優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2019年05月

山若葉
箱根登山鉄道の見どころのひとつがスイッチバックでしょう。急勾配を走行するため、電車は前後の向きを交互に変えてZ字形に上り下りします。強羅駅と箱根湯本駅間に、上大平台信号場、大平台駅、出山信号場の三か所のスイッチバックがあります。IMG_2864
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夏めく
強羅からは箱根登山鉄道で箱根湯本まで行きました。箱根登山鉄道は1919年(大正8)に開通した日本では唯一の本格山岳鉄道です。今年が開業100周年。IMG_2863
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スイスのレーティッシュ鉄道(サンモリッツやダヴォスを走る)と姉妹提携しており、その看板が掲げられていました。私が乗った1000形の車両はそれにちなんで「ベルニナ号」との愛称で呼ばれています。レールの磨耗を防ぐため車輪とレールの間に水を撒きながら、急勾配のカーブを走って行きます。IMG_2867
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新緑
早雲山から強羅までは箱根登山ケーブルカーに乗りました。ケーブルカーとは、山岳の急斜面などを、鋼索(ケーブル)が繋がれた車両を巻上機等で巻き上げて運転する鉄道です。現在、日本には鉄道事業法によるケーブルカーが22路線あり、そのうちほぼ半数近い10路線が近畿地方にあります。行き違い地点の線路の形、車両が行き違う瞬間は楽しいものです。IMG_2854
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天清和
黒たまごは名前どおり真っ黒な外観です。これは、生卵を温泉池でゆでると気孔の多い殻に温泉成分の鉄が付着し、ここに硫化水素が反応して硫化鉄(黒色)になるためです。硫化鉄がついているのは殻だけですから、殻をむくと普通の卵の白身が現れます。黒と白のコントラストがインパクト大です。IMG_2849

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聖五月
大涌谷は箱根火山の火山性地すべりによってできた崩壊地形です。箱根火山の中央火口丘である冠ヶ岳の標高800mから1000mの北側斜面にあり、現在も活発に噴気をあげています。IMG_2848
ロープウェイを下りると標高と風の影響で寒く、荒涼とした噴気地帯を眺めた後、早々に名物の黒たまごを食べるために大涌谷黒たまご館へ向かいました。IMG_2851


若葉
二日目の観光は箱根ロープウェイで大涌谷まで行くことから始まりました。定期点検整備工事のため、5月10日から大涌谷駅と早雲山駅の間は代行バスでした。IMG_2841
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このすぐ後、5月19日に気象庁から大涌谷周辺への火口周辺警報が発表され、噴火警戒レベルが1から2に引き上げられました。大涌谷周辺への立ち入りが規制され箱根ロープウェイは全面的に運休しています。IMG_2843
ロープウェイから眺める景色が楽しめないというのは、箱根を訪れる人にとって残念なことだろうと思います。規制がいつ解除されるか見通しもたたないでしょうから、観光関連業者の方々にも痛手でしょう。IMG_2844


若葉
箱根に来た目的の最大のものが箱根吟遊でゆっくりすることでした。箱根の山々の眺め、谷から聞こえてくる早川の流れの音、調度品の数々などを満喫しつつ最大限に時間を使いました。担当してくださった女性の細やかなサービスぶりも印象に残りました。IMG_2829
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宿を出る前の清算の担当をしてくださったのは、スリランカ出身の女性でした。着物をきちんと着て、丁寧な日本語の応対でした。先日スリランカであった大規模な爆破テロのことを思い出しました。スリランカは評判のいい旅行先だけに胸が痛みます。IMG_2830

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窓若葉
朝風呂の後は朝食です。大きな窓から箱根連山の新緑が眺められる部屋で豪華な朝ごはんをいただきました。朝からお料理がずらりと出てきますが、美味しいのですべて胃袋に快調におさまっていきます。IMG_2828
サービスは和風の旅館のスタイルですが、建物や調度はバリ風とでもいえばいいのか、アジアのリゾートを思わせるデザインで統一されています。それが新鮮な雰囲気で、贅沢な空間を演出しています。IMG_2823

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五月
夜の間に雨はあがり、翌朝は快晴でした。朝はまず大浴場へ。昨日とは異なるお風呂で、露天風呂は湯舟から谷に向かってお湯が流れ出していくようなつくりでした。解放感にあふれ、快復したお天気も手伝って爽快です。
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部屋の露天風呂にも入りました。箱根連山を見渡しながら大型の樽のような浴槽につかり、健気にお湯を吐き出す鯉を相棒にひとりのんびりお湯を楽しむのは最高の贅沢です。早川のせせらぎの音、野鳥の声も聞こえてきます。IMG_2815
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熱帯魚
夕食の後、最上階のラウンジ「吟遊詩人」でシャンパンを飲みました。テーブルには熱帯魚の水槽があり、それを眺めながらのんびりゆったりです。寄木細工のおもちゃも凝っていて、恐竜やマンモスが傾斜をコトコトと歩いてくれます。何度も歩かせてしまいました。IMG_2813
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