□◆□…優嵐歳時記(584)…□◆□

   家並の影ひつじ田に長く落ち  優嵐

10月も末ともなると、さすがに稲刈りはすべて終わっています。
刈られた稲の株からその後再び青い芽が萌え出たものを「ひつじ」
といいます。そのままにしておくと、再び穂も出てきます。
しかし、しだいに秋が深まり冬になるとこれらも枯れて、田は
枯れ色一色になります。それまでの最後の残り火の青さとでも
いうべきものです。

夕暮れが随分早くなり、日の差す角度も低くなってきました。
あと二ヶ月ばかりはまだ日が短くなっていきます。午前中は青い
空ですが、午後になると曇りがちになることが多く、晩秋から
初冬の風情です。そして再び日が差すころにはもう夕日が山の端
にかかりはじめているのです。