優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2015年11月

初冬 
紅葉は秋の季語なのですが、このところの温暖化で近畿では冬にならないと紅葉らしい紅葉が見られなくなっています。今頃から11月いっぱいくらいが紅葉の見ごろでしょうか。

週末にパリで同時多発テロがあり、130人近い犠牲者が出ました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。ISの犯行だとのことです。何が目的でああいうことをするのか、不思議です。昔からテロはありましたが、それによって世界が変わったことなどありません。一般市民を無差別に殺戮して、何か建設的なことにつながるはずがないからです。

驚くのはそうした過激派組織に先進国からさえ続々と志願兵が集まっているという事実です。貧富の差がそうさせるのか、宗教的な問題なのか。シリアやイラクは、現在では国家の体を成していないありさまで、どうしてこういうことになっているのかは、あの地域の歴史を遡って考えなければいけないのでしょう。
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冬めく 
朝から曇ってお昼ごろから雨が降り始めました。気温が下がっているらしく、キーを打つ指が冷たく感じられます。まだ暖房器具を出してはいません。最近、電気の使用量をパソコンでチェックできるサービスを利用するようになりました。

冬は電気ストーブのみ、夏は扇風機のみの生活です。グラフを見ると、寒い時期の12〜2月の電力使用量が多くなっています。熱を発するストーブは電力消費が多いのです。扇風機の使用量はこれにくらべると微々たるものです。エアコンをつけると夏冬ともに使用量がはねあがるでしょう。
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小春 
初冬のころのおだやかな暖かい日を「小春」といいます。小春とは、うまい言い回しです。やがてやってくる厳しい寒さを前にしたいっときの春のような陽気ということでしょう。言葉としては古く、14世紀に書かれた吉田兼好の『徒然草』に「十月は小春の天気」という一節があります。この十月は旧暦ですから、現在の十一月とほぼ同じ頃といえます。

今日の増位山の頂上からは、昨日と同じように播磨灘から丹波の山までずっと見渡せました。南の播磨灘は太陽の方角にあり、晩秋以降は海が眩しく輝きます。北西の季節風が遮られ日差しが溢れるこの頂は、初冬から早春まで居心地のいい場所になります。
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木枯 
昨夜はナイターでテニスをしました。少し風がありましたが、寒くはありませんでした。冬といってもまだ名ばかりです。今日は青空が広がりました。雨が続いたせいで、空気中の塵がなくなり、増位山の頂からは六甲山、丹波方面の山までよく見えました。頂のコナラの黄葉が始まっています。
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落葉 
冬に入って二日続きの雨でした。十月は晴天の日が長く続いたので、雨量的には雨がもう少しあってもいいでしょう。増位山に行ったら、ドライブウェイに落葉がたくさん散っていました。雨でも暖かかったのですが、これらの風景を見ると、冬がきていることを感じました。
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冬来る 
今日は立冬です。雨の朝になりました。私はアパート住まいなのですが、このところ、階下の住人とのトラブルに見舞われています。2年ほど前に引っ越してきた中高年の夫婦で、引っ越してしばらくたってから、奥さんから戸の開閉の音や足音がうるさいと苦情を言われました。それまで階下には何組かの家族が住んでおられましたが、そういうことを言われたのは初めてで驚きました。

しかし、そのときは注意します、と答え、それ以後できるだけ開閉や足音には注意してきたつもりでした。ところがそれからも何度か「うるさい」と苦情を受け、どうしたものかと途方にくれました。集合住宅ですから、近隣の物音はある程度まではお互い様です。階下の家も室内犬を飼っていて、吠える声が聞こえてきますし、生活音も聞こえます。

10月初旬に仕事で比較的早朝(午前6時ごろ)に出かける日が続きました。すると、三日目か四日目に階段を下りていったところで、その奥さんが待ち構えていて「何度言ったらわかるのか、うるさいと言っているだろう!」と凄い剣幕です。出かけるところなので電車の時間もあり、「今はゆっくり話せない」と言って出かけましたが、この人は正常ではないと思いました。

そのころから、夜中(午後11時代です)にドアを蹴るような大きな音が何度もするようになりました。最初は何かが当たったのかと思っていましたが、そのうち誰かがわざとそういうことをしにきているのだと気づきました。10月半ばには、夕方に出かけようと駐車場に下りたら、車に洗剤の原液のようなものがぶちまけられていたこともありました。偶然かかったというようなかかり方ではなく、左前方からバケツ一杯ほどの液を車に向かって意図的にかけています。

11月2日の昼間に部屋にいたところ、階下のベランダから何か大声でわめいている声が聞こえます。何だろうと思って耳を澄ませていると、階下の奥さんが私の悪口を大声で外に向かって叫んでいました。11月6日、午後2時ごろ、部屋にいると、部屋のドアを蹴る大きな音がしました。ドアを開けると階下の奥さんが何かつぶやきながら部屋に戻ろうとしているところでした。

階下に下りていき、どういうつもりでそういうことするのか、と問いつめました。奥さん曰く、騒音が気に入らない、聞く気がないから、ドアを叩いたとのことです。悪口を叫んでいたことも認め、それも騒音が理由とのことでした。

しばらくそこの玄関口で話をしましたが、話は平行線で水掛け論です。話しているうちに統合失調症か認知症の妄想なんじゃないか、と感じました。騒音だけでなく、私が階下のベランダを覗いているというのです。奥さんが洗濯物を干していて振り返ったら私が見ていたとか、夜中に窓を開けて見ている、とか。

私の部屋から階下のベランダの中を見ることはできません。自分でその下の階のベランダを見ることができるかどうか試してみればわかることです。しかし、本人は強固にそう思い込んでいて、話してもまったく通じません。この人にこれ以上話しても無駄だと思い、「管理会社に電話します。その上で騒音の問題について話し合いましょう」と言って話を打ち切りました。

その日は管理会社にことのいきさつを話しました。管理会社側は階下のご夫婦に連絡をとって話をききたいとのことでした。この後どうなるかはわかりませんが、また何かあれば、階下のご主人とも管理会社立会いの下で話をする必要があるかもしれないと思っています。
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冬隣 
明後日、11月8日は立冬です。先ほどまで、フィギュアスケートのグランプリシリーズ・中国杯をライストで見ていました。浅田真央選手の本格的な競技復帰第1戦です。一ヶ月前のジャパン・オープンで、フリーのみながら、素晴らしい演技を見せた彼女。本格的な競技会ではショートとフリーを二日続けて滑らなければいけません。今日は初日のショートの演技でした。

ローズピンクの衣装に身を包み、ジャズの名曲「素敵なあなた」にあわせて、可愛らしさの中にも大人のセクシーさを感じさせる見事な演技でした。ただひとり70点台に乗せてトップに立ち、これで明日のフリーは少し気分が楽になったのではないでしょうか。競技会全体を最初から見ていると、彼女の存在感の大きさがわかります。出てきただけでぱーっと放たれるオーラ。大スターっていうのはこういう人のことなんですね。

ライストとはライブストリーミングの略です。海外の中継映像をそのままリアルタイムでストリーミング配信するものです。日本でもテレビ中継はありますがライブではなく、映像を流すころにはみんな結果を知っています。なぜライブをやらないのか、理由がわかりません。ライブが終わったと同時に動画が動画サイトにアップされている時代なんですから。

秋草 
文化の日は、山に登り、その後福崎町の「ピッツェリア ダ フィオーレ」へ行きました。開店したばかりの店で、まだオープニングメニューでした。6人のメンバーだったので、パスタ2種、ピッツア4種を全部注文し、分け合って美味しくいただきました。

ここは、かつては医院だった建物をリノベーションして店舗にしています。私たちが通されたところは暖炉があった部屋で、それをそのまま残してあります。書院造風の違い棚や襖の意匠も残っていて、そこにテーブルが並べられているという不思議な空間でした。庭もそのまま残っていて、それもまたいい雰囲気です。和食の店ではなく、イタリア料理店だというのが和洋折衷感覚を増しています。
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返り花 
昨日は丹波市の高見城山に登ってきました。ここには中世から戦国時代にかけて山城があり、織田信長の命を受けた明智光秀の軍勢によって、天正7年(1579)に滅ぼされました。このあたりの山に登っていると、天正年間に滅ぼされた城跡によく出会います。東から押し寄せる織田方の勢力と西の毛利方の勢力が城獲り合戦にあけくれていました。

このころの侍は、今の私たちからは想像もつかない世界で生きていたのでしょう。人権とか社会保障とか、そんなものは概念さえありません。人命など羽より軽かったし、敗北は一族郎党の死を意味しました。

山城跡はいずれも素晴らしい展望に恵まれています。今では快晴の下、のんびり登山を楽しめる場所ですが、展望の良さは敵の来襲をいちはやく見つけるためです。山頂からはすぐ下を通る街道と加古川の支流である佐治川が一望できます。この山道を攻防の兵士が駆け上り駆け下りした日があったんだなあと想像を巡らせました。
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紅葉 
紅葉の名所の三千院ですが、先週の土曜日はまだ時期としては早く、ちらほらと始まった紅葉が庭園の池に映っていました。はしりの時期を楽しむのもまたいいものです。午後三時ごろは門前のさまざまな土産物店が開いていて、いろいろと眺めながら、山門をくぐりました。

ゆっくりと参拝して、受付終了までいたので、帰り道の参道はそれらの店が次々と店じまいしているのを見ながら歩くことになりました。ここは三千院の時間にあわせてすべてが動いているのだな、と思いました。日が沈めば静かな山里です。
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