優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2026年04月

春昼
実家を売るために先日、業者を案内して久しぶりに実家へ行きました。リフォームしているので内装は変わっていますが、私が高校生の時に過ごしていた部屋に入りました。隣もその向こうも空き家です。人口は高校生の頃の67%ほどになっています。

家の道路を挟んだ向かい側に町役場があります。年末に役場を訪ねたとき、人口表示板を見て驚き、売る決心が固まりました。友人が町全体の昨年の出生数が20人だったと言っていたのを思い出しました。日本全体の人口減少は当分止まりません。

これは当然のことで、日本の人口は明治維新から150年で四倍になっています。今が異常なほど増えているわけで、正常値への回帰です。戦後の急激な増加があったために、歪みがより大きくなっていると考えるべきです。
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平戸つつじ
人家の庭、公園、街路でヒラドツツジが鮮やかです。半常緑低木で刈り込みに強く、花の時期には葉が見えないほどいっぱいに花をつけます。平戸の名前は古くから平戸周辺で栽培されていたことに由来します。平戸市の花です。

1712年(正徳2)に出版された『和漢三才図絵』にはすでにこの名前で紹介されています。古くから交易の中心であった平戸に多くのツツジが持ち込まれ、栽培される中で交配を繰り返し生み出されていったと考えられています。
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囀り
河川敷公園の中央に一本のセンダンの大木が残っています。洪水時の遊水地であり、周りの木が流される中で残ったものでしょう。葉のない今の時期は実がよく目立ちます。実は人や犬には有毒で摂取量が多いと命に係わる場合もあります。

ヒヨドリやムクドリが食べることがあり、この日もヒヨドリが来て高い枝の先でさかんに囀っていました。ヒヨドリは日本ではどこでも見られるありふれた種ですが、世界的には日本列島とその周辺部にしかいない珍しい鳥です。
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持ち家というものが決して「財産」ではないと意識し始めたのは、ここ数年くらいのことでした。違和感は近所に雨後の筍のように建ち続ける新築の家。その一方で、少し離れた「ニュータウン」では高齢化が進んでいます。

この背景には、日本社会の構造が大きな変革期にあり、社会はすでにそれで動いているのに、人の気持ちが追いつけていないことがあります。「家は資産だ」という人口増加時代の意識から抜けていない。

『嫁・墓・持ち家の終焉』では、それらを横断的に考察しました。人は寿命がありますが、家や土地は半永久的に次の世代に引き継がれます。人口減少時代の今、祖父母、両親にそれぞれ家があったら、ひとりの子供が二軒も三軒も家を抱えることになりかねません。
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花水木
今、空き家になった実家を売るべく動いています。売ろうと決めて三か月ですが、内見はあるものの決定とはならず、業者を変え販売価格を見直して再度販売します。想像以上の町の衰退を感じました。

実家があるのは、町役場のすぐ前、JRの駅まで徒歩10分、コンビニ、スーパーも徒歩圏内です。普通車が五台は止められる空地があり、賃貸にしていたくらいなので、すぐに住めます。それでもなかなか動かない。

『嫁・墓・持ち家の終焉』にも書きましたが、これからさらに土地の選別が進みます。人口が減り、より便利で暮らしやすいところに人が集まり、そこから漏れると、お金を出しても引き取り手がない状態になります。
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鶫帰る
ツグミは夏にシベリア中部から南部で繁殖し日本へは冬鳥として飛来します。越冬地では最初は山地の森林で群れで暮らし、その後平地に移動して分散します。河川敷公園でツグミを見かけました。そろそろ北へ戻る時期です。

とととっと歩いては立ち止まり、胸を張って何かを見るように顔をあげます。何を考えているんだろうと思います。人間が想像するようなことは恐らく何も考えていないはずですが。妙に思慮深そうに見えます。
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葱坊主
葱坊主とは、春にネギの茎の先端にできる、球状の白い蕾(花)の集まりのことです。これを坊主にみたててこう呼びます。残して種をとるためのものですが、天ぷらや和え物にして食べることもできます。

このお宅では、葱坊主たちを刈り取って生け花のように壺に生けられていました。花の観賞価値はあまりないとされていますが、屋外でこのように生けられていると、それはまたそれで面白味があります。
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春闌く
一週間後の5月5日は立夏。ヤマザクラが終わった後の山は日ごとに芽吹く広葉樹の色が変わって目まぐるしい変化です。それが少し落ち着いてくると、鮮やかな若葉の色がそろいます。思わず深呼吸したくなるようないきいきした明るさです。
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腰赤燕
4月24日にコシアカツバメがアパートの階段ホールの天井部分に巣を作り始めました。去年の秋、ここにいたつがいなのかどうかはわかりません。昨秋、去った後に巣は撤去されましたが、全く同じ位置に巣をかけ始めています。

ツバメが姿を見せたのがほぼ一か月前でした。コシアカツバメは来るのも去るのもツバメからほぼ一か月遅れです。ツバメは人家や倉庫などの一階部分に巣を作りますが、コシアカツバメはもっと高い位置で数階以上の鉄筋コンクリートに巣をかけます。
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雉鳩
散歩をしていたら、ばさばさと音がして近くの庭木のモミジに鳩が止まりました。キジバトです。鳩といえばカワラバト(ドバト)もいますが、カワラバトは外来種と考えられています。都会の公園などで群れているのはこちらです。

キジバトは在来種で、首にしま模様がある、翼がうろこっぽい、一羽かペアでいるというのが特徴です。囀りの聞きなしは伝統的に「デーデーポッポー」と表現されます。留鳥ですが春ののどかな雰囲気にあうことから、季語では春とされています。
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