□◆□…優嵐歳時記(366)…□◆□

  海山を眼下に見やり鴨帰る  優嵐

秋の終わりに北から渡ってきた冬の渡り鳥の多くがそろそろ
帰り支度を始めるころです。群れがきれいな隊列を組んで
空を渡っていくさまを見ると、なんともいえない感慨が
あります。

あの独特の隊列には飛行力学にかなった理由があり、順次
群れの中で順番を入れ替えることによって体力の消耗を防いで
いるのだそうです。また、お互いが鳴きかわし、励ましあう
ことによって長旅を耐えているのだとか。

姫路の近辺にきていた鴨たちも少しずつ北へ帰り始めています。
ユーラシア大陸の奥地で繁殖し、次の秋には若鳥を連れて再び
やってきます。雁、鴨、白鳥といった冬鳥が北へ去るのと入
れ替わるように、南からは夏の渡り鳥がやってきます。あと
二週間もすれば、ツバメがさっそうと空を舞う姿が見られる
はずです。