しぐれ雲
岩崎宏美を聴きなおしてみて、私は彼女の10代の頃の声が一番好きなんだと気づきました。『ロマンス』(当時16歳)から『あざやかな場面』(当時19歳)くらいまでの声です。

このころの彼女の、特に高音部の伸びの良さが好きです。すかーんと青空に吸い込まれていくような、硬質で混じりけのない声。圧倒的な喉の力でぐいぐい押していく、才能の爆発を聴く心地よさがあります。曲自体もこのころのものが好きです。

年齢があがるに従ってこの高音部の伸びは失われ、「表現力」でそれを補っていくようになります。ボーイソプラノがゆっくりと声変わりしていった、そんな感じでしょうか。
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