優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2023年12月

枯田
ハイドンの作品に、リラ・オルガニザータのための5曲の協奏曲と9曲のノットゥルノがあります。リラ・オルガニザータとは、18世紀にヨーロッパで流行したハーディー・ガーディ(機械仕掛けのバイオリンのようなもの)の一種です。

ナポリ王フェルディナンド4世がこの楽器を愛し、ハイドンらに作曲を依頼したおかげでその名が伝わっているとか。楽器そのものがほぼ現存しないため、今ではそのパートをフルートなどに置き換えて演奏することがほとんどです。

2006年にリモージュ・バロック・アンサンブルがリラ・オルガニザータを使ってCD録音した『ナポリのリラ』があり、ノットゥルノ第2番はYouTubeで聴くことができます。弦楽器とフルートの間のようなのどかな音色です。
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年の瀬
ポピュラー音楽の歴史というのは、クラシック音楽とは違うと知りました。現在のポピュラー音楽は移民の国アメリカでさまざまな音楽が融合し、ミュージカル、ジャズが生まれ、レコードが発明され映画産業、ラジオが起こることによって発展していったものです。

その後、ロック、フォークソングなどどんどん多様化が進み現在へとつながっていきます。特に録音技術が発達して以後、第二次世界大戦後の流れを追いつつ代表的なミュージシャンを聴いてみようと思っています。

まず、エルヴィス・プレスリーから。デビューアルバムは『エルヴィス・プレスリー登場!』(56)。70年近く前の録音です。彼の声の質はやはりいいなあと思いました。
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煤払
新年を迎えるために家の内外を清掃する習慣を「煤払」といいます。私は煤払を近頃はあえてしていません。ここ10年ほど、ものをできるだけ少なくすることを心がけ、普段から使わないものはすぐに捨てるようにしています。

そのため、大掛かりに掃除をしなければならない場所もなくなっています。それに、大規模に掃除をするならもっと過ごしやすい時季の方がいいです。年末のような寒波が来るときではなく、初夏か晩秋あたりが適当ではないでしょうか。
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冬菜
ローランド・バティックの弾く『ハイドン:ピアノソナタ・全集9巻』をようやくひととおり聴き終わりました。自分の好みがわかってきたので、そこを中心に聴いていこうと思っています。オペラや声楽は今のところ棚上げにします。

時代区分的には、古典派(ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど)の器楽曲を中心に聴くつもりです。古典派は旋律が美しく明るい音楽が多いので好みです。

バロック(ヘンデル、バッハなど)もいい。絶対主義の時代とほぼ同じころ、クラシック音楽は教会と貴族のものだった時代です。300年後に日本の狭い部屋で聴かれる時代がこようとは、彼らは想像もしていなかったでしょう。
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山眠る
年の瀬、山の落葉は終わりました。近くの山の稜線に立つ落葉樹が枝ばかりになって稜線に並んでいます。冬の山は「眠り」ます。雪山ならさらにその印象は強いでしょうが、暖かい姫路でも落葉が終わってしまえば色彩が失せて山は眠ります。
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裸木
兵庫県は冬になると日本海側と瀬戸内海側でくっきりと天候が違います。寒波がくると日本海側は大雪となり、瀬戸内海側は晴れます。シベリアから吹き出す寒気は、中国山地にぶつかり、含んでいた湿気を雪に変え、身軽になって山を越えます。

先週の日曜は冷え込みましたが、雪がちらりと舞っただけであとは晴れの日が続いています。日本海側はホワイトクリスマスだったようです。
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数え日
もう来週は新しい年です。一年の残りの日数が指折り数えられるようになったころを数え日といいます。どの日も同じ変わらない一日のはずですが、このころになると一年をの終わりを思い、それぞれ感じるところがあるものです。

今年新しく出会ったもの、再会したもの、別れたものなど、長いようで短く、短いようでそれなりにいろいろあった一年を振り返ります。
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クリスマス
日曜日も「CAROHIMEPARK」へ立寄りました。公園の中央に登れる丘のような場所があります。下は空洞でぐるりと半円状に木製ベンチが据え付けられています。子どもたちが代わる代わるあがっており、私も登ってみました。

役所の規定で作られる公園とは一味違うと歩きながら感じました。決まりきった遊具はなく、子どもが自由に走り回れますし、大人も散策できます。地元の人、特に子どもたちに車に親しんでもらうにはこういう場所を設けるのがいいのかもしれません。
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葉牡丹
散歩していると、玄関先の小さなハボタンの鉢にサンタクロースの飾りをつけておられるお宅がありました。明日になればサンタクロースに休暇を出し、お正月らしい飾りつけをして新年を迎える準備が整います。

日本のこの時期は11月になればクリスマス飾りが出て街を彩り、25日が過ぎると一転して迎春のものへと変わるのが楽しいです。
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降誕祭
教会のそばにイエス降誕の場面を象った人形が飾られていました。その前に子どもたちとご家族が集まってにぎやかに笑いあっています。邪魔にならないよう後ろを通り過ぎようとしたら「写真をお願いできますか」と声をかけられました。

20人ぐらいのグループで、イエス降誕の場面といっしょに記念撮影です。「はい、チーズ」とスマホのシャッターボタンを押しました。これからクリスマスイブの楽しい催しがあるのでしょう。こちらも幸せな気分になりました。
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