□◆□…優嵐歳時記(562)…□◆□

   透明な日差しに秋思授けらる  優嵐

秋のころの物思いを「秋思(しゅうし)」といいます。
自然界のすべてのものが、稔りの時期を迎える秋、
日差しは澄んで透明になり、空は高く、大気は快く冷えて
きます。

「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」などと、何か
をするにはぴったりの気候なのですが、その一方で野山の
景色は凋落の彩りを見せ、そこはかとない物悲しさにから
れるのもこの時期です。万物の流転、月日は百代の過客、
そういうことをふとした瞬間に感じるのです。