□◆□…優嵐歳時記(32)…□◆□

    暖かき雨が降りける街路樹に   優嵐

季語としてふさわしく感じられてくるのは、これからの時期でしょ
う。関西では、東大寺のお水取りが終われば暖かくなると言われて
います。何をもって暖かいと感じるかはそれぞれの皮膚感覚による
でしょうが、気温が15度を越えると、暖かく感じられるのではない
でしょうか。

今日の姫路はお昼ごろにお天気が崩れ、少し雨が降りました。雨は
しかし、冬の冷たいものではなく、少しくらい濡れても気になりま
せん。『月形半平太』で、芸者梅松に「月さま、雨が…」と問われ、
半平太が答える「春雨じゃ、濡れてまいろう」は、まさに実感のこ
もった台詞なのです。これからは一雨ごとに暖かくなっていくこと
でしょう。