優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2016年08月

残暑
新温泉町の牛ヶ峰山に登ってきました。山頂直下には牛ヶ峰神社があります。持統元年(678)創建とされる大変歴史のある神社です。かつて農作業で牛を使っていた時代には大勢のお参りがあったそうです。牛を連れて参拝する人もあったことから、登山道は広く、幅2mほどあります。

今はひっそりと忘れ去られた印象で、兵庫100山に選ばれていなければ、登る人もまれでしょう。薄ぐもりの天気で、風がほとんどなく、汗が吹きだしました。途中、東に展望が開けているところがあり、そこからおじろスキー場などが望めました。山頂は鳥取県岩美町との県境になっています。
IMG_3431

秋の蝉
間もなくリオ五輪も終わります。テレビを持っていないので中継は全く見ていませんが、それでも日本選手はいろいろな競技で素晴らしい成績をあげているんだなあと感心しています。中でも驚いたのが陸上男子400mリレーの銀メダルでした。

2008年の北京五輪でも銅メダルを取っていますが、あれは有力国の失格に助けられたまぐれ、と思っていました。ところがなんと、ウサイン・ボルトの隣を颯爽と走るケンブリッジ飛鳥の姿。バトンパスの技術が素晴らしいそうです。

このあたりが日本人らしいと思いました。遺伝的身体能力からすれば、黒人スプリンターをそろえた国に勝てというほうが酷です。個人の競争では準決勝までが限界でした。それが四人集まったら、銀メダルなんですから、創意工夫と努力によってこんなこともできると世界中に日本の力を見せたと思います。
IMG_3425

盆の月
昨夜は満月でした。お盆のころの満月を「盆の月」といいます。昼の暑さは去り、空気も夜空も澄んで、涼やかな月が昇っていました。

そういえば、ツバメの姿も見なくなりました。来たときはすぐに気づくのですが、いなくなってしまってからは数日間気がつきません。お盆前には確かにまだ飛んでいましたから、お盆の間に南へと去ったのでしょう。
IMG_3426

新涼
今日はよく晴れています。それでも朝の空の色にははっきり秋になっていることが感じられました。酷暑がある日ことんと衰え、初秋の清新な空気を感じる瞬間があります。それが「新涼」という季語にふさわしい感覚です。

昨夕、近所の河川敷の広場にカラスがたくさん群れているのを見ました。対岸の山が近隣のカラスのねぐらです。春から夏にかけては個別に巣を作っていたカラスが、秋になると集団になり、そこで暮らすようになります。夕方周辺から戻ってきたカラスたちがここに集まり電線や屋根にとまります。カラスなりに顔見知りの仲間とおしゃべりをして、一息ついてそれからねぐらに帰るように見えるので面白いです。
IMG_3424

秋めく
今週に入ってから毎日わずかではありますが雨が降っています。今日も午後に路面が濡れるか濡れないかくらいの雨がありました。日中の暑さもひところよりはおさまってきています。日が短くなって午後6時ごろには夕暮れという暗さです。

YouTubeにはさまざまなBGM用の動画がアップされています。時々こういう動画を開いて聴きます。BGMにはクラシックの器楽曲が一番です。ヨハン・セバスティアン・バッハは1685年に神聖ローマ帝国のアイゼナハで生まれ、1750年にライプチヒで亡くなっています。日本でいえば徳川吉宗とほぼ同じ時代の人です。今でこそ有名ですが死後はしばらく忘れられていました。

バッハが再評価されたのは1829年、当時20歳のメンデルスゾーンがベルリンで「マタイ受難曲」を編曲して演奏したことによります。楽譜が残っていたからこそ可能だったことですが、もし、バッハが忘れら去られたままだったとしたら、人類にとって大きな損失だっただろう、と思います。
snapshot

The Best of BACH - 5 HOURS of Classical Music for Studying, Concentration, Relaxation Playlist Mix


昨日も夕立があり、今日も夕方からくもって、夜に入る頃にさっと雨が降りました。今は月が輝いています。雨があがって気温が下がり、窓の外からは虫の声がかすかに聞こえます。夜はかなり秋めいてきました。リオ五輪の情報はインターネットで見聞きしています。オリンピックが終わったら、気分的にも秋らしくなるのでしょう。
IMG_3421

墓詣
墓参りはお盆をはじめ、お彼岸などいろいろな時期におこないますが、季語としては帰省時期である月遅れのお盆のものとして扱います。今日は母方の祖父母のお墓参りに行ってきました。墓石の前まで来ると、彫ってある字の中に小さな蛙がちょこんとおさまっていました。直前に驟雨があり、蛙にとってはいい雨だったかもしれません。
IMG_3418

虫の音
昼間は厳しい残暑が続いていますが、それでもお盆のころになるとどことなく秋めいてきます。風や空の雰囲気が真夏のころとは確かに変わっているのです。こうして微妙に移り変わる日本の季節の変化を感じ、それを言葉にすることが俳句を詠む最大の楽しさかもしれません。少なくとも私にとってはそうです。

昼間は蝉の声がまだまだ盛んです。それでもツクツクボウシの声が聞こえ始め、しだいに真夏の蝉から秋の蝉へと変わっています。ツクツクボーシと鳴く声を聞くと、夏休みも後半だなあ、と子どもの頃を思い出します。夜になると虫の声が聞こえるようになってきました。朝や夜からしだいに秋は姿を現します。
IMG_3413


今日も鳥取から梨農家の方が販売に来られました。お盆で帰省されている人も多いでしょうから、そこへ梨、というわけです。買いに行ったら、列に並んでいる人の中に前の職場の同僚の姿を見つけました。向こうも気がついて、お互いに「わー、久しぶりですね」。試食の梨を食べさせてもらいながら、近況をたずねあいました。こういうところでなつかしい人に出会うというのはいいものです。

今年は各地の蓮の名所で蓮の花がほとんど咲かないという事態が発生しているそうです。それを観光の目玉にしているところでは打撃が大きいと思います。増位山の山上の蛇ヶ池も毎年白蓮がたくさん咲くのですが、今年は全く花が無く、先日ようやく一本だけ咲いているのを見ました。
IMG_3416


増位山の頂からはすぐ下に市川を渡る山陽自動車道が見えます。立っている山の真下が増位山トンネルです。この辺はトンネルが続いています。帰省ラッシュで、西行きの車線は車が数珠繋ぎになっていました。中国、四国、あるいは九州まで向かわれる車なんだろうと思いながら眺めていました。間にはさまっているトラックも大変でしょう。

このところ晴天が続き、雨がほとんど降っていません。火災に注意するように呼びかけている消防車を見かけました。市川も水量が減り、水位が下がっています。日中は気温の高い状態が続いていますが、それでも空を見上げるとどことなく秋の空の色に変わってきています。
IMG_3417



このページのトップヘ