優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2015年04月

春の汗 
昨日は、新神戸駅から布引渓流を遡り、六甲全山縦走路の稲妻坂と天狗道を通って麻耶山に登りました。麻耶山の頂には釈迦の生母である麻耶夫人を本尊とする日本では唯一の寺、忉利(とうり)天上寺があります。そのことから山の名前もついたのでしょう。

標高差500m以上を4kmで一気に登る六甲全山縦走路中一番の険しい道です。昨日は薄曇の天気でした。快晴だったなら、気温があがり日差しもきつくてさらに厳しい登りだっただろう、と思います。
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遅桜 
遅桜とは、花時に遅れて咲いている桜のことです。大方の桜が散ってしまった頃に、まだ少し高い山などに残っている桜があります。そういう花に昔から人々は心を動かされたのです。

今日はこれから六甲縦走の続きに行きます。新神戸から布引の滝経由で縦走路に入り、麻耶山に登る予定です。
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春雲 
ここ数日でぐっと夏に近づいてきた感じがします。昨日は部屋にいても暑いくらいでした。5月2日が八十八夜、「♪夏も近づく」であり、5月6日は立夏です。気温的には立夏や立冬のころが一番過ごしやすい気がします。

先日登った粟鹿山では、頂上にあるマイクロウェーブの北側の石垣に座って下界を見下ろしていました。日差しをさけられ、景色も太陽を背にする形になるのでよく見えます。広がる水田のところどころに水が入り始めていました。山登りの魅力のひとつが、高い視点からのこの風景です。
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八重桜
今日はとても気温があがりました。スマホによれば、私が住んでいるところの本日最高気温は26℃。夏日です。裸足で過ごしています。間もなくゴールデンウィークで、前半はお天気がよさそうです。

姫路の平野部では八重桜はほぼ散りました。先日行った粟鹿山のある朝来市では、八重桜が咲いていました。登山口のすぐそばにも見事な八重桜がありました。山の上ではまだヤマザクラも咲いており、雪の降る地方の春の花は凝縮して咲きます。
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芽吹く 
土曜日に行った粟鹿山では、登山前に麓の滝も見に行きました。雌滝と雄滝があり、渓流に沿った道を遡ってまず雌滝に。二段に分かれて落ちる滝です。ここからいくつかナメ滝が続いています。少し行ってみましたが、道が何度も渓流を渡り、足場も悪いことから雄滝までは行きませんでした。

日曜日も快晴でしたが、土曜日に山へ行ったので、家でのんびりしていました。お昼過ぎに玄関のチャイムが鳴りました。勧誘の人などが多いので、心当たりがない場合は「どなたですか?」とたずねます。外の人は私の名前を言って、「○○さんのお宅ではないですか?」と言います。「はい、そうですけど…」と応えると、「□□です」と高校時代の同級生の名前。

びっくりしました。ドアを開けると確かにその人が立っています。高校時代一番仲がよかった友人でした。曰く、「年賀状がぱったり来なくなったので、どうしているんだろうかとずっと思っていた」とのこと。私は数年前に年賀状をやめようと思いついて、それ以来誰にも出していませんでした。

長い年月も吹っ飛んで、「今何やってんの?」から始まっていろいろ話しこみました。わざわざ尋ねて来てくれたのは、宗教の勧誘でも物品の販売でもありませんでした。メールアドレスとケータイ番号を交換し、お茶を飲みながら数時間話した後、また何か食べに行こう、といって別れたのです。自分が逆の立場だったら、果たして尋ねて行ったかな、と思い、ありがたい気持ちになりました。
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忘れ角 
土曜日には、ひょうご100山のひとつ粟鹿山に登ってきました。快晴で風の心地よい日でした。山の頂上近くの小さな池のほとりで鹿の角を拾いました。これまでいくつも山に登りましたが、こんな経験は初めてです。持ち帰っていま部屋の壁に飾っています。

鹿の角は牡のみにあり、春に根元から落ちます。その角は季語になっており、「落し角」「忘れ角」などと言われます。角は片方ずつ落ち、年を取った鹿ほど落ちるのが早いそうです。角を失うと、牡鹿は気性がおとなしくなります。角は夏から秋にかけて再び形成され、繁殖期を迎えます。この角は先端から根元まで直線距離で53cmありました。

昨日から今日にかけて、数年の間にでもそうないだろうと思えるようなことが立て続けに起こり、不思議な気分です。
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春深し 
増位山の蛇ヶ池周辺でシオヤトンボをたくさん見かけるようになりました。シオヤトンボはアカトンボほどの大きさのシオカラトンボの仲間です。春の終わりごろ羽化します。毎年、カスミザクラが咲くころ、羽化したばかりのトンボがまだおぼつかない飛び方でひよひよと飛び始めます。

集団で羽化するのか、二十匹くらいのトンボが池のまわりのベンチに止まっています。近づくと一時的に飛び立ちますが、すぐにまた止まってしまいます。

平地から低山地にかけての水田、休耕田、池などで見られます。幼虫は少し流れがあるような湿地を好むということなので、山の水が流れ込んでいる蛇ヶ池はぴったりの環境なのでしょう。♂は成熟すると腹部が青白くなります。写真のトンボはまだ全部黄色く、雌雄はわかりません。
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春の宵 
宵とは一日が暮れて夕暮れが夜へと移って行くころです。日の短い時期では、宵というほどの時間も無く夜になってしまいます。春も深くなると、夕暮れの余韻を残して山際の空に明るさが長く残るようになります。「春の宵」は春ならばいつでも使える季語ではあるものの、やはり本意は、春もたけて寒さを感じなくなり、穏やかに晴れた一日が暮れたときにふさわしいです。

唱歌『花』に「げに一刻も千金の眺めを何にたとふべき」と歌われています。これのもとになっているのは、中国北宋の詩人蘇軾(そしょく)の詩句「春宵一刻直千金、花に清香あり、月に陰あり」です。満開の桜、芽吹いた柳、陽光あふれる穏やかな隅田川、そこを進むボートから見た情景を描写しています。寒さから解放されたくつろぎとのびやかな感覚に満ちた曲です。
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霞桜 
増位山の蛇ヶ池のほとりでカスミザクラが咲いています。周りは萌えだした若葉で明るい緑に彩られ、他の桜の咲いている雰囲気とは異なるのどかな明るさがあります。ヤマザクラやソメイヨシノが咲くころは春半ば、まだ寒さが少し残っていて、周りの木々は芽を出す前です。これらの桜が散った後、芽吹きが始まります。カスミザクラは桜の季節の最後を受け持ち、世の中の桜気分ももう薄れたころにのんびり花を咲かせます。
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八重桜 
晴天になると日差しはもう初夏の雰囲気です。増位山ドライブウェイの入口にある数本の八重桜は散り始めています。山上の随願寺にあるものは今が満開です。八重桜が咲くのはソメイヨシノなどが散った後です。幾重にも花びらを重ね、ふわっと丸い八重桜の花は一重の桜とはかなり趣が違います。

最近、ネットの『公募ガイド』を見てちらほらと応募したりしています。以前、賞金欲しさにあちこちの公募に応募していたことがありました。標語やエッセイなど簡単なものですが、結構なお小遣い稼ぎになったものです。スキマ時間を利用してまた挑戦です。
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