□◆□…優嵐歳時記(606)…□◆□

   冬紅葉土塀に影を落としたる  優嵐

奈良では、法隆寺にも行きました。暖かい日でまだ残っている
紅葉に日差しがいっぱいに降り注いでいました。西円堂前から
は、吉野へ続く山なみの麓にたなびく冬霞が見渡せました。周り
の風景は変わっていますが、聖徳太子もあの山やそこにたなびく
霞をご覧になったに違いないと思うと、その地に立つことの
意味をあらためて感じました。

秘仏救世観音のご開扉時期にあたり、夢殿の奥の観音さまの
姿を見ることができました。奈良時代、飛鳥時代といった仏像
の数々を見ていると、室町や江戸といった表示を見ても、なんだか
最近のもののような気がするので不思議です。

百済観音にも会ってきました。飛鳥時代の仏像ですが、現代の
スーパーモデルといってもいいような八頭身のすらりとした
優美な仏さまです。