優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2016年05月

卯の花
明日から六月です。食習慣の変更は少しずつ進めています。食べる量そのものは少なくしていますが、これまでに買い込んでいる食材があるので、それを消費してしまう必要があります。バターとか冷凍しておいた牛肉とか…。食事はもともと薄味だったので、それをさらに進めることには全く抵抗はありません。

塩(塩化ナトリウム)になぜ発がん作用があるかというと、細胞のナトリウムとカリウムの代謝を狂わせるからです。細胞内液にはカリウムがナトリウムの10倍くらいあり、細胞外液はその逆になっています。細胞膜はこれらのミネラルが通り抜けられる浸透膜になっていますが、そこにナトリウムとカリウムの濃度差をこのように保つ酵素が存在します。

しかし、がん患者の身体ではこの酵素がうまく働かなくなっており、細胞内液でナトリウムの濃度が高くなっていることがわかっています。がんは代謝異常による全身の病です。だからやすやすとほかの部位にも転移していくのです。

がん細胞は健康な人の身体の中でも毎日生まれていますが、そうした不都合な細胞は免疫細胞によって排除されると同時に、その細胞自身が自殺するように仕組まれています(アポトーシス)。しかし、細胞内液のカリウムとナトリウムのバランスが崩れてしまうと、アポトーシスが起こらなくなり、その細胞は無限に増殖を始めます。

ゲルソン療法など、がんの食事療法は塩分(ナトリウム)を極端に減らし、野菜ジュースでカリウムを膨大に摂取するという共通点があります。そうすると、細胞外液中のカリウムが増え、浸透圧の関係で細胞内液にカリウムが取り込まれていきます。

そして、細胞内のカリウム濃度が一定の値を超えると、細胞のアポトーシスの仕組みが蘇り、がん細胞は一斉に消滅するというわけです。そのため、全身に転移があるようながんでも同時にそれらが消滅していく現象も見られています。

塩分を多量に摂取することは、この代謝異常を起こしやすい状態(発ガンしやすい状態)へと全身の細胞を誘っていることになります。生体に必要なナトリウムはすでに食材自身に十分に含まれています。
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不如帰
間もなく五月が終わります。今日は朝から曇っていて雨がぱらつく中増位山に散歩に行きました。本格的な降りにはならず、傘を手にして山道を歩いているとホトトギスの声が聞こえてきました。ウグイスの声も聞こえ、どこかのウグイスの巣に托卵するのだろうな、と思いながら歩きました。コジュケイの声もして、山はにぎやかです。

食事の習慣を変えるのに、量とともに内容でも塩分と動物性蛋白質の量を減らそうと試みています。きっかけは「ゲルソン療法」というがんの食事療法について読んだことでした。ゲルソン療法は90年前にマックス・ゲルソン医師が考えた療法で、厳密な食事療法を中心とした治療法です。

これによって自分自身の進行がんを克服した医師に星野仁彦さん渡邉勇四郎さんがいます。星野さんは大腸がんの肝転移、渡邉さんは前立腺がんの腰椎転移でした。彼らはがんを克服し、現在も医師として活躍されています。彼らの著書を読むと、ゲルソン療法が科学的な説得力を持つものであることがわかります。

現代のがんの三大療法(手術、抗がん剤、放射線)は進行がんに関しては無力です。延命はできますが、完治は無理というのが常識です。しかし、ゲルソン療法は進行がんであっても完治させられる可能性があり、がんの予防食としても有効だと思われます。ただ、本家のゲルソン療法は非常に厳格で患者本人の強い意志が必要です。

主な内容だけでだいたいの人はやる気が失せてしまうでしょう。
1)完全無塩食
2)一日に絞りたての野菜ジュースを2L以上飲む
3)動物性蛋白質(肉、魚、卵、乳製品)を摂取しない
4)禁酒、禁煙
5)精製した白砂糖を摂取せず、黒砂糖やハチミツなどにする
6)精白した小麦、米などを摂取せず、全粉粒のパンや玄米を食べる
これらをがんが完治したとみなされる5年以上に渡って継続するのです。

ただし、これはすでにがんを発症した人が実施するもので、がんを防ぐためにはもう少し緩めの食事でいいと私は思います。
1)減塩食(1日5g以下)
2)一日に絞りたての野菜ジュースを400mL程度飲む
3)動物性蛋白質(特に四足動物の肉)を少なくする。
4)節酒、禁煙
5)精製した白砂糖の摂取を極力少なくする
6)玄米、麦ご飯などを食べる
ざっとこんなところで、この程度のことであれば、少し工夫をすれば自分にもできそうです。
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五月
日が長くなっています。先日行った幕張のホテルから目の前に千葉マリンスタジアムが見えました。ネーミングライツで今は別の名前になっていますが。幕張のあたりというのは、新都心という名前で呼ばれるとおり、企業のビルが立ち並んでいます。生活の匂いがあまりしません。

最近都市計画をもとに整備された場所という感じで、街全体がぴかぴかに新しく、歴史を感じるものが何も無く、神戸沖の人工島の街並みを思い出しました。きれいなのですが、映画のセットか何かのようで、重みが無い印象です。街にさまざまな年代に作られた建物があるというのは重要なことですね。
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睡蓮
保健師の仕事で千葉県の幕張に来ています。宿泊しているホテルの窓から目の前に千葉マリンスタジアムが見えます。今夜は試合はないらしく静まり返っています。海を隔てて東京方面も見えます。

ホテルには大浴場があり、夕食前にのんびりとお湯につかってきました。体重計があったので、試しに量ってみたら食習慣を変える前に比べ3kg近く減っていました。それでいてほとんど空腹感はありません。

食べ過ぎると余計に空腹感を大きくするのではないだろうか、と思います。血糖値の上下動が激しくなりますから。味付けが濃く脂肪分の多い食事は過食を招きます。

今、朝食に食べているのは甘夏などのかんきつ類です。季節にあわせて食べる種類は変わっていくでしょうが、基本的にはりんご1個分くらいを目安にしようと思っています。果物はバナナにきなこをふったものも午後のおやつとして食べています。
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えごの花
いいお天気が続き、すでに暑さを覚えます。増位山の山上駐車場の一角でエゴノキの花が咲いています。白い小さな花が下を向いて鈴なりになって咲いているのは、可憐でもありにぎやかでもあります。

最近、食事の習慣を変えようとしています。これまで朝食はシリアルで、昼食は麺類など、夕食はご飯におかずというパターンでした。今は朝は果物のみ、昼がシリアルで、夜はご飯とおかずというパターンに変えています。

CROWDの記事を書いている間に糖尿病などの生活習慣病について読み、考え、食事の量はもっと少なくていいのではないか、と思ったのがきっかけです。日本人は食べすぎだと思います。飽食で何か肝心なことを失っている気がします。

私は身長が160cmなので標準体重は1.6×1.6×22=約56kgです。標準摂取カロリーはこれに25〜30kcalを掛けたもので、1400〜1680kcalです。この範囲内に食べる量を抑えようと考えました。

塩分の摂取量も減らそうと思い、塩を減らすには食べる量を減らすのが最も手っ取り早いと気がつきました。どんなに薄味の料理でも、たくさん食べたら塩分の総摂取量は多くなります。今のメニューなら、朝と昼をあわせても塩分は1gもありません。夕食で5gも塩をとることはないですから、一日の塩分総摂取量は間違いなく5g以下です。
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青条揚羽
増位山の山頂には蝶や蜂がたくさん集まってきます。つがいの相手をここで探しているという感じがします。昨日はアオスジアゲハを見ました。軽快に飛ぶこの蝶が好きです。山頂の南側の木々がかなり切り開かれ、頂のベンチあたりからでも播磨灘が望めるようになりました。五月の風が吹きぬけていき、爽快です。
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風香る
週末はいいお天気で、山登りを満喫できました。お天気は下り坂との予報どおり、週明けの今日は昼すぎから雨になりました。夕方から風も出ています。

最近よく夢を覚えています。このところの夢の特徴は、何か困ったと思うことが起きて、夢の中でどうしょうか、どうしたらいいだろうか、と考えているうちに目が覚めるというものです。昼ごろには具体的な内容は忘れてしまっていますが。

夢の内容に特に関連性はなく、「困ったな」と思っていることだけが共通点です。悪夢というのともちょっと違うし…。出てくる人も実にいろいろで、普段は存在さえ忘れていたような人が出てきて、不思議なものだと思います。

夢が何のためにあるのかという理由として、脳が昼間の情報を整理しなおしているとか、脳の疲れをとっているとかいう説があります。確かにそれは一理あるでしょうが、ただ単にそれだけのためならば、なぜああいうストーリー性のある「夢」を見せる必要があるのでしょうか。
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青芝
昨日登った蘇武岳(1,074.4m)の山頂は芝生になっていました。標高が1,000mを超えると、麓の集落の姿が小さく感じられます。風も少し冷たく、レインウエアをウインドブレーカーがわりにして昼食を食べました。

すぐ北東の備前山にはパラグライダーの飛び出し基地があり、オレンジ色のパラグライダーが昼食時間の間中、空を舞っていました。パラグライダーの飛行にはちょうどよい風が吹いていたように思います。空中散歩は爽快な気分でしょうね。
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谷空木 
豊岡市日高町と香美町村岡区の間にある蘇武岳に登ってきました。初めの予定では隣の三川山に登ろうと思っていたのですが、予定していた登山口の反対側に来てしまい、こちらに変更しました。蘇武岳は冒険家・植村直己が少年のころ登っていた山として知られています。

快晴で登山口までの林道のかたわらには淡いピンクのタニウツギがたくさん咲いていました。山はブナの新緑が美しく、その木陰を登りました。雪深いところなので、森の木々はすべて根元が「し」の字のように曲がっています。深い雪に耐えた印です。
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はつ夏
快晴の一日でした。若葉に強い初夏の日差しが降り注ぎ、何もかもが輝いています。増位山の蛇ヶ池で亀が枯れ木の上に並んで日光浴をしていました。微動だにせず、置物のようです。

CROWDに記事を書いていて、日本人の現代の病は「欲望の病」の一面もあると感じました。その欲望は、飲み食いの欲望です。美味しいものをおなかいっぱい食べたい、食べ尽くしたい、今日も明日も明後日も、というわけです。

昔、社会全体が貧しかった頃、それはかなわない夢でした。ご馳走が食べられるのはお正月などの限られた日のみ。子どもは甘いものが欲しかったけれど容易に手に入りませんでした。

しかし、今や24時間スイーツが手に入る時代です。世界中の珍しい食べ物が日本の都会ならなんでも食べられます。食べ放題、飲み放題、グルメと飽食の極みです。どこにでも食べ物があるから、食べ物のありがたみも薄れ、逆に菓子パンと清涼飲料水が食事の代わりというようなアンバランスも生まれてきます。

自分の欲望に適度なブレーキをかけ、節度を守らないと自分の身体に内側から裏切られます。その結果が肥満、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、それらを全部あわせたメタボリックシンドローム。

お伽話では、欲望にかられた登場人物は破滅するものと相場が決まっています。「欲に目がくらんでいる」というのは、お金のことというよりも、むしろ我々に身近なのは自分の生理的欲望の方なのではないかと思います。
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