□◆□…優嵐歳時記(17)…□◆□

    空気までやわらかくして猫柳  優嵐

事務所の花瓶にネコヤナギが活けられていました。ヤナギの仲間は、
まだ冬枯れが残る春浅い頃、他に先がけて花をつけます。川べりで
ビロードのような綿毛に覆われた花(花序)を開いているのは
ネコヤナギです。吹いてくる風は冷たくても、この花の周囲だけは
春の柔らかさに包まれているように見えます。

その銀鼠色の密生した毛が猫をおもわせるため、この名がついたよう
ですが、地方によっては犬とみたてたところもあり、エノコロヤナギ
との別名もあります。春を告げる花として古くから人々に親しまれて
きたのでしょう。ネコヤナギは落葉性の低木、雌雄異株でアジア北東部
に分布しています。