優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2025年07月

のうぜん花
ノウゼンカヅラは盛夏の花です。梅雨が長引くと場違いな雰囲気になってしまうものですが、今年は異例の早い梅雨明けで早くからこの朱橙色の花が目立つようになっています。

中国原産で漢字では「凌霄花」と書きます。凌霄とは空を凌ぐという意味でこの花が高く昇っていく様子を示しています。日本には平安時代にはすでに渡来していたそうです。

花が落ちやすく、通路や玄関先にはやや不向きと言えます。最近では北米原産のアメリカノウゼンカヅラも出回っています。こちらはやや小ぶりで花期が長く性質もより強健です。
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ひまわり
ヒマワリは日本語では「太陽の方向に回る」という意味です。この花の名前は主な言語でも太陽にちなんだものになっています。大きく分けると花の形そのものか、向日性かどちらかに由来しています。

英語:Sunflower「太陽の花」、スペイン語:Girasol「太陽の方を回る」、ドイツ語:Sonnenblume「太陽の花」、ロシア語:Подсолнух(Podsolnukh)「太陽の下のもの」、
フランス語:Tournesol「太陽の方を回る」などとなっています。

中国語の向日葵(xiang ri kui)は「太陽に向かう花」という意味です。ヒマワリはキク科でアオイ科ではありませんが、古代中国では「葵」が太陽に向かう花を象徴的に示したものでした。向日葵は日本語にもなっていて漢字で書けばこのように表記します。
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蓮の花
近くの休耕田を利用して蓮が栽培されているのを見つけました。数十ものプラスチック製ポットに入った蓮が並んでおり、その間を塩ビ管がつないでいてこれで水の管理がされています。いろいろな品種が栽培されているようでした。

蓮の花を育ててどうするんだろう、まさか販売もできないだろうと思っていたら、レンコンを収穫する目的のようです。レンコンは換金作物として十分な需要があり、こういう方法をとれば栽培や収穫の労力も省力化できます。

この方法で大規模な栽培をおこなっているレンコン農家もあるそうです。ベランダや庭先で趣味として蓮を栽培することも可能でしょう。
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部屋では蚊取線香の12時間燃焼するものを使っています。それでも早朝、明るくなってから入り込んだ蚊に刺されることが何度かありました。21世紀になってから蚊の種類が変っているようです。

それまではアカイエカが主でした。アカイエカは夕方から夜間に活動し、比較的大きくプーンという独特の羽音を発します。今は外来種のヒトスジシマカが勢力範囲を広げているようです。ヒトスジシマカは一回り小さく羽音がしません。

そのため見つけにくく叩くことも難しいです。さらに昼間も活動するようです。蚊取線香を焚く時間を遅めにして夜から朝まで使うようにしました。完全に明るくなれば天敵である野鳥が活動を開始し、彼らが蚊取線香の代わりを務めてくれます。
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小暑
今日は二十四節気の小暑です。例年ならまだ梅雨が明けておらずぐずついた空模様であることが多いですが、今年はすでに梅雨明けから一週間以上が過ぎているという異常事態です。

部屋は風がよく通るので晴天の日中であっても窓を開け放っていれば快適に過ごせます。よくぞこんなところに住めたものとありがたく思います。
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七夕
七夕は今も初秋の季語として歳時記に載っていることが多いです。これは旧暦の7月7日が初秋に入るためです。今日は旧暦の6月13日。今年の旧暦の7月7日は8月29日、立秋から三週間がたち秋の気配が漂い始める頃です。

旧暦の七夕は初秋の澄んだ空を見上げるものでした。今よりも気温は低く、このころともなればはっきり秋風を感じられたことでしょう。澄んだ夜空に流れる天の川を見上げ、そこでの牽牛と織女の逢瀬を思う行事でした。

今年は異例に早い梅雨明けでしたが、例年なら梅雨の最中。暦の変化で夏と秋をまたぎ、俳句では詠みにくい行事になってしまいました。しかし、現代の私たちは新暦で生活しているのですから、歳時記もそろそろ七夕を仲夏の季語としていいと思います。
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百日草
ヒャクニチソウはキク科の一年草でメキシコ原産です。花の期間が長く6月下旬から10月上旬あたりまで咲き続けます。それが名前の由来です。暑さにも乾燥にも強いことから仏花としておなじみです。

私は2年前にMAGN(抗MAG抗体陽性ニューロパチー)という稀な免疫性の神経疾患だと診断されました。治療法は無いですが、非常にゆっくりとした進行で状態は大して変わっていません。

全国の患者数が350人ほどという希少疾患なので、専門医も先行きはわからないというのが実情です。来年同じように動けているかどうか保障の限りではないので、動けるうちにできることをやって暮らそうと思っています。
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サルビア
サルビアといえば真っ赤なものが思い浮かびます。より正確にはサルビア・スプレンデンスといい、シソ科アキギリ属の一種でブラジルが原産地です。最近では園芸品種としてさまざまな色のものが作られています。

先日散歩の途中で可愛らしい花を見つけて、調べてみたらサルビアでした。サルビア・コネクシア・コーラルニンフという品種で、白と淡いピンクの取り合わせが優しい雰囲気です。
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涼し
チェストツリーとはシソ科ハマゴウ属セイヨウニンジンボクのことです。南ヨーロッパから中央アジアにかけてが原産地で、古くから婦人病に効くハーブとして知られています。またコショウの代用としても使われます。

日本には明治時代に渡来しました。唇状の淡紫色の小さな花を夏から秋にかけて咲かせ、木が小さいうちから花をつけるので鉢花としてもよく見かけます。
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夕立
盛夏の日中に直射日光で地面が熱せられると上昇気流が発生します。これが積乱雲を作ります。雲の上層で冷やされた水蒸気は雨や氷粒になります。それらは重くなってやがて落ち始めます。

雨が雲の中の冷たい空気を巻き込みながら地表に向かって落ち、それが下降気流になります。ここには雲の上層にあった冷たい空気が含まれているため独特の冷えた風が吹きます。

夕立が来ると一気に気温が下がり短時間の強い雨が去ると、涼しい夕暮れになります。毎日夕立が来てくれれば随分しのぎやすいのですが。
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