優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2013年12月

小晦日 
明日の大晦日は、新年を迎えるために岡山県の牛窓に出かけます。今年の山の散歩は今日が最後でした。冬至から一週間が過ぎ、日差しが少し明るくなっているような気がしました。三が日が明けると、確実に日脚が伸びています。ガソリンを入れにセルフのスタンドへ行ったら、いつになく大勢の人でにぎわっていました。給油も洗車も順番待ち。新年はきれいさっぱり汚れを落として迎えたい、という人が多いのでしょう。

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小晦日
12月30日のことを小晦日(こつごもり)といいます。31日は大晦日(おおつごもり)です。年も押し迫り、今年もあと時間単位で数えられるほどになってきました。会社の事務所などは年末年始の休みに入っていて、門に「迎春」の張り紙がしてあります。スーパーは歳末の買い物客で朝から大賑わいです。故郷に帰省している方も多く、今日は湘南のナンバーと北九州のナンバーの車を見かけました。

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年末を迎え、冷え込むようになっています。昨日行った広峯神社では、昼ごろでも天水桶に張った氷がそのままでした。氷の下で小さな緋鯉が泳いでいました。水温は外気温より暖かいのかもしれません。氷の上を指でつつくとぱっと水底に潜ってしまいました。神社の参道には「迎春」「謹賀新年」と記された表示が立ち、除夜詣、初詣の参拝者を迎える用意が整えられていました。今年は黒田官兵衛に関する掲示があちこちにあり、大河ドラマの力というのはたいしたものだと思いました。いまや各地の観光と切り離せないものになっています。

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年の暮
来年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の主人公、黒田官兵衛は姫路生まれです。姫路はドラマの放映が近づくに連れていろいろなイベントが企画され、盛り上がってきています。「黒田官兵衛ゆかりの地スタンプラリー」に紹介されている24ヶ所を全部たずねてみようと考え、今日は1番の広峯神社と2番の増位山随願寺に行ってきました。増位山の東尾根コースを登って、山頂経由で随願寺に行き、尾根続きの弥高山を踏んで広峯神社に行き、近畿自然歩道から増位山西尾根コースで下山という経路を歩いてきました。寺社はいずこも迎春準備の最中でした。

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初氷
その冬初めて目にする氷を「初氷」と言います。一昨日あたりから冷え込みが厳しくなっています。今朝も真っ白に霜が降りていました。昨日、年末の掃除のために樒を持ってお墓へ行ったら、すでにきれいに清掃が済んで樒もたてられていました。誰がしてくださるのかはわからないのですが、その樒が入っている花筒に氷がはっていましたから、遅くとも27日のうちには樒が新しく入れられていたことがわかります。松を持ってきていましたので、それをその氷の張った脇から新たに挿しいれました。祖母が健在だったころは、従兄に頼んで松と梅をそろえ、お墓と神棚に飾っていたといいます。

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兵庫県北部は積雪のようでした。車で実家に向っていると、屋根に厚く雪を積んだ車と何台もすれ違いました。北の山は雪をかぶっているのが見え、山ひとつ向こうは雪なんだろう、と思いました。お正月を前に、お墓の掃除に行きました。ここ数年いつものことなのですが、誰かが掃除をして樒を供えてくださっています。母にも誰か心当たりはなく、不思議なことだといいながらもありがたく、お線香だけあげました。持って行った樒は、そのまま母の実家のお墓へ行きそちらの墓前に供えてきました。

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歳暮  
冬型の気圧配置が続いています。気象レーダーの画像を見ると、日本海側は軒並み青い降水の色に覆われて、日本列島が水色のコートを着ているようです。兵庫県南部でも雪の可能性との予報でしたが、今はよく晴れています。年末の帰省が始まっています。毎年、雪が気になるこの時期、交通機関の関係者の方は大変でしょう。台風、集中豪雨、土砂崩れ、地震、豪雪、それらのリスクを抱えつつ、秒単位で正確な運航がなされる日本の交通機関というのは、やはり凄いと思います。

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年の暮
お昼前は晴れていましたが、風が強く、お昼過ぎから雲が広がっています。冬型の気圧配置が強まり、これから雪になる可能性もあります。兵庫県北部ではすでに雪が降っているでしょう。増位山の頂に登ってみると、東南方向の低木が幅5mほどに渡って切られ、見通しがよくなっていました。在原業平の歌碑のすぐ背後まで低木が枝を茂らせていたのですが、それがすっかりなくなり、頂のベンチに座ったまま播磨灘を望めるようになっています。

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年の瀬  
雨はやんでいます。少し風があり曇っています。一年の終わり、十二月も押し詰まったころを「年の瀬」といいます。年末から年始にかけては季語が多く、その時期だけにしか用いないものがあり、それを活かした句を得たい、と毎年思います。昔に比べれば年末年始の行事は簡素なものになっていますが、それでもやはりお正月を迎えるというのは、日本人にとって特別なことです。

この時期に新年が来るタイプの暦を「冬至正月」と言います。立春が新年となる「立春正月」タイプの暦もあります。旧暦の太陽太陰暦ではこの立春正月に近く、お正月を新春とか初春とか言うのは、その名残です。新暦のお正月は「春」とはほど遠い気候の中です。クリスマスがキリスト教国でない日本で広く受け入れられているのは、「冬至」という暦の節目に近いからである、という話を聞きました。冬至は太陽が最も衰えるときとして、あらゆる民族の中に太陽の復活を願う祈りの行事があります。イエスがこの日に生まれたというわけではなく、もともとあった土俗の冬至祭をキリスト教が布教にとりこんで、キリスト教の祭日としたのでしょう。

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数え日
クリスマスが過ぎると、いよいよ今年も大詰めに入ってきたという気分になります。スーパーへ行っても、前日までクリスマス関連の食材が並んでいたのが、クリスマスを境に迎春食材へとがらっと変わっています。おせち料理用のかまぼこや黒豆などが目に付くところに積まれ、いつもの食品が、別のところに移動していたりします。今年も残すところいくばくもない、指で数えられるほどの日数、という感慨がこめられているのが「数え日」という季語です。

今日は朝から細かな雨が降っていました。夕方になって雨は本格的になってきたようです。日暮れが早い時期、雨が降るとさらに暗くなるのが早く、午後四時ごろには車はみんなライトを点けて走っていました。

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