優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2013年07月

小暑
今日は二十四節気の小暑です。今日から暑中に入ります。よく晴れて窓を開けていると部屋の中を風が吹きぬけていき爽快です。空には入道雲が出始めています。昨日は軽い夕立がありました。梅雨明けが近い感覚です。梅雨が明けると暑さが本格化します。しかし、暑中に入っているということは、すでに晩夏。夏は三分の二が終わりました。体感気温として一番暑いのは大暑、立秋、処暑あたりでしょう。

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梅雨茸
梅雨のころは適度な温度と湿気が茸には好都合です。梅雨茸はこの時期に生える茸の総称です。「茸」は単独では秋の季語です。増位山でもいろいろな茸が見られます。茸は生長が速いのか、ほぼ同じ場所を通っていて、昨日は姿が無かったのに、今日は茸が並んでいるという所もあります。ほとんど食用にはならないようです。

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夏霧
部屋から見える市川の上に霧が出ています。空気よりも水面温度が高いときに見られる現象です。放射冷却で空気が冷える一方、水の温度は空気ほど急激に下がらないため、発生した水蒸気が冷えた空気に出会って再び霧になります。川原の木々の間で燕が群れを作って暮らしているのを見ます。今年生まれた若い燕でしょう。子育てが終わった親燕たちもやがてここに加わり、8月の末ごろまで日本で暮らします。そして、ある日忽然と姿を消します。

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蜻の穴
梅雨の終わりが近づいて、蝉が羽化を始める時期です。増位山の蛇ヶ池のそばで、地中から出たばかりの蝉の幼虫に会いました。蝉の脱け殻はたくさん見ますが、脱皮に向かう終齢幼虫に会ったのは初めてです。姿を見たのはお昼ごろですから、これから脱皮のためにある程度の高さがあるところを目指すのでしょう。羽化のときは無防備なので、周囲に天敵が少ない夜にならないと羽化を始めません。夜の間に翅を伸ばし、明るくなる頃には飛び立てる体勢が整います。

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青梅雨
日本語は色彩の「緑」を「青」と言うことが珍しくありません。青信号、青葉、青物などがそうです。これを緑信号、緑葉、緑物と言うと、色彩表現としては正しいのですが、何か変です。青梅雨は「青葉のころの梅雨」と解釈できます。降り続く雨に濡れて木々の緑がいっそう盛んなころです。

自転車を粗大ゴミに出してきました。10年以上前に買ったMTBで、あちこちこれで出かけました。しかし、最近はほとんど乗らなくなり、半年くらい放置していたら、前輪のタイヤがパンクしていました。道具類は何でもそうですが、マメに使わないと傷みます。そして、使うにはそれなりの時間が必要です。私にとって自転車は、かつては通勤に遊びにと大活躍でしたが、すでに生活必需品ではなく、遊び道具としても卒業していて、手放す時期だと感じました。

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さみだれ
朝から雨が降ったりやんだりしています。一日こういうお天気でしょう。さみだれは「五月雨」と書きます。陰暦五月に降る雨ですから、梅雨に降る雨と同義です。さみだれの「さ」は五月(さつき)の意味とも、時期的に早く若々しいものにつく接頭語とも、早苗、早乙女、五月など田植に関連する古代語につく接頭語ともいわれます。梅雨にしても、五月雨にしても降り続く長雨であることは同じですが、「さみだれ」の方が独特の情緒、雰囲気をかもし出します。

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梅雨空
早朝は雨がやんでいましたが、午前8時ごろからまた降りだしました。気温は低めで、窓を開けると入ってくる風が冷たく感じます。閉め切ると暑いので、細めに窓を開けています。一昨日が半夏生でした。明々後日は二十四節気の小暑です。梅雨はこれから末期に入り、梅雨前線の活動が活発になって毎年どこかで豪雨災害が起こります。

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梅雨の雲
朝の弱い雨がやんだあとはどんよりとした曇り空が続いています。少し風があり、今にも雨が降りだしそうでありながらまだ降ってきません。山への散歩に出かけてきました。山の緑は今が勢いの頂点という風情です。頂から播磨灘がかろうじて見えましたが、どこかまでが海でどこからが雲かよくわからないような景色でした。

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梅雨深し
雨が降ったりやんだりしています。コインランドリーで毛布を洗濯してきました。コインランドリーを使うのは初めてでした。洗濯そのものより、乾燥機の数の方が多いのは意外でした。係の人に使い方をたずねました。セルフのガソリンスタンドとかコインランドリーとか、最初に使い方をたずねれば次からは自分だけでできます。

新しい(コインランドリーはそれほど新しくはありませんが)ものが世の中に出てきたとき、最初は使い方をたずねる必要があります。それを億劫がらずにやれるかどうかで、新しくより便利で安価なものを使えるかどうかが決まるような気がします。若い世代ほど新しいものに抵抗がないのは、古いサービスや機能に慣れている時間が少ないからでしょう。

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蜻蛉生る
増位山の蛇ヶ池でチョウトンボを見ました。翅が瑠璃色をしており、後ろの翅が幅広く、ひらひらと蝶のように飛ぶためこの名がつきました。中国から朝鮮半島、日本に分布し、日本では本州、四国、九州の平地から丘陵にかけての植生豊かな池沼で見られます。あまり止まらず飛び回っています。羽化は6月中旬ごろから始まります。翅に当たる日差しの加減で色がさまざまに変化する美しいトンボです。

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