優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2021年10月

秋茄子
ナスは基本的には夏野菜です。原産地はインド東部といわれ、癖のない味わいで世界中に出回っています。日本には7,8世紀ごろに中国から伝わり奈良時代から食されていました。栽培の歴史が長いため日本だけでも70種以上の品種があります。丸ナスは皮が硬めで荷崩れしにくいのが特徴で関西ではよく栽培されています。
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ヒヨドリが熟れた柿を求めてあちこちの木に出没しています。波型を描いて飛び、スズメやカラスと並んで都市部でも田舎でも見られるありふれた鳥です。ただ、分布はほぼ日本周辺に限られ、日本を訪れる外国人バードウォッチャーには必見の鳥だそうです。
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紅葉
鉢植えのコキアを庭に置いておられる家があります。和名では箒木といいそのまま箒になりそうな形をしています。大きな公園でたくさん植えられて見事な景観をつくっているところもありますが、こういうこじんまりとした紅葉もいいものです。
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晩秋
一日にして季節が変わることがあります。昨日はそういう日でした。夜の間に雨が降り朝にその雲が晴れて風が出てきたと思ったら、急激に気温が下がって行きました。北海道では平野部でも雪が降ったところがありました。

10月23日が二十四節気の霜降、11月7日は立冬です。これまでが暖か過ぎました。冬物と夏物をいれかえました。ここまで半袖で過ごしていました。扇風機も片付けていませんでした。今年は扇風機を片付けると同時にストーブを出すことになりそうです。
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コスモス
昨夜から久しぶりに雨になりました。昨朝はまだよく晴れていて近所を散歩しました。芙蓉がどうやら長い花期を終えたようです。気がつけば夜の虫の声もほとんど聞こえなくなっています。秋が深まっているのだと感じました。コスモスはあともう少し楽しめそうです。
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からすうり
カラスウリが熟れています。つる性で他の草木にからみついて育ち夏には夜に開く白い五弁の花を咲かせます。花は縁が無数の細いひも状になった独特の形をしています。晩秋に鮮やかな朱色の楕円形の実が生り、枯れ始めた山野のなかでよく目立ちます。
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鵙猛る
秋が深まってくるとモズの高鳴きが聞こえるようになります。これはモズ同士の縄張り争いです。縄張りを確保した個体は単独で越冬し、2月から8月にかけてそこで繁殖をおこないます。冬を前に生き残りをかけいい縄張りを確保しようと必死の叫びがあの高鳴きです。
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鶏頭
古くからある集落を散歩しているとお寺があります。境内に入ってみると鶏頭が並んで咲いていました。その奥に墓地があります。墓地の一番前にあるのは戦没者の墓です。墓石の形が独特の四角柱なのですぐにわかります。

記されている文字を読んでみました。いずれも二十代で南の島や中国大陸で亡くなっています。すでに70年以上はたっていますから、手入れがされず朽ちそうになっているものもありました。
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豊の秋
今年の秋祭りもコロナ禍の影響で祭り行事の規模を縮小したところが多かったです。緊急事態宣言は解除になりましたが生活が元通りになるのにはまだ時間がかかります。そもそも完全には元に戻らないとも考えられます。そのような中でも稲は稔り柿は赤く熟れ自然の大きな時間は変わらず流れています。
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蔦紅葉
散歩をしていると意外なほど廃屋に出会います。空き家問題が深刻だと耳にしてはいました。田畑が造成地に変わり新しい家がつぎつぎ建てられている一方で見捨てられ朽ち果てている家屋がいくつもあるとは皮肉です。

空き家になって早い時期ならば手入れをしてまた家屋を使えるようになりますが、植物が中に入り込んでくる段階にまで達すると建物の保存は難しいようです。廃屋になっているのは車で入るのが難しいような細い路地の奥にある家が多いです。
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