優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2024年09月

稲田
藤ノ木山自然公園は加西市、神崎郡福崎町と境を接しています。登山道を登って行くとすぐに稜線に出て周囲の田畑を見渡せるようになりました。このあたりは六甲山からなだらかに続く低山が連なっており、その麓に田園地帯が広がります。

この地形と阪神間という人口密集地が身近にあることから、兵庫県はゴルフ場数が167件で、北海道、千葉県についで全国3位と多く、この稜線からもすぐ北に白鷺ゴルフクラブが見えます。その先には笠形山(939.4m)の姿が望めました。
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朴落葉
登山口に向かう途中にホオノキがあり、まわりには草履ほどもある朴落葉が多数散っていました。日本に自生する樹木の中では最大級の葉で、芳香があり殺菌抗菌作用も持つことから、食材を包んで朴葉寿司などに用いられました。

木材は柔らかく加工がしやすく、耐久性は低いものの均一で狂いが少ないことから版木、寄木細工、刀の鞘、下駄、木琴、野球のノック用バットなどに使われています。住友林業と京都大学が共同で開発した「木造人工衛星」という最先端分野にも活用されています。
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萩の花
藤ノ木山自然公園まで車で行きました。姫路市の小学校が自然学校で使うためのキャンプ施設が整えられています。駐車場は広く、数十台の車が停められそうです。施設の中心に藤ノ木山(269m)があり、その周回コースを歩きました。

道標に沿って藤ノ木山登山口に向かいます。駐車場を出るとハギが咲いていました。このあたりの増位山、書写山などと地質、植生などそっくりです。自然歩道は階段状に整備されてはいますが、滑りやすいところもあり注意しつつ登っていきました。
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鵙鳴く
朝からモズの高鳴きが響いています。今日は姫路市の藤ノ木山へハイキングに行きます。薄曇りです。晴天で日差しがあるとまだ暑いので、ハイキングには丁度いい感じです。

月に一度仲間でハイキングをしていますが、この二か月間は連続で雨になり、その前も最後で雷雨に見舞われるという雨続きでした。偶然暑い時季が雨になり、これはこれで良かったのかもしれません。何事も終わりよければすべてよしです。
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柿の秋
カキが熟れてきました。カキは学術上はカキノキといい、揚子江沿岸部の原産で奈良時代に伝来したことがわかっています。日本で果樹として改良され、多くの品種があります。

熟れたカキを目ざとく見つけて来ているのはヒヨドリです。日本ではありふれた野鳥ですが、世界的には日本とその周辺のごく狭い場所にしか生息していない珍しい鳥です。
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秋の蝶
今日は曇り空で涼しいです。昨日は晴天で5階の窓からふと下を見ると、アゲハが花壇に植えられているオシロイバナなどの周辺を吸蜜しながらひらひらと飛んでいました。

真上からの日差しがアゲハに当たり、蝶が移動するたびに影もついてまわっているのが見えました。当たり前といえば当たり前ですが、こうして上から見下ろさなければ見られない影とのコンビネーションです。
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宵闇
夜の散歩の途中に児童公園があります。前にブランコに乗りましたが、昨日はジャングルジムに登ってみました。登るためにバーを握って上半身を使います。こういう動きは他ではあまりしないと思います。ジムのバーを渡り歩くのでバランス感覚も使います。

サイズが幼稚園児向けくらいなため、中に入るのは難しかったですが、周りのバーを伝って歩くのもよかったです。こういう感覚は歩いているだけでは刺激されません。薄暗い中で大人がジャングルジムでごそごそしているのは怪しい光景かもしれません。

しかし、児童公園を子どもだけのものにしておくのは勿体ないと思いました。せっかく税金で設置しているのですから、大人も自分の感覚をよみがえらせるのに活用すればいい。ブランコにも乗りました。昨夜はたち漕ぎです。
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稲稔る
稲田と刈田が半々くらいになってきました。もうすぐ9月も終わりで今年はあと3か月、月が二桁に入ってくると年末年始の話が出てきます。スーパーではすでに8月ごろからおせち料理の予約のアナウンスをしています。

こういうものは年々早くなり、そのうち三が日が明けたら来年のおせちの予約を集るようになるかもしれません。今はハロウィンの飾りつけがされています。これも21世紀に入ってから盛んになったイベントで、マーケティング戦略がようやく当たった例です。

もともとここにはこれといったイベントがなく、年末年始、バレンタイン、雛祭り、卒業入学就職、こどもの日、母の日、父の日、お中元、敬老の日のあと、クリスマスまでぽっかり空いていた所をなんとか埋めたいと考えていたそうです。
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燕去る
どうやらおおかたのコシアカツバメは南へ渡ったようです。先日の台風14号崩れの低気圧からの強い風に乗って南へ去ったと思われます。朝夕電線に並んで止まっていた姿を見なくなりました。朝夕集団で飛び回っていたのは渡りに備えての行動です。

間もなく北から冬鳥がやってきます。それ以外にも留鳥であるモズが冬場の縄張り宣言をする「モズの高鳴き」が聞こえるようになりました。彼岸を境に季節が大きく動いたのを感じられます。
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秋の水
日中はまだ残暑が戻ってきたりしていますが、早朝はすっかり涼しくなりました。いつの間にか蝉の声は完全に消えています。住宅地を歩いているとまだ所々にサルスベリが見られたりします。さすがは百日紅との字の通りです。

夜明けが遅くなり早朝に歩くのもしだいに難しくなってくるでしょう。その頃になれば昼間の暑さは薄れ、その時間帯に歩いても熱中症の心配をする必要はなくなります。
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