優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2022年05月

若楓
弁天崎源泉公園から通りを少し行くと和倉温泉総湯があります。老舗旅館のような立派な暖簾がかかっている日帰り入浴施設です。前庭の端に足湯があり、ご近所の方が足を浸けておられました。ゴールデンウィーク中はにぎやかだったでしょうが、今は静かです。
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あやめ
和倉港から温泉街に戻るすぐのところに弁天崎源泉公園があります。和倉温泉の歴史を示すさまざまな石碑の中で最大かつ絵入りの「パーシバル・ローウェルが来た頃の和倉温泉」が目を引きました。彼は冥王星の発見者です。明治期の日本を5回訪れ和倉温泉にも足を伸ばしていたのです。

源泉公園という名の通り、和倉温泉全体に湯を送っている設備らしいものを目にしました。湯を利用してベンチを温めたあったかベンチや足湯ならぬ手湯がありました。まだヒラドツツジがきれいに咲いており、姫路よりやや季節の進みは遅いようです。アヤメも咲きそろっていました。
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夏浅し
能登海舟のすぐそばに和倉港があります。漁港ではなく、かつて和倉温泉への湯治客や観光客を輸送する定期船が就航していたようです。今は湾内クルージング船が発着したり、プレジャーボートの係留場になっています。温泉客が散歩するにはもってこいの場所です。
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初夏
能登島は和倉温泉の正面に湾を塞ぐように横たわる島です。面積は46.53㎢、大きさでは日本の島の中で40位になります。この島の存在もあってか、和倉温泉前の海は波静かで穏やかです。

本土とは1982年に能登島大橋、1999年にツインブリッジのとで結ばれています。能登島大橋はプレストレスト・コンクリート橋で橋長1,050m、石川県最長の橋です。ツインブリッジのとは斜張橋で橋長620mです。
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夏始め
家では朝食を食べません。16時間断食をしているからです。しかし、こういう時は当然食べます。席は夕食と同じところで、七尾湾の穏やかな海をながめつついただきました。能登の旬の海と山の幸を使った和朝食。その豪華さにびっくりしました。
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夏きざす
檜造りの木乃音の壁には白鷺を描いた木製のクラフトが飾られています。和倉温泉の歴史は古く、大同年間(806-810)に薬師嶽の西側(現在の湯の谷)で温泉が湧き出しました。しかし、250年後の永承年間(1046-1053)に地殻変動が起こり湧口が沖合60mに移動して湯の谷の温泉は枯れてしまいました。

ところがある日、漁師夫婦が傷ついた白鷺が海に身体を浸しているのを見て不思議に思い、近づいて手を入れたところ、温泉だとわかりました。これが現在の和倉温泉です。その伝説に沿ってこの宿では調度品に白鷺のモチーフが使われています。
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夏の朝
能登海舟には二種類の大湯処のほかに貸切の三種類の露天風呂があります。岩風呂の石乃音、赤い陶器製の土乃音、檜造りの木乃音です。朝早く起きてこれらの露天風呂に順番に入りました。

部屋の檜の露天風呂にも入りました。二種類の大湯処にも入りました。どこもすべてそこならではの趣向がこらされていて満喫しました。昨夜は湯上り処でアイスキャンデーと夜鳴き蕎麦もいただき、これも当然のように美味しかったです。
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夏の海
先付けの雲丹豆腐から始まり、前菜、椀盛り、造里と進みました。美味しくて、ただ美味しい、美味しいとしか言えません。中でも最高に美味しかったのが台の物として出てきた「のどぐろと活鮑しゃぶしゃぶ」でした。

のどぐろの正式名称はアカムツといいます。高級魚として知られ、石川県は代表的な産地のひとつです。焼き盛りで出てきた「のどぐろのいしる焼」も素晴らしく、のどぐろを堪能しました。
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夏の夕
夕食は三階の食事処「能登囃子」でいただきました。海に面した席から海を眺めつつ食べられます。予約は17時30分で、まだ外は明るく前面に広がる七尾湾と能登島の景色を楽しめました。秋冬なら能登島の灯りや漁火が見えるでしょう。

夕食にアルコール飲料は飲まないことにしていたら、きれいな青色をしたノンアルコールカクテルを出していただきました。
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初夏
金沢から和倉温泉まで能登かがり火5号でほぼ1時間でした。宿は「白鷺の湯 能登海舟」です。2021年3月に開業したばかりの新しい施設で、各部屋に七尾湾を望む露天風呂がついています。

全館が畳風の床になっていてスリッパを履く必要がありません。部屋はベッドで旅館とホテルのいいとこどりをしたようなつくりに感心しました。部屋からは右手に能登島大橋が、左手にツインブリッジのとが見えます。
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