今朝の午前6時過ぎのころの空です。清少納言が「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少しあかりて、むらさきだちたる雲の細くたなびきたる」と『枕草子』に記した空ははこういう空だったでしょうか。

『枕草子』第一段では四季をそれぞれ「ここがよい」と切り取って見せています。いやいやあれもいいですよ、これも捨てがたい、などと未練がましいことは言わず、ただひとつに絞っているのがこの文章の魅力です。盛り込むことより捨てることの方が難しい。日本人は盛り込むより捨てることに魅力を感じ、文化の中でそれを実践してきたと感じます。
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