□◆□…優嵐歳時記(29)…□◆□

    頂上の岩に腰かけ囀りを  優嵐

鳥が繁殖期に出す特別な鳴き声を「囀り」と言います。特徴的な美しい
声で、雄が縄張り宣言と求愛をこめて歌います。春の代表的な季語と
いえます。

今日はオートバイで丹波から北摂周辺を回ってきました。途中京都府
のるり渓に立ち寄り、そこから掃雲峰(723m)に登ってみました。コナラ、
クヌギ、リョウブなどの間を縫って意外に急な斜面が続いています。
昨日の雪があちこちに残っており、頂上近くでは雪を踏みしめて登る
ことになりました。

頂上のすぐ東に天狗岩と呼ばれる巨岩があり、そこからの眺めは抜群
です。京都府北部から滋賀、福井へと続く山なみが見渡せました。今日
はこのあたりもうっすらと雪化粧ですが、北陸へと続いていく山は
まだ深い雪の中です。すぐ前にアカマツの群落があり、その中で早くも
いくつかの野鳥が囀っていました。澄んだ鳴き声が空へ響いていきます。
それを聞きながら、明るい日差しの中で遠い雪山を眺める…。こういう
時間がとても好きです。