□◆□…優嵐歳時記(487)…□◆□

   籐寝椅子手足余れる幼き日   優嵐

子どものころ、家に籐寝椅子がありました。籐で編んだ椅子
を籐椅子といいますが、そのもっと大きなもので寝そべることが
できます。祖母が健在のころ、家では夏と冬で調度品を入れ替え
ていました。暖簾も襖も衝立もすべて冬のものから夏のものに
なります。

そのとき、籐寝椅子も出されるのでした。子どものころはこう
した季節のけじめの行事がいろいろあったなと思い出します。
エアコンなどまだなく、日常生活の工夫で涼しさを作り出して
いたのです。打ち水や風鈴も身近でした。

つい最近、ラフマのRSX WOODというリクライニングチェアを買い
ました。ラフマはもともとアウトドア用品を作るメーカーなの
ですが、ファニチャー分野でも優れた製品を多数作っています。
このリクライニングチェアもレッグレストのリフトアップとともに
背もたれが無段階でリクライニングし、素晴らしい寝心地なのです。
それでいて折りたためて重さはわずか7kgほど。

ここに寝転んで窓から入る風を受けつつ、読書を楽しむひととき
がこのところの楽しみです。子どものころの籐寝椅子の感覚を
ふと思い出しました。