□◆□…優嵐歳時記(475)…□◆□

   花くちなし匂う夕べに文を出す  優嵐

クチナシはアカネ科の常緑低木です。花は最初は白色、のちに
黄色になります。クチナシの花には魅力的な甘い香りがあり、
梅雨のころ、湿気の多い夜などにはとくによく香ります。
クチナシ属は世界の熱帯や亜熱帯にかけて六十種以上があり
ますが、日本ではクチナシのみです。本州の東海地方から沖縄
で見られます。

クチナシの花は夏の季語ですが、クチナシの実は秋の季語に
なります。クチナシの語源として、熟しても実が裂けない
(口を開かない)ことから「口無し」になったという説が
あります。クチナシの実は黄色の染料になり、漢方では消炎、
解熱剤として使われます。