優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2018年12月

歳暮
六甲全山縦走路の終点は宝塚の駅前の宝来橋のたもとですが、山道は標高351m地点の塩尾寺(えんぺいじ)で終わります。聖徳太子ゆかりの古刹で、宝塚温泉の根源といわれ、潮泉山との山号を持ちます。お賽銭箱の横に「便所はありません」と書いてありました。きっと需要は多いのでしょう。

宝殿橋に有料トイレがありましたが、それ以降の六甲全山縦走路でトイレらしいものはありません。その少し先に広場があり、塩尾寺休憩所となっていますが、ここにもトイレはありません。結局トイレは、そこから3km先の阪急宝塚駅に隣接した阪急百貨店までありませんでした。IMG_0676
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時雨
大平山の手前で舗装路に出ました。ここにはdocomoの無線中継所があります。その後、再び山の中に入り、再度舗装路を横断するところが大谷乗越です。ここに着いたのは13:37でした。

ここから宝塚市に入り、道は下りの度合いを強めていきます。お天気も下り坂で雨が落ちてこないか気にしながら歩きました。六甲全山縦走路は近畿自然歩道とも重なっています。

宝塚市最高峰の岩原山(573m)のすぐ隣を通りました。いいお天気なら最高点まで行ってみてもよかったのですが、空模様が気になり先を急ぎました。標高505mの大谷乗越から標高50mの宝塚駅まで7kmあまりをただひたすら下ります。

今回、スマホにGeographicaというアプリを入れて試してみました。ルートにマーカーを設定しておくと、GPSでそこの通過時刻を記録してくれます。地図はあらかじめキャッシュしておき、使用中は機内モードにして電池を節約します。IMG_0672
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歳晩
昼食を終えて再び歩き始め、しばらく行くと、西宮市から宝塚市にかけての市街地が一望できる場所に来ました。すぐそこにお椀を伏せたような特徴のある甲山(309.2m)と北山貯水池が見え、遠く霞の向こうには梅田の高層ビル群やあべのハルカスの姿が見えます。

今日、展望が良かったのはここだけで、あとは樹林の中で六甲全山縦走路の標識を見つけることを楽しみに下っていきました。標識には番号がついていて、縦走路の最後は37番だということでした。今日は27番から歩き始めました。IMG_0670
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年の瀬
宝殿橋を出たのが10:05で、全山縦走路の分岐点まで40分ほどかかりました。ここからようやく舗装路を外れて山上のトラックに入りました。トラックの両側は笹に覆われています。稜線上の道とはいえ、それほどなだらかではありません。

岩でごつごつしており、昨日の雨の影響で滑りやすくもなっています。時々反対側からやってくるハイカーとすれ違います。六甲山は都会の山ですから、歩く人は多く、トレイルランナーも多いです。船坂峠を過ぎると針葉樹林になり、正午前に少し早めの昼食にしました。
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極月
六甲全山縦走路の最後のパートの出発点である宝殿橋には阪急バスで向かいました。阪急芦屋川駅から山口営業所行の80系統のバスに乗ります。バスは芦屋川に沿って芦屋市の山の手の住宅街を上っていきます。

阪神間は六甲山が海のそばまで迫り、平地はごくわずかしかありません。いずこも急斜面の造成地に家を建てており、狭い平地にベンツやBMWの高級車が停まっています。車が無ければ移動するのも大変でしょう。

やがてバスは芦有ドライブウェイに入っていきます。乗車時間20分ほどで料金520円というのはずいぶん割高と思いますが、急傾斜の有料道路を通るので仕方がないのかもしれません。芦有ドライブウェイの宝殿ゲートのすぐそばに宝殿橋のバス停があります。

六甲全山縦走路へはここから標高差120mほどのまがりくねった舗装道路を登らなければいけません。自転車で六甲山上へ向かうサイクリストに何人も会いました。人が歩くのもしんどい坂を上るのは大変なことだと思います。ダウンヒルはその分爽快ですが。IMG_0662

歳末
六甲山を歩いてきました。六甲山には六甲全山縦走路というコースがあり、須磨から宝塚まで六甲山系を東西に貫いて歩くことができます。総距離56km、累積標高差3,000m強で、一日で歩ききるイベントも行われています。

一日で歩いたこともあります。このときは大会に参加したので、コースを間違える気遣いもなく、食料もほどほどで十分でした。つまり軽い荷物で歩くことだけに集中できます。それでも、早朝に須磨を出発し、宝塚到着は夜、14,5時間歩きとおせる体力は必要です。

数年前から四分割して仲間と全山縦走路を歩いており、今回最後のパートである西宮市の宝殿橋から阪急宝塚駅まで歩いてきました。午前中は青空が広がっていたものの午後から雲が広がりました。時雨の予想が出ていたので折り畳み傘を携帯していました。幸いぱらついた程度で終わりました。IMG_0663

冬至
昨日の午前中は青空でしたが、昼ごろから急速に曇って夕方から雨になりました。日暮れが早く、雨の夜の運転は車のライトが反射して非常に見にくいことを実感しました。

夜、黒っぽい服装で歩いている人に気づくのが遅れ、ひやっとすることがあります。雨のときはなおさら見にくく、窓が曇ったり、光が乱反射したりして、ドライバーの認識力は昼間の半分以下くらいになっているのではないでしょうか。

雨の夜間は運転を避けるのが無難だと思いました。どうしても運転しなければならないときは、見にくいことを肝に銘じて、慎重のうえにも慎重に、です。

また歩行者になったときは、ドライバーに気づいてもらいやすい服装を心がけることが大事です。反射材を身に着けるのは有効ですし、白っぽい服装にすることも有効です。

夜にジョギングをしている人がランニングライトをつけて走っているのを見かけます。夜間のウォーキングや犬の散歩などでもああいうのをつけてもらいたいと思います。何より自分の身を守るためですから。
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冬至
今日は冬至。冬の真ん中です。日は徐々に長くなっていきますが、寒さが本格化するのはこれからです。Googleのロゴはなぜか昨日が冬至の表示になっていました。手元のカレンダー複数で確認しましたが、冬至は今日です。

二日間表示されるのかとおもいきや、今朝はテレサ・カレーニョというピアニストの生誕165年のものになっています。ベネズエラ出身の当時の世界的ピアニストです。ただ、録音の無い時代の人ですから、演奏は残っていません。凄かったらしいという伝説だけです。

こういう話を聞くと、アーティストが後世に伝わるかどうかは、記録する媒体の進化によるなあと感じざるをえません。音楽を記録する最初の媒体が楽譜でした。バッハもモーツァルトもそれがあればこそ名声が伝わっています。

演奏家は録音技術ができて初めて記録が残るようになりましたし、俳優のような肉体のパフォーマーは映像技術ができるまでその場限りで消える運命でした。
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枯蓮
明日は冬至。快晴で風もなく今日は暖かです。増位山の蛇ヶ池の蓮がすっかり枯れてカラカラ状態です。落葉の時期もほぼ終わりに近づき、落葉樹のほとんどは葉を落としきってしまいました。落葉樹の多い森に入ると空が透け、日差しが地上まで差し込み、明るい冬の森歩きが楽しめます。IMG_0656

聖樹
聖樹とは、クリスマスツリーを意味する季語です。クリスマスケーキは聖菓といいます。季語は十七音の中に入れるため、長い言葉を短くする工夫がなされています。

先日、従兄の家に行ったら、亡くなった叔母が作ったという籐細工のクリスマスツリーが玄関に飾られていました。叔母は多趣味な人でしたが、籐細工をやっていたとは知りませんでした。これを見ただけで、叔母とお嫁さんは仲が良かったし、従兄とお嫁さんも仲良しなんだな、と思いました。

何年も前に亡くなった姑の作ったものをその季節にきちんと出して飾ってくださるお嫁さんなんて、なかなかないんじゃないでしょうか。穏やかで素敵な方です。
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