優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2017年04月

芽吹き
ここ数日いいお天気が続きましたが、今日は一日本降りになりそうです。雨が周囲の山の新緑を洗い、雨天なのにまわりが明るく感じられます。

浅田真央さんが引退後の初仕事としてkiralaという富士山の天然水をもとにしたウォーターサーバーのブランドパートナーに就任したそうです。一昨日名古屋で記者会見があり、100社以上のメディアが詰めかけたとか。通常、アスリートが引退すれば競技への露出がなくなるわけですから、需要が少なくなるはずです。しかし、彼女の場合はそういう気配はありません。kiralaは新しいスポンサーなのです。

彼女の人気はチャンピオンゆえの人気というよりも(もちろんそれは欠かせない要素ではありますが)、スポーツの世界でタテマエとして言われているものの、なかなか誰もそれを体現できないことをやってみせてくれたからではないか、と思います。

それは「勝つことも大事だが、さらに大事なのは恐れずに挑戦し続けること」「どんな状況になろうともあきらめず、その中で自分のベストを尽くすこと」…、といったことです。スポーツだけでなく、実人生の中において、こういう生き方をしたいと思うものを見せてくれました。

プロ初仕事でのインタビューで「これからやりたいことは」ときかれ、<真央リンク>を作りたいと述べていました。これは壮大な夢ですが、すでに17歳のときのインタビューでもそう答えている映像が残っています。そして、「"フィギュアスケーター浅田真央"を"浅田真央"はさらに超えていかなければならない」と言っています。

彼女は現役時代、「うまくいかないときはどうするんですか?」という子どもからの質問に対し「練習します。練習するしかないんです。"浅田真央"から逃げることはできませんから」と答えています。今回の答えはそれを思い起こさせます。彼女は"浅田真央"というブランドをよく理解していて、そこにも彼女の聡明さが現われています。
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晩春
先週末におこなわれたフィギュアスケート国別対抗戦のエキシビションで、ソチ五輪の代表のひとりだった村上佳菜子選手が引退を発表し、最後の演技の後、花束をもらって送り出されていました。まだ22歳ですが、10代半ばの選手が続々と育ち、五輪後は成績が低迷していました。大学卒業を機に引退を決意したのでしょう。

引退後はプロに転向し、すでにいくつかのアイスショーに出演が決まっています。そして、そのさらに後は指導者の道を目指しているとか。まだ若いからもう少し続けたらと惜しむ声もあるものの、こうした形で競技キャリアを終えられるのは、幸せな一握りの選手です。大学卒業までにオリンピック出場という結果を出していなければ、プロとして残るのは難しい。

国別対抗戦はシーズン最後におこなわれるお祭りみたいな大会です。先日引退を発表した浅田真央選手の引退セレモニーがおこなわれるのでは、と期待していたファンの方も多かったようです。「真央ちゃんにこそこういう場をもうけてあげて欲しかった」と書いている人がありました。

それに対して、こんな言葉が。「憶測に過ぎませんが… 佳菜子の引退花道を引き立てるために真央は出なかったのだと思います。 自分が出たらどうなるか…真央は『浅田真央』をよく分かっていますから…。」、やはり聡明な人だ、と思います。
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春たく
春もあと10日ほどとなり、野山は初夏の雰囲気になりつつあります。いいお天気が続いて気持ちがいいです。今日はいただきもののレトルトカレーを持って頂へ行き、クックストーブでご飯を炊いてカレーを食べました。だんだん調理の要領がよくなっている実感。

調理時の椅子にはパタットミニを使っています。瞬時に椅子になり、しまうときもあっという間に一枚の板のようになって、バックパックの背の部分にすぽっとおさまり、持ち運びにも便利です。
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霞桜
増位山の山上公園の東屋周辺でカスミザクラが咲いています。普通の桜としては、最も咲く時季が遅く、輝くばかりの緑の中に白い花が見えます。周囲では羽化したシオヤトンボが飛び交っています。シオヤトンボは止まる時間が長いトンボです。特に羽化したばかりのころは集団でベンチなどに休んでいます。
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木の芽山
今日も快晴でした。毎日のアウトドアランチは続いています。野山に萌え出したさみどりが美しく、強まる日差しの中で燦然と輝いています。それを目にしているだけでわくわくしてきます。

日曜なので山頂には後から二組のご夫婦が来られました。「こういうところで食べるご飯は美味しいですね」と自然に会話が弾みます。山頂のまわりのコナラなどが芽吹いて日ごと葉を広げており、ベンチの上に少しずつ影を落とし始めています。自然は毎日確実に変わっていることを最も実感できるのが今頃です。
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木の芽
フィギュアスケートのシーズン最終戦である国別対抗戦が昨夜終わりました。今季大躍進を遂げた三原舞依選手の演技が終わった後、得点を待つキスクラに浅田真央選手をねぎらった寄せ書きのボードが掲げられました。日本チームのキャプテンをつとめたアイスダンスの村元哉中選手が発案し、日本選手全員だけでなく、各国の選手・コーチのメッセージも書き込まれていました。

「本当にみんなから愛された選手だったので」と村元選手は語り、「真央ちゃんがいなかったら、今のフィギュアスケートはない、心から感謝しているので」と涙し、「だから少しでもスケート界からメッセージを、と思って用意しました」とのことでした。

一昨日もカナダのアイスダンスのケイトリン・ウィーバー選手が「We love You Mao(oの文字がハート)」というボードをキスクラで掲げてくれていました。外から競技を見ているファンだけでなく、内側で彼女のそば近くでその姿を見ていた仲間やコーチからの言葉の数々が彼女の人柄と偉大さを物語っています。

それと同時に、このボードを発案した村元選手の素晴らしさにも感心しました。日本チームのキャプテンという立場にあって、自分の演技だけでなく各選手の応援にも力を入れていました。気配り、心遣いができる人とはこういう人だな、と思います。
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花吹雪
ヤマザクラもソメイヨシノもすっかり散りました。山ではカスミザクラが咲いています。桜の季節が終わろうとする頃、ぽつぽつと小さな花びらをつけて咲き、お花見の喧騒とは無縁の桜です。桜は花吹雪もいいです。というか、花吹雪こそ桜の最も美しい瞬間かもしれません。

咲いているときが美しい花はごまんとあれど、散り際があれほど美しい花は桜をおいて他になく、桜がこれほど愛されるゆえんだろうと思います。
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早朝は弱い雨が降っていましたが、早い時間のあいだにやみ、午後はお天気が回復して日差しが出ました。桜が散るといっせいに落葉樹の葉が芽吹き、山は様々な色に彩られています。

写真は、先日琵琶湖疏水を歩いたときに撮影した八重桜の一種です。同じひとつの樹の中で桜色に濃淡があり、それが珍しくてきれいでした。
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春が終わりにさしかかり、日が長くなりました。小枝を使って調理するBioLiteクックストーブがマイブームで、夕方ベランダでコーヒーを入れて飲んだりもします。これまでこのベランダをほとんど使わなかったのですが、このストーブのおかげで楽しい時間を過ごせるようになりました。暖かくなり始めるころにこれと出会ったこともよかったと思っています。

ガスレンジでお湯を沸かした方が早いのですが、火をおこすというひと手間と、燃え上がる炎を見ることが気持ちをゆったりさせてくれます。そんなことをしながらコーヒーを入れて空を見上げたら燕が飛んでいました。贅沢とか気分転換というもの、特別な観光地やイベントへ出かけなくても、こういうところで十分可能だなと思う今日この頃です。
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穀雨
二十四節気の穀雨の今日、朝はよく晴れていましたが、昼ごろから少しずつ雲が出て今は曇っています。外に出るのが心地よい季節なので、お昼ご飯はできるだけアウトドアで摂るようにしています。今日は「にしんそばもどき」を食べました。

にしんそばとは、かけそばの上に身欠ニシンの甘露煮を載せたもので、北海道や京都府の名物料理です。今回は麺として隣町の福崎町の名産であるもちむぎ麺を使い、身欠ニシンの代わりに缶詰のニシンの蒲焼を使いました。

最近、魚介類の缶詰を素材としてよく使います。さんま、さば、にしん、いわしといった魚の缶詰は安くて常温で保存でき便利です。アウトドアでは、缶をあけてそのままストーブの上に載せればすぐに温めることもできます。

意外に塩分は少なく、今日使ったニシンの缶詰ひとつで塩分量は0.9gです。タンパク質を14.0g含みます。青ネギをたっぷり刻んで持って行きました。手作りの野菜ジュースを毎日飲むので、そこに入らない野菜を料理に取り入れるようにしています。

頂の横でザイフリボク(シデザクラ)が咲いていました。
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