優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2014年10月

秋晴れ
よく晴れた日に尾根を歩いていると、ふと独特の香りがします。乾いた木の幹の匂いなのか、何なのかよくわかりませんが…。こういうものが、生身の肉体で感じる言葉や数値で表しきれない何かなのだろうと思います。そして、人間にはこういう感覚がとても重要です。

ISIS編集学校関連で、昨年から某大学にインターネットを介して、編集学校のカリキュラムのライト版のようなものをやってもらうプロジェクトのお手伝いをしています。お題の回答に指南するというものです。いろいろな学科の学生のお題への取り組みを見ていて、スケジュールどおりお題をこなせる人の少なさに驚いています。特別難しいことではありません。新書を一冊題材に、三週間でそれについて200字程度の文を書くだけです。

これを見ていて、「先んずれば人を制す」というのは当たっていると感じるようになりました。同じ大学の学生ですから、能力的にそれほど差があるとは思えません。スケジュールどおりコンスタントに課題をこなしさえすれば、課題を終了でき、その課題の遂行場面では人より先に立つことができます。他の人がやっていないんですから。特別立派なレポートを書いたり、凄いことをする必要は無く、ただ課題を時間通りに仕上げる、それだけで人より優位に立てるのです。スケジュールどおりやるというのは、それほど重要なことだと思います。

また、スケジュールどおりやれる人がこれほど少ないということを知ると、逆に時間通りにやれるということは、随分アドバンテージが得られるだろうこともわかりました。学校の課題だけでなく、実社会でも多分それは形を変えて同じことなのです。
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楓紅葉
昨日は快晴でしたが、今朝はもう雨になっています。秋天の変わりやすさです。

健康的な食事について、続きを書きます。現代の食事について問題点をあげ、それが癌をはじめとする多くの病の原因だとする説をよく聞きます。しかし、癌など生活習慣病とされる病が死因の上位にあがるようになったのは、日本人の平均寿命が延びたからです。平均寿命が短かければこれらの病にかかる前に大半が死んでしまいます。昔は癌で亡くなる人が少なかったというのは、そこまで生き残れなかったというのが実態です。

1960年あたりまでは日本人の死因のトップは結核でした。若い人の多くが結核にかかり、亡くなりました。乳幼児の死亡率も高かった。抗生物質が無かったこともありますが、栄養状態が悪かったことにも原因があります。1950年頃までは、日本人は飢えと無縁ではなかったのです。極端な食事法で、たんぱく質や脂質、炭水化物を制限すると、この時代の身体状況に逆戻りします。

免疫が衰え老化が早まるのです。今の60代や70代の人は若々しく、多分50年前の同年齢の人よりも20歳以上若い外見を保っています。腰が曲がっている人など稀ですし、肉体的にも精神的にも活発な活動をしています。これらはここ50年の食糧事情の改善によるものです。何が健康にいいのか、ということを考えるとき、公衆衛生的な視点も欠かせないと思います。
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秋の蝶
歌の一部が頭の中に残っていて、時々ワンフレーズだけ浮かんでくるものの、歌詞も歌っている人も知らないままにずっと過ぎているという楽曲があります。その気になれば調べることもできるのでしょうが、どうしても知りたいというわけでもなく、なんとなく何年もそのままになっていました。今日、偶然にそのうちの一曲の正体がわかりました。YouTubeのはしごをしていて別の動画のバックに使われていたのです。

「あ、この曲」と思いつつ、曲名がわからないかな、と思っていたら、動画をアップされた方が「Asu e No Tobira」と書かれていました。それで検索したら、I WISHの『明日への扉』だとわかりました。私の頭の中で時々リフレインしていたのは、「いつの間にか すきま空いた 心が満たされて行く…」以下のサビの部分でした。いい詞だなあと思います。

さらに、この歌は『旅立ちの日に…』としてボーカルの川嶋あいさんが歌詞を変えて歌っている動画もありました。また、Wikipediaで彼女の数奇な生い立ちを読み、驚きました。彼女がそれを前面に出したりはしないでしょうが、その生い立ちが彼女の音楽に何らかの力を与えているはずだ、と思いました。

<明日への扉>


<旅立ちの日に…>

桜紅葉
この土日はこれ以上望めないほどに晴れた好天でした。今日は朝来山に登ってきました。こんな晴天を逃すのはもったいない、と思いまして。朝来山へは立雲峡から登りました。ここは但馬吉野といわれる桜の名所です。円山川をはさんだ対岸には竹田城跡が望めます。最近、天空の城として話題になり、大勢の観光客が詰め掛けているようです。

健康的な食事とは何かを考えたとき、私はあまり極端なことはしない方がいいだろうと考えています。できるだけいろいろなものをバランスよく食べるのが、平凡ながら一番身体にやさしい。人間は雑食性の生き物です。だから、野菜も肉も魚も果物も食べられるものは全部食べる方がいい。健康のための○○食などと銘打ってとても極端な食事を勧めているものを見かけますが、ああいうのは身体を壊す元だと思います。
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秋高し
今日は快晴です。雲が全くありません。玄米を買ってみようかと思っていたら、facebookつながりでこういう記事を読みました---「4年以上再発なしのガン患者が明かす!玄米食のデメリットとは?」。玄米食は健康にいいというイメージが先行していますが、実はデメリットもたくさんあり、一概にいいとは言えないと述べています。最大のデメリットは「健康にいいものを食べているつもり」でありながら、「実は健康を害するものを食べている」ことになりかねないということです。

玄米食のデメリットとして、発芽抑制因子(アブシジン酸)による細胞毒性、農薬の影響、消化が悪く不味いことなどがあげられていました。いろいろ工夫すれば、「健康によい」形で玄米を摂取できるようですが、そこまでして玄米を食べる必要性もないと思い白米を買ってきました。
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晩秋
10月後半に入って、急に寒くなった気がします。前半は半袖でもいいような日がありましたが、先日の台風が去ってから秋が深まり、今は上着がいります。膝のあたりも朝晩には膝掛けが必要かと感じる気温です。23日が二十四節気の霜降なので、秋は間もなく最後の節気に入ります。
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日暮れが早くなってきました。四時を過ぎるともう夕方という感じです。爪を切りながら、以前テレビでイチローが「シーズンが終わった後、爪切りでパチーンと爪を切る瞬間が好きだ」と言っていたのを思い出しました。投手は爪が大事だから、やすりで整えるという話を聞いたことがありました。野手もそうなのか、と意外な気がして印象に残りました。

プロフェッショナルとして最高峰で活躍を続けている人には、さまざまな点で制約があるでしょう。イチローは怪我をしないように細心の注意を払っているとも別のところで語っていました。階段の上り下りにさえ気をつかっているようです。
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そぞろ寒
「そぞろ寒」とは、秋も半ばを過ぎるころから、なんとなく身辺に覚える寒さのことです。今朝、この秋初めてシリアルを温めて食べました。いつも食べているのはカルビーのフルグラです。暖かい間は冷たい牛乳をかけてそのまま食べるのですが、気温が下がってくると、それを電子レンジで温めて食べます。そういう季節になりました。

アスリートの引退を人間の命と比較することもできる、と感じました。引退は残念なことである一方、厳しい精進を要求される生活からの解放でもあります。もし心身が衰えることなく生涯アスリートの生活を送れるとしたら、それはある意味では悲劇でしょう。衰え終わる日が来ると思うから、今このときをがんばれる。

人の死もそれと同じではないでしょうか。もし永遠に生きられるとしたら、それは幸せというよりは、地獄になるのではないかと思います。人は死を恐れますが、死というのは究極の安らぎという側面も持っています。「永眠」とは、的を射た言葉です。この人生を脱ぎ捨ててほっと安らげる時が来る、そういうことです。
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えのころ
高橋大輔選手の引退報道を見ていて、今更ながらアスリートには必ず引退の日が来るのだなと思いました。彼らは幼いころからそのスポーツに打ち込み、30歳になるかならずで引退しなければいけません。もう少し長く続けられる競技もありますが、50代で現役のトップアスリートというのは皆無です。心身をどれほど鍛え上げても、どんなに優れた人であっても例外はありません。頂点に立った人、一時代を築いた人ほど余力を残して引退する傾向も強い。

人が競技スポーツに魅せられる理由はいろいろあると思います。人間業とは思えない身体能力を見られること、不屈の闘志、がんばり、自分にはとうていなしえない心身の力を自分に成り代わって彼らが体現してくれること、純粋な喜びと悲しみの瞬間、極限まで鍛え上げられた肉体の美しさ…。それらに加え、誰もが引退を避けられないという事実にもそれはあるように思います。諸行無常、人の世の栄光とはかなさをこれほどはっきり見せてくれるものは、競技スポーツ以外にありません。
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柚子
たくさん柚子をいただいたので、その一部を使って柚子ジュースを作りました。昨日、フィギュアスケートの高橋大輔選手が引退を発表し、各メディアで大きく取り上げられていました。現在の日本男子フィギュアの隆盛を作った一番の功労者です。ソチ以降、二つのアイスショーを見に行って、現在の日本を代表する選手たちのほとんどの滑りを生で見ることができました。浅田真央、羽生結弦、町田樹、村上佳菜子、鈴木明子、小塚崇彦、無良崇人、織田信成、宮原知子といった選手たちです。高橋大輔選手のみまだ見られていませんでした。次は彼の滑りをぜひ生で見てみたいと思います。
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