優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2025年03月


市川の対岸にある山のヤマザクラが続々と花を開いています。今朝は山頂近くの花がかなり開いているのがわかりました。西側の増位山でもあちこちで咲き始めているのが一望できます。

本居宣長が「しきしまの大和心を人とはば朝日に匂う山桜花」と詠んだ姿そのままです。清々しく、潔く、気高い。ヤマザクラは日本に自生する野生種であり、太古の昔から日本人が峰を仰いで同じ思いを持ってきたはずです。
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染井吉野
近所の川の堤に植えられているソメイヨシノ並木の蕾が綻び始めています。桜は咲き始めると刻々と姿を変えていきます。朝昼夕で咲き方が変わっているのがはっきりわかるほどです。これが桜の魅力のひとつでしょう。

桜が咲き始める頃は春の花が一斉に咲きだす頃でもあります。花粉を媒介する虫の姿も増え、間もなく蝶も飛び交い始めます。その幼虫を獲って野鳥が雛を育てます。
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白れん
ハクモクレンはソメイヨシノよりやや早めに開花します。天をむいた大きな蕾がふくらみ真っ白な花が開いてくるときはシャンデリアが点るような豪華な美しさがあります。

花は半開状態のままで大きく開くことはありません。このまま純白の美しさがそのままであればいいのですが、花はすぐに傷つき汚れ無残な姿になって散ります。花びらのまま風の吹くままに花吹雪となる桜との違いを感じます。

花にとってはどちらがいいかなんて関係の無い話です。そもそも花を見ていろいろ考えたり想像したりしているのは人間の勝手ですから。花はただ咲いてただ散っていくだけです。
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初つばめ
ツバメがやって来ました。昨夕、散歩をしていると、もしやと思える特徴的な鳥の影が視界を横切りました。しばらく上空を見上げていましたが、確信できませんでした。

桜が咲き始める頃、ツバメは渡ってきます。しばらく歩いていると今度は数羽の影が時々羽ばたきながら特徴的な滑空を繰り返しているのが見えました。間違いない、集団で渡りをし繁殖のための地へ戻って散会するところでしょう。
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最近、電波式の置時計を買いました。10年以上前に買った同様の電波時計の動きが悪くなったからでした。この新しい時計、最初からなかなか電波を受信せず外に出て受信させました。ところが昨日突然リセットしてしまいました。

電波の再受信を試みましたがうまくいきません。クォーツ機能もついているので、それを使って時刻を合わせました。そしてクォーツで十分じゃないか、と思いました。1秒単位まで正確な時刻が必要なわけではありません。

それよりも時計が突然リセットする方が問題です。さらにリセットするたびに再度年単位から時刻をあわせなければならない。煩雑です。過剰な性能を求めて逆に不便になっている典型かもしれません。
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すみれ
散歩をしていると、住宅街の隅の壁と道路の隙間にスミレが咲いているのをみつけました。『すみれの花咲く頃』は宝塚歌劇団を代表する歌として親しまれています。1930年に宝塚少女歌劇月組の公演レビュー『パリゼット』の主題歌として作られました。

なぜこれほど親しまれているのか不思議な気がしますが、スミレの花の可憐さとしたたかなたくましさを併せ持つ性質は、確かにタカラヅカ的かもしれません。
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初ざくら
桜は古くから日本人に特別に愛されてきた花です。俳句で単に「花」といえば桜を意味します。日本に自生する野生種は九種あり、そこから数多くの園芸品種が作り出されてきました。

その代表格で現代人のお花見のイメージとして定着しているのが、幕末に登場したソメイヨシノです。それ以前のお花見といえばヤマザクラでした。ソメイヨシノはクローンなので一斉に咲きます。

ヤマザクラは木による個性があり、大木になって峰々を彩ります。これらよりもさらに早く咲く桜もあり、散歩していると満開を迎えている桜に出会いました。
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山桜
周囲の山のヤマザクラが開き始めました。二月が厳しい余寒だったのでどうなることかと思っていましたが、その時期にはやはりその花が咲きます。

昨日はしだいに天気が下り坂で夜になって雨の音がしていました。川の水が濁っていたので、夜中にはかなり降ったようです。風も吹きました。桜の時期は雨、曇り、晴れ、風と目まぐるしくお天気が変わります。

寒暖の差も激しく、ここ数日急激に暖かくなりました。前日は暖房器具のお世話になったのに、翌日は汗ばむような気温になり服装の調整が難しいです。ただ、これも桜の季節ならではの風情といえます。花と嵐の取り合わせです。
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「人間は血管とともに年を取る」と言われます。しかし、「人間は免疫とともに年を取る」というのがより正確です。がんの発症は免疫機構からの回避による問題です。

もう一方の最大死因である脳心臓血管系疾患でも免疫系が主なプレイヤーです。動脈硬化の進行には慢性炎症が深く関与しており、免疫細胞が重要な役割を果たします。免疫系の過剰な活性化は血管内皮細胞の機能を障害し、血栓形成や血管収縮を促進します。

免疫細胞の浸潤は動脈硬化プラークを不安定化させ、破裂のリスクを高めます。免疫細胞は感染症から身体を守るには欠かせない働きをしますが、中年期以降に発症が増加する疾病においては二つの顔を持っているといえます。
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花見
私たちの身体は機械のように固定したものではありません。細胞が新陳代謝を繰り返しつつ形態を維持している川の流れのようなものです。常に新しい細胞が遺伝子のコピーを繰り返しつつ入れ替わっていきます。ある程度コピーミスの発生は避けられません。

ミスを起こした細胞には自爆装置が埋め込まれています。身体に害をなさないように自ら死ぬのです。ただ、時に自爆しない細胞も現れます。これががん細胞です。しかし、簡単にはがんにはなりません。免疫細胞がそれを見つけて殺すからです。

若いころはコピーミスの発生は少なく、免疫細胞も活発に働きます。ところが、老化とともにこれらの働きがしだいにおかしくなっていきます。その結果40代に入ると急速にがんが増加し始めます。
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