揚羽
俳優の三浦春馬さんが自殺とのニュースには驚きました。テレビは見ませんが、今最も売れている俳優のひとりだとは知っています。ただ、だからこそ自殺に結びついたのかもしれないという気もしました。

早すぎる夜の訪れ』という自殺研究の本を読んだことがあります。著者はアメリカの自殺研究の第一人者であり、自身が双極性障害を持ち自殺未遂の経験もある臨床心理学者です。研究書として優れているだけでなく、文章が見事で今でも印象に残っています。

彼女は、優れた才能がある人の方が自殺のリスクが高い、といった意味のことを書いています。はたから見れば前途洋々、うらやまれるような境遇に見えるかもしれません。しかし、そういう人ほど心を病みやすい。世界がどう見えているかは本人にしかわかりません。

日本では15歳から39歳の死因の第一位は自殺です。結核などかつて若い年代の脅威だった感染症が影をひそめた今、若い世代の最大の脅威は心の健康になっています。
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