どれほどの名医も適切な薬剤、治療法が開発されなければ治療はできません。1950年代まで結核は長らく日本人の死因の第一位でした。今では結核患者を見たこともない人がほとんどでしょう。それは1964年にリファンピシンという革新的な新薬が発見されたからです。

現代医療はMRIやCTといった多数の機械を扱い江戸時代などとは比べ物にならないほど進んでいます。コレラ、天然痘などの急性感染症の制圧から始まり、大幅に平均寿命を延ばしました。日本人の平均寿命は男女とも80歳を超えています。

ただ、これは感染症で命を落とす乳幼児や結核で亡くなる青年層がほぼいなくなったからです。昔からがんはありましたが、中高年から患者が増えるがんに罹るまで生きられる人自体が限られていました。がん死が増えた原因は社会の高齢化です。
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