な五月、湿気が少なく風が薫り爽快です。最も過ごしやすいのは初夏と呼ばれる五月初旬から梅雨入りまでではないでしょうか。

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初燕
ツバメがやってきました。今週中にはやってくるだろうと思っていました。ソメイヨシノの開花とツバメはほぼ同時です。春たけなわとなったことを知らせる使者です。家の周りのソメイヨシノは徐々に花を開いています。急激に暖かくなると、開花のスピードが増しますので、できればしばらくはあまり気温が上がらないでもらいたいです。二週間程度は楽しめますから、四月の初旬は花の中です。

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家の周りのソメイヨシノが開き始めました。それでも随願寺の境内では遅咲きの梅が今、盛りです。本格的な一眼レフのカメラを構えた人の姿を毎日見かけます。山頂まで行って、再び梅林へ戻ってくると、尾根からおりてくる道で梅の香がしてきます。谷から尾根に向かって吹き上げる風が梅の香りを運ぶのです。梅林の周りのヤマザクラもそろそろ咲き始めるでしょう。花が溢れる時期に入ってきました。

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満天星の花
満天星(どうだん)とは、ドウダンツツジのことです。昨日登った妙見山の登山道のかたわらには、ドウダンツツジが咲き始めていました。満天星の字は、枝先につく壷状の小さな白い花を満天の星に例えたものと想像できます。昨日の午前中は風があり、寒く感じられました。急な道を一気に頂上まで登る道で、登るに連れて多可町の町並みが見渡せ、展望がよくて楽しい山でした。

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春の山
多可町の妙見山(692.6m)へ登ってきました。麓に東山古墳群があります。ここには、七世紀後半につくられた円墳が16基かたまって残っています。公園として整備され、出土品を展示した那珂ふれあい館という施設もあります。1号墳は県下最大規模のもので、ぽこぽこと小山のように並んでいる姿にはほのぼのとした雰囲気があります。ソメイヨシノが間もなく開花、そうなるとお花見にもよさそうです。妙見山は妙見富士と呼ばれる姿の美しい山です。かつて当地を支配した豪族は、この美しい山の麓に亡くなった人を葬ろうと考えたのでしょう。

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初桜
山桜が咲き始めました。お昼前に、毎年一番先に咲く一本が花を開いているのに気づきました。先ほど見たら、別の山桜も開きだしています。ソメイヨシノと違いヤマザクラは木によって開き方に遅速があります。桜の季節が始まりました。家の周囲のソメイヨシノの蕾もかなり膨らんできています。

桜とほぼ同時期に開くので見過ごされがちな花にハクモクレンがあります。その花も今開きつつあります。ヤマブキも咲き始めています。サンシュユの黄色も鮮やかです。花いっぱいの季節に入ってきました。

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花前
日本で「花」といえば桜です。花が咲く頃となると、桜の枝を見てそろそろか、と咲き出すのを期待して待ちます。咲き出したら開くスピードは速く時間ごとに開花が進んでいくのがわかります。まだ近所のソメイヨシノは咲いていません。このところ少し寒い日が続いていますので、開花は来週になってからでしょう。

梅がまだまだ美しく、桜はもう少しあと、四月に入ってからゆっくり楽しみたいところです。早咲きのエドヒガンは桜の時期の先触れとして咲きだしています。桜といえばソメイヨシノが現代では代表格で、お花見もこの品種を見に出かけるのがほとんどでしょう。しかし、山桜にはまた別格の趣がありますし、ソメイヨシノよりやや遅れて咲く大島桜や霞桜の雰囲気もいいものです。

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