優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2013年03月

梅が香
今日は少し冷えています。それでも彼岸前の冷え込みのようなことはありません。風が全くないので日差しが暖かく、やはり春分を過ぎたのだと感じます。増位山の麓の梅は花の時期を終えようとしています。境内の梅林は早咲きから遅咲きまで混じって植えられていますので、一番早かった紅梅やその次の白梅も花を散らしています。しかし、まだ咲き始めたところという梅もいくつかあります。

境内のソメイヨシノの蕾の先がほんのりとピンク色を見せ始めています。山桜は背が高いので枝の細かなところはわかりませんが、枝全体が丸みを帯びた印象を受けますから、蕾が膨らんでいるのでしょう。

梅林の隅に生木の丸太で作られたベンチが据え付けてありました。周囲の杉や檜の植林帯では強風が吹くたびに木が倒れます。自然歩道を塞ぐように倒れたものはチェーンソーで切断して道を確保されます。その一部の木を使われたものでしょう。

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彼岸
東京ではもうお花見だというニュースを聞いて早いなあと驚いています。ご近所で早咲きの桜であるエドヒガンが咲き出しています。山桜もソメイヨシノも姫路ではまだ咲いていません。多分開花は来週以降でしょう。桜が咲き始めると春はもう晩春に入っていきます。

十日から二週間ほどであわただしく咲いて山野を桜色に染め上げた桜が散ると、落葉広葉樹の葉がいっせいに芽吹き、桜色が明るい緑色へと変わっていきます。このころの山々の美しさは形容の言葉がないくらいです。

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彼岸
お彼岸にお墓参りをした後、母といっしょにきな粉餅を食べました。お彼岸ならおはぎというのが定番かもしれませんが、パック入りのお餅を使うのが簡単でしたので。

おはぎと牡丹餅について、あれはほぼ同じものを指す言葉のようです。私は牡丹餅という言葉はほとんど使いません。なぜか子どものころからあれはおはぎで統一されていました。今日食べたのはお餅にきな粉だったのできな粉餅ですが、これが米粒が残る程度の状態だったら、きな粉をまぶしていても、おはぎです。子どものころは、お彼岸にはつぶ餡ときな粉のおはぎを食べていました。

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春分です。朝から曇っています。先日大阪へ行った際、手持ちのICOCAカードをSMART ICOCAに変更しました。クレジットカードから引き落としができ、現金が手元になくてもチャージできるので便利です。イオンカードなら、ICOCAのポイントとクレジットカードのポイント両方がたまるので、それもいいですね。

ICOCAのマスコットキャラクターは「カモノハシのイコちゃん」だそうです。最初は嘴があるのでアヒルかと思っていたのですが、カモノハシでした。それにしても、ありとあらゆるものにこうしたキャラクターを採用しているのは日本の特徴ではないでしょうか。もちろん、オリンピックなどの大会マスコットというのは外国にもありますが、日本のようにマスコットキャラクターを持たないところの方が稀という国は珍しいのでは?

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藪椿
暖かくなりました。昨日の風雨で増位山中腹の梅はかなり散りました。境内では遅咲きの梅の「思いのまま」という品種が咲き始めました。八重咲きの梅ですが、二割くらいが紅梅、八割が白梅、混合したものがちらほらという面白い花のつき方をします。

境内のソメイヨシノの花芽がかなり膨らんできました。梅林の周囲の藪椿は次々と花を開いています。山茶花はようやく花の時期の終わりにさしかかり、今咲いているものが散れば花期は終了です。

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囀り
昨日は夕方まで雨交じりの強い風が吹いていました。夜にはおさまり今朝は雉、鶯などが鳴いていました。コジュケイが鳴くのも聞こえました。あと一週間ほどでツバメも姿を見せるはずです。気温もあがっています。彼岸前の寒さが寒さとしての最後だったのかもしれません。嵐が冬の残り香を一掃した印象です。ストーブを片付けました。

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春霞
今日は朝から強風と雨になっていますが、昨日の明石海峡は晴れて霞がかかり、春らしいのどかな景色でした。昨日のアートワークは年度の最終回ということで前回の振り返りと同時に一年間の振り返りも行いました。

参加メンバーのそれぞれの振り返りを聞いていると、それから教えられることが多いと最近よく思います。自分で絵を描いたり自分自身の振り返りをしたりということ以上に、他の人の感想やそれに対して自分が口にした言葉などからふと気づくことがあります。メンバーがお互い鏡になっている、とでもいいますか…。こういうところはグループワークならではのことです。

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春の野
昨日はアートワークで大阪へ行っていました。姫路からJR神戸線の新快速に乗って加古川駅を出てしばらくしたら、車窓の南側に五重塔が見えてきます。真言宗・厳光山圓満寺の五重塔です。周囲に高い建物がない田園地帯に立つ五重塔はよく目立ちます。朝はやや冷えていましたが、このあたりの風光を見ていると、春も半ばに入ったということがしみじみ感じられました。

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彼岸入り
今日は彼岸の入りです。春分の日、秋分の日を中日にした前後三日間をあわせた七日間を彼岸といいます。彼岸は梵語の波羅(para)の漢語訳で、仏教思想に由来します。生死流転に迷うこの世界(此岸)に対し、煩悩の流れを渡って到達した悟りの境地という意味です。

ということは、単に死んでも彼岸には行けないということです。「生死流転」ですから。死んで生まれ変わってまた死んで、が延々と繰り返されているうちは、死のうが生まれようが「此岸」を離れられていない、ということです。彼岸と此岸の間を流れる煩悩の川は三途の川とは違い、簡単には渡れないようです。

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春耕
春耕(しゅんこう)とは、田植のために田を耕すことです。雪の多い地域ではまだ田は雪の下にある季節です。姫路は雪がなく暖かですから、お彼岸前の今日、田を起こす耕運機の音が聞こえてきました。水田は四季を通じて変化し、お米を育てるだけでなく日本人の季節感にも大きな影響を与えています。

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