優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2025年09月

弓張
弓張とは弦月を意味します。旧暦の7、8日ごろの上弦、22、23日ごろの下弦の月をさし、秋の季語なのは旧暦8月の名月に寄せてのことです。

昨夜は旧暦8月8日、名月の周辺の月の姿はそれぞれ季語になっています。暦の元になったのが月の満ち欠けであり、夜は今とは比較できないほど暗く、人々の月に寄せる思いは大きかったことと思います。
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燕帰る
明日から10月です。2025年も4分の3が終わりました。月が二桁になると年末のムードが漂い始めます。すでにスーパーではおせち予約の放送を9月中から始めています。

いつの間にかコシアカツバメの姿が消えていました。窓枠の下でうまく飛べずにばたばたしていたあの子も、今頃は南へ向かう群れの中で立派に飛んでいるんだろうなと想像します。
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秋祭り
姫路を中心とする兵庫県南西部一帯の播州地域は秋祭りが盛んな土地です。どこか一つの神社ではなく、この地域の大小さまざまな神社で九月後半から十月いっぱいにかけておこなわれる祭りです。

「播州の秋祭り」としてwikipediaにも記載されています。派手なのは播磨灘沿岸部の浜手です。祭りが近づくと竹の先にポンポンのようなものを挟んだ竹の棒が道路沿いにずらっと並びます。

地域ごとにこれらの色が決まっており、仕手は祭り当日に屋台の周りを囲んで勇壮さを盛り上げます。屋台を担いで差し上げる動作には危険が伴いけが人が出ることもありますが、祭り好きには血が騒ぐ時期でもあります。
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彼岸花
長引く残暑のせいで彼岸になってもヒガンバナの姿を目にしませんでした。ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で中国大陸原産です。有史以前に日本に帰化したと考えられています。

日本で繁殖しているヒガンバナは染色体の基本数が3倍ある三倍体で種子を作って繁殖することはできません。しかし、こうした植物は意外に多く、ニホンスイセン、オニユリなどがそうです。

三倍体植物がこれだけ多く、しかも結構な数で繁殖しているということは三倍体には三倍体なりの繁殖戦略があるのだと考えられます。
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秋真昼
先日、近大病院へ通院する途中の阪神電車で4,5歳くらいの男の子を見ました。出発の阪神三宮からしばらくの間は車内はよく空いていて、男の子は消防車と救急車が基になり、それがロボットにもなるというおもちゃを持っていました。

それをばらばらにしては組みあげて遊んでいます。彼の頭の中では彼だけの世界が展開していてそれに夢中になっているのがわかります。ああいう能力は子どものときならではのものです。

段ボールだろうがどんぐりだろうが子どもの想像力をまぶせば宇宙基地にも秘密の宝石にもなります。ネバーランドってここだよなあと思います。成長して思春期を迎えるとこの能力は消えてなくなります。
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夕月夜
夕月夜とは、旧暦8月2日から7、8日頃まで、弓張月といわれる上弦の月が夕暮れ時の空にある夜のことをいいます。夕暮れの残照と月の微光が入り混じって独特の風情があります。

昨日は旧暦の8月6日。薄明りの中をねぐらへ向かうカラスの群れが、鳴きかわしながら飛んでいきました。市川のすぐ東側の山に集団ねぐらがあるのです。
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赤まんま
赤まんまとは、ナデシコ目タデ科イヌタデ属のイヌタデを指します。同じ仲間にオオケタデ、オオイヌタデなどがあります。これらの赤い粒状の花を赤飯にみたてて「赤まんま」と呼びます。子どもたちがままごとで使ったりもしたようです。
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鹿鳴く
鹿が秋の季語とされているのは、秋が交尾期にあたり、雌を求めて鳴く鹿の声が哀切さを感じさせるためです。

秋は昔から「もののあはれ」を感じやすい季節であり、鹿の声はその象徴として多くの詩歌に詠まれてきました。百人一首の「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき」(猿丸太夫)はその心情を歌った代表的な和歌です。
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初鵙
キィキィキィーッと鳴く声が聞こえてきました。モズです。秋の深まりを感じさせるこの声は鵙の高鳴と呼ばれ雄雌ともにおこないます。狩猟者で昆虫、トカゲ、ネズミなどを捕食するモズの縄張り宣言です。

秋から冬にかけては単独で生活するためそれぞれの縄張りが必要です。繁殖期の春になると雄が自分の縄張りに雌を呼び寄せます。このとき単独の縄張りは繁殖縄張りへと変化します。雌の縄張りは放棄されるか統合されるかです。

ヒナが独立する夏の終わりごろから繁殖縄張りは再び単独縄張りへと変化していきます。そして秋が深まると冬を迎えるための縄張り宣言が行われます。秋に良質の縄張りを確保できた雄ほどよりよいつがい相手をみつけやすくなっています。
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青みかん
義兄は大分県の出身で実家はみかん農家です。七回忌に兄弟が実家の早生みかんを持って来てくださいました。いろいろなみかんを栽培していて季節ごとに姉のところに送られてきて、私もそのおすそ分けをいただきます。

初めて食べた時から店で買ったみかんとは味が違うと驚いたのを覚えています。新鮮で身がしまっています。
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