優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2020年09月

秋の棚田
橘寺を後にして、棚田の景観で知られる稲淵へ向かいました。坂道がありますが、ここは電動アシスト自転車の威力で軽く乗り切れます。

例年ならこの時期は棚田の畔一面に彼岸花が咲いて見事です。しかし、今年は暑さのピークが後ろにずれたせいか、彼岸花はまだちらほらとしか咲いていませんでした。

それでも棚田の景色は見ごたえがあります。田植え機を使えないので今も手植えで山の斜面に細やかに植えられた田の様子は、日本の原風景という気がします。
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秋彼岸
橘寺往生院の格天井には著名な画家によって描かれた華の天井画が260点奉納されています。春と秋の特別公開時期にあたり、これらをゆっくり見ることができました。描かれている花の名前を言い合って、ひととき遊びました。
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紫式部の実
橘寺往生院は阿弥陀三尊を本尊とし、聖徳太子の念仏精神を今日に生かすための念仏写経研修道場として平成9年(1997)に再建されました。その前には紫式部が植えられていて、小さな紫の実が陽の中で揺れていました。
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秋の彼岸入り
19日は彼岸の入りでした。彼岸は春と秋の二度ありますので、俳句では秋の方に秋とつけて区別しています。橘寺の太子殿の左横に、二面石と呼ばれる飛鳥時代の石造物があります。人の心の善悪二相を表したものといわれ、向かって左が悪、右が善です。すぐ後ろにまだサルスベリが赤い花をつけていました。
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芙蓉
橘寺の由来には、日本書紀に次のような記述があります。第11代の垂仁天皇の時、田道間守(たじまもり)が勅命を受けてトコヨの国に不老長寿の薬を求めに行きました。長い歳月をかけてようやく秘薬を持ち帰ったところ、天皇はすでに亡くなっていました。

このとき、彼が持ち帰った実をトキジクノカグノコノミといい、これを当地に蒔いたところ、やがて橘(ミカンの原種)が芽を出しました。以来、この地を橘と呼ぶようになったということです。また、彼は黒砂糖も持ち帰り橘とともに薬として用いました。

この縁から彼は蜜柑、薬、菓子の祖神として崇められるようになりました。菓子屋に橘屋の屋号が多く用いられるのはこの縁だということです。
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稲田
亀石から東へすぐのところに橘寺があります。聖徳太子は574年にここで誕生したとされています。太子は深く仏法に帰依し、606年推古天皇の命により、父である用明天皇の別宮を改造してここに橘樹寺を造ります。

当初は東西870m、南北650mの地に金堂、講堂、五重塔など66棟の堂宇が建ち並んでいました。1506年、室町幕府管領細川政元の家臣赤沢朝経の多武峰妙楽寺攻めの際に寺僧が赤沢軍に与し、多武峰の衆徒から全山焼き討ちにあって、衰退していきました。現在の本堂は江戸時代末期の1864年に再建されたものです。
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彼岸花
天武・持統天皇陵の次は亀石に行きました。明日香村に多数残っている謎めいた巨石のひとつで、長さ3.6m、幅2.1m、高さ1.8mの巨石の下端部に動物の顔のようなものが彫られており、亀に似ているので亀石と呼ばれています。

亀石の隣にあった販売所でブドウを買いました。明日香村はブドウの産地でもあるようです。電動アシストサイクルは、漕ぎだしがあまりにスムーズで通常の自転車の感覚とは違い慣れが必要です。普通の自転車と同じように力強く漕ぎだすと勢いがつきすぎます。何気なくすっと乗り始めるのがコツです。
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秋高し
今日は山登り仲間で明日香村へサイクリングに行ってきました。飛鳥駅前で電動アシストのレンタサイクルを借りて回りました。電動アシスト自転車に乗ったのは初めてで、坂道でのあまりの軽快さに驚きました。

これまでランドナーやMTBで何度も自転車旅行をしてきましたが、これから自転車旅行するなら電動アシスト自転車だなあと思いました。とにかく楽で、坂道が坂道ではなくなります。最初に立ち寄ったのが天武・持統天皇陵でした。小高い丘の上の御陵で、そこから明日香村の景色が望めました。
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稲田
家の近くにはJR播但線が走っています。単線で小豆色の車両を二つつないだ電車が走っていきます。市川の右岸に沿って寺前から姫路までは電化されています。このあたりでは増位山と田んぼの間を走り、ここを過ぎると姫路の中心部へと入っていき、車窓から姫路城が見えてきます。
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稲刈機
昨日は午後から少し雨が降りました。朝、ベランダで洗濯ものを干していると、近所の農家の方が稲刈機を動かしている音が聞こえてきました。雨が降ってこないうちに稲刈りを終えてしまおうということだったのでしょう。少しずつ刈田が増えていきます。
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