優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2023年11月


第二次本多時代(1682-1703)に描かれた「播州姫路城図」によれば、城の東側にあたる現在の三の丸広場に「永遠の池」があり、対岸の向屋敷は詩歌や茶事など娯楽の場として用いられました。

藩主酒井忠以(1756-90)の残した『玄武日記』には、客人と池を漕ぎ渡り、お茶屋で夕茶初立を楽しんだことが記されています。「鏡花水月」では、この池を四つの巨大な水盤で再現し、そこに映る”逆さ城”の姿を楽しむことができます。
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冬の夜
「鏡花水月」は姫路城三の丸広場で開かれているライトアップイベントです。江戸時代の風景を描いた塔からサーチライトが放たれ、縁起のいい矢羽根型に配置されたイルミネーションの上には満月を思わせる大型バルーンがいくつもあがっています。
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十一月
明日から十二月です。さすがに寒くなってきました。「鏡花水月」を訪れた夜はまだ暖かく風もなく、いいときに行ったと思います。

ライトアップされた姫路城を間近で見るだけでも素晴らしい体験です。子どもの頃からずっとそこに城がありました。周りはかなり変わり、特に世界遺産になった後は周囲の整備が進みました。
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冬満月
27日は満月でした。この冬になって最初の満月です。この日は朝から曇っていてもしかしたら雨になるのではと傘を持ってきていました。しかし、夜に入ってから雲が晴れ、満月とイルミネーションを楽しみつつお城まで歩きました。
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暮早し
姫路の中心部に出てくることは滅多にありません。山陽百貨店に創立70周年との垂幕がかかっており、そんなになるのか、と驚きました。百貨店の双璧だったヤマトヤシキは閉店してしまいました。

子どもの頃、姫路の町の中心部へ連れて行ってもらうのはどきどきする経験でした。あのわくわく感はもはや経験できない遠いことです。自分が幼い子どもだったからこそ経験できた感覚なのです。
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日短か
姫路駅の周囲もイルミネーションで彩られています。今は最も夕暮れが早い時期なので、午後5時ごろともなればこれらの景観を楽しめます。

昨日も周りのベンチに座ってこれらを楽しむ人、撮影する人などが大勢いました。大混雑しているわけではなくほどよいにぎわいなのがいいところです。
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昨夜は姫路城三の丸広場でおこなわれている「鏡花水月」へ行ってきました。お城へ通じる大手前通りにもイルミネーションが施され、師走が近いと感じました。まだそれほど寒くはなく、薄手のダウンジャケットだけで十分でした。

姫路駅の前には撮影スポットがいくつかあり、外国人観光客も撮影しています。姫路はまだオーバーツーリズムというほどの観光客数ではありません。
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冬紅葉
YouTubeでは、クラシックの音楽家が日本の「流行歌」を歌っている動画をいくつも見ることができます。少し前までなら本格的に音楽の修練を積んだ歌手が「流行歌」を歌うなんて考えられなかったことですが、YouTubeが垣根を取り払ったと思います。

『ひとりじゃないの』を声楽家ののぞみさんが歌っている動画を見つけました。さすがクラシックのプロ。本家の天地真理と比較してみて、いかがでしょうか。彼女も国立音楽大学付属高校声楽科卒ですから、クラシックの基礎は学んでいます。
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銀杏落葉
天地真理と藤圭子は同い年なんですね。天地真理は51年11月5日、藤圭子は同年7月5日生まれです。藤圭子の声もYouTubeで聴いて、いいなあと思っていました。彼女たちが活躍したころは歌番組の隆盛期で、演歌もJ-POPも全部「流行歌」でした。

藤圭子の方がデビューはやや早い69年、つまり18歳になったばかりで『新宿の女』を歌ったわけです。天地真理のデビューは71年10月の『水色の恋』なので20歳直前です。二人とも歌と容姿があいまって爆発的な人気を獲得しました。

天地真理は元祖アイドルであり、後のJ-POPの源流のひとりになります。藤圭子の娘は宇多田ヒカルです。母娘そろって日本の歌謡史に大きな足跡を残す稀有な存在になりました。
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