優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2022年11月

冬の朝
復元された弥生の住まいを順番に見ていると、一軒の家の煙出しから煙が出ているのに気づきました。回り込んでみると「防虫のため煙で燻しています」と張り紙があります。中に係員がおられて、お話をきくことができました。

ここに使われている葦は加古大池で採れたもので、公園内で乾燥させ使っているそうです。実際の弥生時代の住居がどのようなものだったかは基礎の部分しか残っておらず、上の部分は想像に基づいているとのことです。腐ってしまいますから無理もありません。

近隣から採れる材料で風雨を防ぎ眠ったり煮炊きできるような構造となると自然にこういう形の住居になるのだと思います。この住居は葦が見事に整えられており、これは茅葺職人が作られたものだとか。
DSCN6272

楢落葉
大中遺跡公園内にはコナラ、クヌギ、ケヤキなど遺跡から発掘された史料をもとに当時生えていたと思われる樹木が植えられています。この日は暖い日でしたが、時おり凩の前触れのような風が吹き色づいた木の葉を散らしていました。
DSCN6265


冬はじめ
復元された弥生遺跡の住居に入ってみました。葦で葺かれており入口は背をかがめてようやく入れるくらいです。中には柱が二本立っており、奥に炉が切ってあります。家族数人で暮らしたのでしょうか。以前アフリカへ行ったときに訪れたマサイ族の住居を連想しました。
DSCN6271


冬晴
大中遺跡公園には弥生時代の住居が再現されています。国指定の遺跡としては弥生時代後期のものですが、出土品には旧石器時代のものもあります。ここは温暖で海に近く住みやすい場所だったと考えられます。旧石器時代にはナウマンゾウやオオツノジカなども生息しており、それを狩っていたようです。
DSCN6275


ねずみもちの実
大中遺跡公園には弥生時代にそこにあったと思われる植物が植えられています。ネズミモチはモクセイ科の常緑低木で、関東以西の暖かな山地に自生します。実は漢方ではジョテイシと呼び、滋養強壮、利尿、緩下として利用されてきました。

また、実とは別に葉には抗菌作用が、樹皮は解熱剤、根も咳嗽治療として使われるという多くの薬理作用を持っており、弥生時代の人々もこれをさまざまに使ったことでしょう。
DSCN6268


冬の晴れ
兵庫県立考古博物館のすぐ隣に有料駐車場(300円)があり、そこまで車で行きました。駐車場からは狐狸ヶ池の上にかかる木橋を渡って博物館に入る構造になっています。

2007年に開館。古代物見櫓を模した展望台があり、青空にそれが映えていました。外観はコンクリート打ちっぱなしの安藤忠雄建築を思わせます。設計は昭和設計です。
DSCN6262



冬晴
播磨町にある国指定史跡「大中遺跡」に行ってきました。大中遺跡は昭和37年(1962)に3人の中学生によって発見された弥生時代後期(約1800年前)の遺跡です。甲子園球場よりも広い面積の公園内にその時代の住居や当時生えていた植物も復元されています。

すぐ隣に兵庫県立考古博物館と播磨町郷土資料館があり、この日も数人の人達が住居跡で住居の復元作業を行っていました。
DSCN6266


残る紅葉
朝、出かけようとしていらた駐車場のそばのソメイヨシノにエナガが数羽来て飛び回っていました。冬になるとこうした群れで飛び回るエナガをよく見かけます。身体に比べて尾が長く、小さく丸い身体で、ジュリジュリと聞こえる地鳴きを繰り返します。
IMG_5662


このページのトップヘ