優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2017年03月

春場所
大相撲三月場所を観戦してきました。荒れる春場所といわれるように、今日は白鵬、鶴竜、豪栄道の二横綱、一大関が敗れるという波乱の土俵でした。

白鵬が平幕の勢にあっけなく押し出されると、館内に座布団が飛びました。物言いはついたものの、結局判定は覆らず、白鵬からはかつてのような無敵さが消えているように思えました。

そんな中で、今場所から新横綱になった稀勢の里は結びの一番で危なげなく勝ち、大歓声を浴びていました。長らくモンゴル勢のみが横綱の座を独占していた角界に久々に現われた日本人横綱です。

大阪場所は京都が近いからでしょう。毎回舞妓さんや芸妓さんの姿を見かけます。今日も二組そうした姿を見ました。美しい着物、髷、お化粧など土俵だけでなく、観客席を見ることも楽しめます。
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春の空
六甲山はいくつかの山の連なりです。六甲最高峰は縦走路からやや北に外れています。縦走路から最高峰に行く手前のところからは、大阪湾、大阪南港、大阪都心部、あべのハルカス、さらにその向こうの金剛・生駒の山々まで見えます。

関西の山々をあちこち登っているので、あらゆる方向からこのあたりを見ています。六甲最高峰は広場になっていて、端に三角点と六甲山最高峰の丸太の標識が立っています。周りがぐるりと見渡せました。
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春空
六甲全山縦走路のかたわら、六甲ゴルフ倶楽部と六甲ガーデンテラスの間にみよし観音が立っています。この観音様は、1964年2月18日に発生した日東航空おやしお号墜落事故で、殉職したスチュワーデスの麻富美代子さん(当時21歳)を追悼して立てられたものです。

おやしお号はグラマン・マラード水陸両用旅客機で、乗員3名、乗客8名を乗せて午前8時21分、大阪国際空港を離陸、徳島に向かいました。離陸直後に空港排水路の堤防に機体の下部を当て、そのまま右に旋回して兵庫県尼崎市田能の水田に墜落しました。墜落直後、彼女は乗客7名を救助し機外へ脱出させました。最後に残った乗客を助けようと機内に入ったところ、爆発し二人とも亡くなったのです。

当日は雪でキャブレターが凍るほどの寒さであったといいます。自分自身も決して無傷ではなかったはずの彼女の行為に心うたれた人たちによって、慰霊と大空の安全祈願のための観音像が立てられることになり、外国人も含め五千人を超える人々の善意が寄せられました。

墜落地ではなく、六甲山上が選ばれたのは、遭難した航路が見える場所だからだろうと思います。美代子さんの名前をとって「みよし観音」と名づけられ、毎年8月1日に大空のまもり祈年祭がおこなわれています。
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春昼
麻耶ロープウェイの星の駅から出るとすぐに広々とした掬星台です。オテル・ド・麻耶の標識を目印に下っていきました。正面に六甲山牧場の建物が見えました。麻耶山天上寺の裏手を通り、穂高湖の標識を横目に歩いて行きます。

歩き始めが10時半ごろでしたから、3kmほど歩いた三国池の標識を見て、そこでお昼を食べることにしました。六甲山はどこでも人が多くのんびり落ち着ける場所というのはそれほどありません。三国池の奥は私有地で池の周囲を一周することはできないため、行き止まりになっています。

行き止まりとの表示を見て、ここなら誰も来ないのではないかと思いました。案の定、行き止まりの柵の手前は数人で座るにほどよいスペースがありました。美しい池の面とそこに影を落とす森を見ながらゆったり食事ができました。
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昨日の山登りは、JR三ノ宮駅で降り、そこからバスで麻耶ケーブル下に向かいました。駅前を離れるとすぐにバスは坂道を登り始めます。山と海が接近し、市街地のすぐ後ろから山が始まっている神戸独特の地形です。

観光客が多く、バスがまやケーブルの駅に着くと、人が並んでいました。窓口でケーブルとロープウェイの片道券を買いました。そのとき、窓口にJAFの印があったので、「使えますか?」とたずねたところ、2割引とのこと。一枚のJAFカードで4人適応されるということで、2枚出して全員700円で乗車しました。本来なら880円でしたから、随分お得です。

山に行った後、日帰り入浴施設へ行くことが多く、それらの中にもよくJAFの割引が使えるところがあります。財布に運転免許証とJAFのカードはいつも入れています。こういうところで使えるとうれしくなります。
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春日和
六甲山へ行ってきました。二年前の一月から六甲全山縦走路を踏破しようとしていて、三回歩いた後、間が開いてしまいました。今日はまやビューラインの麻耶ケーブルと麻耶ロープウェイを使って掬星台まで登り、そこから歩き始めました。

よく晴れて風も無く絶好のハイキング日和でした。兵庫勤労者山岳連盟が主催する六甲全山縦走大会がおこなわれていたようで、途中その参加者やスタッフの人たちをたくさんみかけました。私も以前神戸ヒヨコ登山会の全山縦走大会に参加したことがあります。

一日で須磨から宝塚まで歩きとおすというハードなスケジュールです。朝はまだ明け切らないうちに須磨を出て、宝塚のゴール近くでは夜になり、ヘッドランプをつけて歩きました。全長50数キロ、15時間ほどかかる行程です。

私たちは途中で全山縦走路から分かれ、宝殿橋のバス停でハイキングを終えました。あと一回、宝殿橋から宝塚まで歩ききれば、パートタイム六甲全山縦走路踏破です。
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春朝日
日が長くなりました。太陽が空の高いところを通るので、午後の遅い時間まで日差しは部屋に入らなくなりました。日差しが入るとカーテンを閉めなくてはならないため、冬は午後になるとすぐにカーテンをひいていましたが、今は夕方まで開け放っています。

部屋には北東と南西にベランダがついています。南西側のベランダは洗濯機を置いていて、物干しもあっていろいろ使うことが多かったのですが、北東側のベランダはほとんどそこに出ることも無く、古い網戸の枠を放置していました。

最近、新しい遊びを思いつき、ここのベランダを活用するといいかも、とひらめきました。アイデア次第で面白い使い方ができそうです。
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梅花
今日で東日本大震災から丸6年です。発生は午後2時46分でした。相場が閉まる直前で、それを見ていた画面に速報として「東北地方で地震発生」と出たのを思い出します。こちらは全く平穏でテレビは持っておらず、まさかあれほどの大震災だとは思ってもいませんでした。

惨状を知ったのは、翌朝インターネットの動画で仙台空港に押し寄せる津波の映像を見たときでした。自衛隊の航空機が撮影した三陸海岸の津波の映像、「避難してください」と呼びかけるNHKアナウンサーの声、それらも動画で見ました。6年は長いようで短く、短いようで長い、と思います。
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卒業生
今日は姫路市内の中学校の卒業式だったようです。午後、中学校の近所を通ると、ピンクのリボンで作られた花を胸につけた卒業生たちが連れ立って歩いていました。古びた制服がリボンの花で華やいで見えます。暖かい日差しがあふれる日で卒業式にはいいお天気でした。

公立高校の入学試験が恐らくすぐにあるのだと思います。私立専願の子はもう進路が決まっていますが、そうでない子たちはまだ落ち着かないでしょう。卒業、進学、就職とこれから一ヶ月ほどはフレッシュな顔が春の街に溢れます。
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春の陽
街を歩いていると、古いビルが壊されて瓦礫の山になっているのに出会うことがあります。頻繁にその前を通っていても、瓦礫になってしまっていると、そこに何があったのか具体的に思い出せません。そこが目的地でそこへ出入りしていたということでもない限り、街の風景のひとつとして意識に強く刻み込まれないままに過ぎているのでしょう。

人間の注意力というのは限りがあって、このようにしてその限りある資源を無駄に使わないようにしているのだと思います。建て込んだ街のその一画だけを見事に瓦礫にしてしまい、周囲の建物には傷ひとつつけないという破壊の技術というのも考えてみれば凄いものです。

大都会では高層ビルに爆薬を仕掛けて一瞬のうちに垂直に倒壊させることがあり、それが動画で撮影されて出回っていたりします。あまりに見事に崩れ落ちるので、あの破壊と崩壊のシーンは一種のカタルシスを与える芸術です。
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