優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2023年04月

花水木
桜のシーズンが過ぎると街角や住宅地の庭を明るく彩るのがハナミズキです。北アメリカ原産で、1912年に日本からワシントンD.C.へサクラを贈った返礼として贈られました。白とピンクの花が咲き、街路樹では交互に植えられていたりします。

日本のヤマボウシと近縁であることから、アメリカヤマボウシとも呼ばれます。今ごろは新興住宅地の庭で咲いているのをよく見かけます。晩春の明るい日差しによく似合う花で、この明るさが好まれるのでしょう。
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腰赤燕
アパートの壁にコシアカツバメが巣作り中です。何年か前に別のつがいが作っただけで使わず、残骸となっていたものの上に作り直しています。コシアカツバメはツバメよりひと月ほど遅い四月下旬にやってきます。飛ぶと腰の部分のレンガ色がよく目立ちます。

巣は入口が狭いとっくりを縦割りにしたような形をしています。巣の材料の泥は周辺で採取し、自分の唾液と混ぜて器用に巣を作っていきます。できていくのを見ていると、遺伝子のなせるわざとはいえ、見事なものだと感心します。
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花豌豆
エンドウの花が咲いています。エンドウはメソポタミアが起源とされており、地中海沿岸で古くから栽培されていました。日本には9〜10世紀に遣唐使によってもたらされました。

本格的な栽培が始まったのは明治以降で、欧米からさまざまな品種が入り、全国各地で生産されるようになりました。エンドウの食べ方は多様です。

完熟した豆を乾燥豆として用いるほか、完熟前の豆を莢からむいて食べるグリーンピース、それを莢のまま食べるスナップエンドウ、新芽を食べる豆苗です。現在、乾燥豆のほとんどはカナダ、イギリス、中国などからの輸入品です。
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牡丹
近所では年々水田や畑が埋め立てられて新しい家が建っています。このあたりの人口増加率は顕著です。駅の近くの畑は駐車場に変わりました。まだちらほら田畑が残っていますが、これらが宅地に変わるのも時間の問題でしょう。

そんな風に増えた住宅地の中を散歩していたら、薄いピンクのボタンを咲かせておられるお宅がありました。ボタンの原産地は中国北部、日本には7〜8世紀ごろに薬用として伝わり、やがて花の美しさを鑑賞されるようになっていきました。
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春の旅
観光で福岡へ来たものとして不思議に思うのは、福岡市の中心駅の名前がなぜ福岡ではなく博多なのか、ということです。

52万石の城下町福岡と商人の町博多が明治時代に合併し、そのときの市議会で僅差で市の名前が福岡に決まったとか。代わりに当時開通したばかりの駅の名前に「博多」がつけられました。その流れで新幹線の駅にも博多が採用され現在に至っています。

JR博多シティは2011年に開業。正面の断熱複層ガラスとその前の大きな丸時計が印象的な大規模駅ビルです。阪急百貨店が入っているのには関西人として親しみを覚えました。
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春の午後
展望台から東にはシーサイドももち海浜公園と防風林、福岡都市高速環状線が走っているのが見えます。樋井川を隔てたヒルトン福岡シーホークの向こうにPayPayドームの両端がのぞいています。午後3時を過ぎ、福岡タワーの先端部の影がAIビルにかかっていました。
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うららか
東に目をやると博多湾の海岸線がずっと向こうまで見えました。博多港からは多くの船が出ており、釜山に向う航路もあります。日本海は世界地図の中で見ると地中海に似たような地形で、有史以前からこの海を大勢の人が行き来してきたのでしょう。
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春の渚
「SKY View123」からは北に博多湾、南に福岡市街地を一望できます。眼下にはシーサイドももち海浜公園が広がっており、その先に見えるのはマリゾンというウェディング施設です。立地条件は最高でしょう。

遠くに霞む島影は博多湾に浮かぶ能古島です。福岡マラソンでよく耳にした海の中道も見え、その先にあるのが金印の発見で有名な志賀島です。元寇で蒙古軍が攻めてきたのもこのあたりですから、大陸との近さ、歴史上の繋がりにも想像が及びます。
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春空
最後に福岡タワーへ行きました。バス乗り場へ行ったら、平日の昼間なのに考えられないほど大勢の人が並んでいて何事かと思いました。PayPayドームへ観戦に行く人たちだったのです。まだ午後1時過ぎくらいだったので考えもつきませんでした。

福岡タワーはPayPayドームから目と鼻の先にあります。1989年に開催されたアジア太平洋博覧会にあわせて建設された電波塔です。先端までの高さは234mで、高さ123mにある3階の展望場所「SKY View123」まで高速エレベーターで直行できます。

入場チケットを買うときにモバイルSuicaが使えずびっくりしました。交通系は全国で相互乗り入れしていますから、交通系マネーがすべて使えないということです。PayPayなら使えました。系列会社なのでしょうか。
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大宰府天満宮は令和5年5月から約3年をかけて重要文化財の本殿の大修理を行います。そのための仮殿を本殿前に建設します。参拝したときは、仮殿建設中でそれを覆うボードの前で参拝するしかありませんでしたが、横に回って本殿を拝見することはできました。
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