歳時記を見ていると、お盆にちなむいろいろな季語が載っています。今ではほとんど見られなくなっている古い風習も載っていて、それを読むのも面白いです。たとえば生御魂(いきみたま)。

故人の魂祭りだけでなく、健在な年長の人を敬い、贈り物やご馳走をする習慣なのだそうです。これに関連して蓮の飯というものもあります。もち米で炊いたご飯を蓮の葉でくるみ、生御魂とともに食したり献じたりすることです。今でもおこなわれている所があるのかもしれませんが。

迎火(むかえび)というものも私は知りません。子どもの頃でもこれをやっていた記憶はありませんから、私が生まれ育った地域にこういう習慣はないと考えていいと思います。迎え火がありませんから、送り火もありません。

御魂は川へ送りにいくのが習慣でした。これは今でもそうであり、15日の昼頃に近所を流れる市川の河原へ行って食べ物を備えて線香をあげて読経します。茄子の馬を供える場合もありました。川に沿って暮らす民の風習として納得できるものです。
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