□◆□…優嵐歳時記(613)…□◆□

   冬の雷エントランスに反響す  優嵐

日曜日の午前中香川で「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」に行った
のですが、そこに向かっている途中から激しい雨が降りました。
建物はコンクリートのうちっぱなしで、入口の空間が大変ぜいたく
にとられています。着いたとたん、空に稲妻が走り、激しい雷鳴
が高いコンクリートの間に反響して、今までで最も迫力のある
美しい音を聞かせてくれました。

中川幸夫の「花」も雷鳴と同様にすさまじい迫力のものでした。
すべて彼が自身の作品を撮影した写真でしたが、花という言葉
から一般に想像されるような可憐で優しいなどというイメージは
全くなく、牙を剥いて襲い掛かってきそうな、動物的なエロスを
感じるものでした。いっしょに行っていた友人が「獰猛な花」と
表現しましたが、まさにそのとおりです。