優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2019年01月

日脚伸ぶ
明日から二月。暦の上の冬はあと三日です。冬は日が短い時期ですが、それも冬至までのことで、年が明けると夕暮れの時間が遅くなったのを感じます。寒は日差しが日ごと明るくなり、近づく春を実感できるときでもあります。
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寒中
増位山随願寺は天台宗の寺院です。定期的に護摩堂で護摩が焚かれ、信者のみなさんが集まっておられるのを目にします。先日もその太鼓の音が自然歩道まで聞こえてきました。

播磨には播磨天台六ヶ寺と呼ばれる寺院があります。圓教寺(えんぎょうじ、姫路市書写)、随願寺(ずいがんじ、姫路市白国)、八葉寺(はちようじ、姫路市香寺町相坂)、神積寺(じんしゃくじ、福崎町東田原)、一乗寺(いちじょうじ、加西市坂本町)、普光寺(ふこうじ、加西市河内町)です。

平安時代後期以来、播磨の国衙(こくが=国の役所)が主催する法会に参加するなど、播磨全体の安穏を祈る寺院として位置づけられていました。IMG_0950

蝋梅
ロウバイは香り高い花です。梅も香りますが、ロウバイの香りはもっと強くはっきりとしており、香りでどこかにロウバイが咲いているのでは、と気づくことがあります。

大きさ、形ともにウメに似ているため、梅の漢字があてられていますが、ロウバイ科でバラ科のウメとは異なります。花びらは半透明で蝋細工を思わせます。原産地は中国中部、江戸時代に日本へ渡来しました。IMG_0913

水仙
手水鉢の隣には枝垂れ桜が植えられており、その周りで水仙が咲いています。随願寺の境内では季節ごとの花が楽しめます。水仙のうちには、茎が折れて地面に倒れているものもありました。IMG_0953




寒椿
快晴で暖かな日です。増位山の頂から見る周囲の景色は、暖かさゆえに霞みがかかり、六甲山も淡路島もほとんど見えませんでした。梅林を見た後、本堂前にも行ってみました。

手水鉢の龍の横に花をつけたヤブツバキの枝が添えられていました。境内では梅だけでなく、ヤブツバキも次々開き始めています。椿は春の季語ですが、冬に咲くものもあり、「寒椿」「冬椿」として詠まれます。IMG_0951



兵庫県南部で生まれ育ったので、冬は晴れているのが通常感覚です。子どものころ、本で雪国の生活を知り、二階から出入りするという話にエキゾチックなものを感じました。しかし、住むにはいろいろ大変だろうと想像できます。道が乾いていて、雪かきの必要も無く、日差しが降り注ぐ冬、それが私の冬です。IMG_0896


寒肥
寒中に樹木や田畑などに肥料を施すことを寒肥といいます。寒中でなければ効果がでないとか。増位山梅林の梅の木の周りにも牛肥が丸くまかれていました。2年ほど前からこまめに枝が剪定されたり、肥料がまかれるのを目にするようになりました。ボランティアの方が手入れなさっているようです。IMG_0936

春待つ
曇りや雪の日が続きましたが、今日はよく晴れています。落葉樹はいま枝だけですが、花や葉の準備はすべて整っており、あとは時期がくるのを待つだけです。IMG_0898

寒の梅
増位山ドライブウェイ沿いの梅はかなり開いてきました。山上にある梅林がぽつぽつと開いていくのに対し、こちらは一気に開いて、すでに何本かの木は五分咲きくらいになっています。日当たりがいいところ、とくに朝日があたるところは花の咲き方も木の育ち方もいいようです。IMG_0868
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池涸る
冬は日本海側で降水量が増えます。しかし、大半が雪となって積もるため、川や池には流れ込まず、水量が減ります。太平洋側や瀬戸内海沿岸では、晴天が続くためこちらも水量が減ります。

増位山の蛇ヶ池でも水量が減り、わずかに残った水に枯れた蓮の葉が並んでいます。日本海側に降る雪は天然のダムといってよく、雪解けの時期になると少しずつ水になって田畑を潤します。IMG_0903


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