優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2017年03月

彼岸
昨日の夕方から久しぶりにまとまった雨が降りました。三月になってから、時雨程度の雨はありましたが、晴天が続いていました。春は本来雨の多いシーズンなのですが、これからもう少し雨が増えるでしょうか。雨の日も、今日のような静かな雨であれば、どちらかのベランダは濡れません。

南西側のベランダが乾いていたので、そこで午後のお茶を入れました。ご飯を炊くこともできます。小さなコッヘルのセットで重ねられるものを持っているのですが、それを使ってご飯を炊きました。飯盒で炊くのと同じ要領です。

1)一合のお米を洗って一時間ほど水に浸しておきます。
2)火をおこし、その上にコッヘルをのせます。
3)お米がぐつぐついいはじめるまで、お米をスプーンなどで混ぜます。
4)ぐつぐついい始めたら、小さいコッヘルを上にかぶせます(普通の蓋でもかまいません)。
5)その後は極力とろ火程度になるようにコッヘルを動かします。
6)10分たったら終了し、コッヘルを逆さまに向けてタオルでくるんで蒸らします。
7)そのまま10分程度放置すれば、美味しいご飯のできあがりです。

3)でお米を混ぜるのは、底に焦げ付かないようにするためです。とてもおいしくご飯が炊けます。逆さまに向けなくても美味しく炊けるのかもしれません。普通の蓋なら、その方が簡単ですね。細かな火の調整は難しいので、自分の手と火との距離を見つつコッヘルを動かして炊きます。これがまた面白い。手を保護するためにクックストーブを使うときは耐熱グローブをはめています。

一合以上のご飯になると、片手で持ち続けるのはしんどいでしょう。このストーブの唯一の難点は小枝から煤が出るため、コッヘルが真っ黒になってしまうことです。これ専用と割り切って使うのがいいですね。
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朧の夜
北東側のベランダを片付けて、今、そこで毎日楽しんでいるのがBioLiteのCookStove(クックストーブ)です。小枝を燃やして調理するというコンセプトで作られています。
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最初は山登りに持って行っているコンパクトガスストーブの代わりになる、と思いました。しかし、それよりもベランダでこれを使ってコーヒーを入れたりする方が楽しくなっています。何が楽しいかというと、自然にある小枝を使って火をおこし、それを見ながらお湯を沸かしたりする行為そのものが楽しいのです。

コンパクトガスストーブはガスの炎が出ます。効率はいいですが、それを見ていても楽しくもなんともありません。このクックストーブだと、小枝によって作られた自然の炎を見ることができます。焚火の炎を飽きず眺めていられるのと同じ原理です。

危険はありません。小枝は燃焼炉の中に納まるクレパスほどの長さであり、太くても人差し指ほどのものです。火がおこる仕組みのポイントは、このストーブの横についている青い装置です。

これは送風機です。充電できるようになっており、燃焼させるときにスイッチを入れれば、燃焼炉の中に風が送られます。それによってすぐに着火し炎があがるようになります。燃焼すれば、効率よく燃えるので煙はほとんど出ません。

一握りほどの小枝で一杯のコーヒーに必要なお湯を沸かせます。このストーブの上に載せる専用のポットがあり、それを使えば、煙突効果で燃焼の効率がいいうえに、熱の伝わり方の無駄もないため、こんな少量の小枝でお湯が沸くのです。

小枝は山で散歩したときに拾ってきます。数十メートルも歩けば、普通サイズのレジ袋を満たすくらいの小枝が集まります。細い小枝なので、長ければ簡単に折れます。こうして小枝を拾うまで、これほどたくさんの小枝が森に落ちていることに気づきませんでした。適度な大きさ、長さ、太さのものしか拾いませんが、それでも連日必ず次の小枝が落ちています。

小枝を拾うこともとても楽しく、眠っていた狩猟採集民の遺伝子が目覚めたような気がしています。狩猟採集民は獣を狩ったり、魚を獲ったり、木の実を採集したりしたでしょう。それと同時に煮炊きするための薪を集めたはずです。

ポットにかける専用ストーブの底の穴は空気が抜ける穴であると同時に火の様子を見る穴であり、小枝を足していく穴にもなります。ポットは1.5L以上入りますが、一度にそんなにたくさんお湯を沸かすことはありません。少量の水しか入っていなければ、軽いので、ポットを持って直接小枝を燃焼炉に入れることもできます。

ポットには水を注ぐための薬缶のような蓋がついていたのですが、これが使いにくく、外してしまって手持ちのクッカーの蓋で代用しています。これがあつらえたようにぴったりで、重宝しています。

小枝が燃えてしまうと、1Lお湯を沸かしても掌に乗るほどの灰しか残りません。十分冷めたら空缶に移し、さらに半日程度おいて、完全に火が消えているのを確認してから木の根元などに撒きます。山で使う場合はスコップで穴を掘り、灰を入れて水をかけてから穴を埋めます。
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春分
今日は二十四節気の春分です。日は随分長くなり、夕方は午後6時以降でも明るさが残るようになりました。本格的に暖かくなるのは今頃からです。

ごきげんな人は10年長生きできる』の著者は、VIA-ISテストで自分の強みがわかったら、それを毎日の生活の中で「新しい方法で活かしてみる」のがいいと勧めています。すると、気分が好転するだけでなくモチベーションがあがり、仕事の効率があがって、人生の可能性が開けてくるというのです。

実際にそのことをミシガン大学で577名の協力者を対象に実験したところ、これを一週間続けたグループは、しなかったグループに比べ、幸福度がはるかに高く、抑うつも少なかったという結果が出ました。

さらにこの方法は持続性が高く、幸福度が高い状態が六ヶ月以上続きます。他のさまざまな幸福度をあげるとされている方法に比べても、「強みを活かすトレーニング」はもっとも高い効果をあげる方法のひとつです。

私の場合は「創造性」なので、これから何をするにも「目新しくより生産性の高い方法はないものか」ということを常に考えるようにしようと思います。これって発想の転換だと思います。コロンブスの卵みたいなもので、世の中には「これが正しい方法だ」と人が思いこんで、何の疑問も持たず習慣的におこなっていることがたくさんあります。

ほとんどの人はそれをやってみて、そういうものだろうとその方法を踏襲します。「型にはまる」というやつです。しかし、ものすごく単純なことでさえ、全く違う方法でやったら飛躍的に進歩するものがあります。

たとえば走り高跳びの背面跳び、あれはずっと長らくはさみ跳びだったものが、ベリーロールに変わり、背面跳びを初めて競技会でおこなったのはアメリカのディック・フォスベリーでした。彼はこれでメキシコオリンピックの金メダルを獲得しています。

今や国際レベルの走り高跳び競技では全員背面跳びで跳びますが、フォスベリーはベリーロールがうまく跳べず、結果的に高くうまく跳びたい一心でこの方法に到達しました。こんなことはまだまだ身近にいっぱいあると思うのです。

梅花
今日は暖かです。増位山梅林へ行ったら、観梅の家族連れを数グループ見かけました。観梅というとまだ寒いイメージがありますが、今日のような陽気なら、お花見に近い感覚で楽しめると思います。晩生の梅はまだこれから開くところであり、周囲にある大きなヤマザクラが咲く頃まで咲いています。
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春光
ごきげんな人は10年長生きできる』という本を読みました。第四章の「幸せになる方法(1)心のエクササイズ」を読んでいたら、自分の「強み」を発見するための診断テストが紹介されていました。人は誰でもそれぞれの「強み」を持っており、性格と深くかかわるそれらの強みを活かせば、自分自身が幸せを感じられるだけでなく、社会のためにも役立つといいます。

VIA-ISというこの診断ツールは、ペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのウェブサイトで公開されていて、誰でも無料で利用できます。人間の24の性格的強みに関して、「自分自身の最大の強み」が何かわかります。日本語訳もあるというのでさっそく試してみました。

結果は数分でわかり、24の強みについて順位がつきます。私の強みの第一位になったのは「創造性」でした。ここで言う創造性とは次のようなことを意味します。

---物事を行うのに目新しく、生産性の高いやり方を考える力。芸術的な成果を含むがそれに限定されない。新しいやり方を考えることは、創造性を強みとするあなたを表す重要な要素の1つとなっています。より良い方法が見つけられる限り、あなたは従来のやり方では決して満足することがない人です。---

自分の強みというのは意外にわからないものだ、とこの本の著者は述べています。なぜなら、強みと弱みは表裏一体だからです。「創造性ねぇ…、ふーん」と私も思いました。

ただ、ここで疑いを持つよりも、「ごきげん」であるためには、これを信じてしまった方がいいのです。「私の最大の強みは創造性だ!」と宣言してしまいます。私は創造力に満ち溢れているんだ、と思えば、気分はいいですし、自信も湧いてきます。何があったって、大丈夫さ。
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春の山
増位山の自然歩道へ散歩に行ったら、前の職場の同僚にばったり出会いました。向こうから二人連れの男性が歩いてきて、道を明けたら、そのうちのひとりが私の名前を呼びました。びっくりしてしげしげと顔を見ると…。

別の同僚から、彼がトライアスロンに入れあげていて、本格的にトレーニングをやっているときいていました。確か、少林寺拳法か合気道かもやっているはずです。「頭は丸刈りにしてるし、まるで修行僧みたい」、とのことでした。がんばってね、と握手して別れました。
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うららか
春分の日へと続く三連休は穏やかなお天気になりそうです。いくつかのアンケートサイトに登録していて、スキマ時間に時々回答しています。最初はたくさん登録をしていましたが、しだいに絞られて、今は五つほどのサイトになっています。

これを見ていると、アンケートそのものが企業のマーケティングになっていると感じます。動画でCMを見てもらい、その感想をたずねるものもあります。テレビも見なければ、雑誌も新聞も読まないという私のような人間には、こういう手段でないとCMに触れてもらう機会がありません。

こちらにとっても、アンケートに答えるメリットは、ポイントをいただけるということだけはありません。これによって新しい製品に触れることができます。食指が動くことはめったにありませんが、たまに「へえ、これ検索して調べてみよう」と思うものに出会うことがあります。こういう気持ちを起こさせる製品はいいですね。
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暖かさが戻って来ました。あと十日もすれば桜がほころび始めます。暖房器具はもう一ヶ月も前に片付けてしまいましたが、衣類はまだ真冬のころとそれほど変わりがありません。春の服装になるのは、お彼岸が過ぎ、四月に入ってからです。

増位山を歩いていると、ウグイスの囀りが聞こえるようになりました。絶え間なく囀りが聞こえるのはもう少し先かと思いますが、春らしさが増しています。
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彼岸入
20日が春分、ここを中日としてその前後三日間が彼岸です。季語では春を「彼岸」、秋を「秋彼岸」「後の彼岸」として区別しています。彼岸は仏教の言葉で、煩悩に満ちたこの世を此岸というのに対し、それらから脱した境地を意味します。

「暑さ寒さも彼岸まで」というように、このあたりまでくると寒暑がゆるんで過ごしやすい時季に入ってきます。瀬戸内沿岸部は雨の少ないところです。ここ二週間ほど雨らしい雨は降っておらず、空気が乾燥しています。
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彼岸前
明日17日が彼岸の入りです。ここ数日気温が低い日が続いています。大相撲三月場所観戦のため、でかけた昨日の大阪も風があり寒く感じました。JR大阪駅で下り、まずお弁当を買います。建物の中に入るまで高層ビルの間を歩いたのですが、彼岸が近いとは思えないほどの風の冷たさでした。

阪急百貨店の地下でお弁当を買い、近くのカフェでお茶を飲んで一息入れました。地下鉄御堂筋線でなんば駅まで行き、エディオンアリーナ(大阪府立体育会館)の隣のコンビニで観戦中のおやつや飲み物を購入し、会場に入りました。

ここまでくると、力士の姿をちらほら見かけます。すれちがうと鬢付け油の香りがして、大相撲に来たんだと感じられます。いつもだいたい三段目の途中から入って、のんびりお弁当を食べながら取り組みを見ます。

幕下までの取り組みはまわしも質素で、塩もなく淡々と進んでいきます。このあたりの取り組みを見ていると、幕内に入ること、まして大関や横綱といわれる地位に上り詰めるのがどんなに凄いことかがわかります。
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